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八章 逃避行と商人の街
四十二話
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配合マシンは、ニフラインの本都市か、商人街フォッケトシアにあるだろうという。
「商人街なんて、まるっきり民間人の場所じゃないか。そんなところに運ばれてるの? 」
「だって、軍にあれは必要ないでしょう? ニフラインの官庁のものになるか、民間に売り払われるかの二択です。」
売り払われたとなれば、かなり面倒な話になる。見ず知らずの一般人の手に渡ってしまっていれば、探すことがそもそも困難になってしまう。
「どうしよう? この軍はそのフォッケトシアに寄るのかい? 」
「寄るわけないでしょう。民間人の町になんて用はないですから。」
「そうだよなぁ。」
困ったことになってしまった。ニフライン官庁に引き取られていることを祈るばかりだ。
あの機械が無かったら、僕たちはただの素人だ。なんとしてもあの配合マシンを取り戻さなくてはならない。
ピオーネは一つ、提案をした。
「あなた方に護衛をつけますから、フォッケトシアに行かれてみてはどうですか? 」
「はい? どういうこと? 」
「そのままの意味ですよ。私たちはこのまま周辺の制圧を進めますから、その間フォッケトシアの中を探し回ってみたらいかがかと言っているんです。」
それが許されるのならば、是非ともそうしたい。
「ところで、僕たちの護衛についてくれる人って? 」
「メイデン少将ですよ。これまで通り。」
「あれ、それじゃあメイデン少将の部隊はどうするんですか? 」
「一時本隊で預かります。そもそもあなた方の付き添いで作った部隊なので、あなた方が離れるのならば、もう仕事がないのですよ。」
そういえばそうだったな。
要塞からは、夕ごろに離れることになった。開発課の僕達三人と、メイデン少将の四人だ。
北方のフォッケトシアまでは馬に乗っていく。馬車がないからそうするしかない。町の場所を把握しているメイデン少将が先導だ。
外は寒かった。砂漠が近いので、気候もそれに左右されているのだろう。
「行こうか。」
「すいません、少将。付き合わせてしまって。」
「いやいや、軍を離れるのもいい息抜きになるさ。」
「このまま僕みたいに辞めちゃいません? 」
「そんなわけないだろう、バカタレ! 」
「でも皆さん、もし配合マシンを見つけたところで、どうやって運ぶんです? 」
ライアンくんの言うことももっともだった。
「馬車くらいなら町で調達できるんじゃないですか? 」
「たしかに。商人の町だもんな。」
「私も行ったことないからな。そこはなんとも言えない。」
毎度計画性が足りないな。
夕焼けを左手に見ながら荒野を北へと走っていく。遥か先に、ポツンと小さな影が見えるだけで、あとは何もない。
「あれですか? 」
「そうだ。あれがフォッケトシアだ。」
あたりが暗くなるにつれて、その町の周りだけが明るく光っていた。街灯の光が漏れているらしい。
「割りかし近いんですね。」
「いや、そうでもないですよ。近くに見えるのは何も遮るものがないからですよ。」
ライアンくんは馬上で水筒を開けていた。
ライアンくんの言葉通り、なかなかフォッケトシアには到着しなかった。
「もしかしたら、着くのは夜明けになるかもしれませんね。」
「え、てことは徹夜になるのかい? 」
「まあ仕方ないでしょうね。」
そうとわかると、急に気分が重くなってしまった。僕は軍人じゃないんだから、一晩中馬の上なんてしんどいに決まっている。
出来ることなら休みたいな。
「休むとかはなしですからね、タイセイさん。時間がないですから。」
な! 心が読まれていたよ。
「そ、そんなこと考えるわけないじゃないか。」
「本当ですか? 怪しいですね。」
他の二人は黙って馬を走らせているから、余計に申し訳なくなってくる。
結局その夜、眠ることはなかった。
頭上を月がぐるりと一周してしまうと、今度は朝日が昇ってきた。
「身に染みるな、この光。」
「目がすぼんでしまいそうです。」
「なんだ? 君らは官吏なのに徹夜しなれてないのかね? 」
「暇な部署なもんで。」
元の世界では、ちょくちょく徹夜することもあったけれど、こっちに来てからはまだしたことがなかった。こんなにキツいものだったかしら。
夜が明けてすぐに、僕たちはフォッケトシアに到着した。まるでここが一つの大都市かと思われるくらいの大きな防壁を構えている。
「ここが本当に商人の町なのかい? なかなかの防備をしているけれど。」
「商人の町とは言いつつも、よく狙われやすい場所ですから、軍も配備されています。」
「え、じゃあ僕たち入れないんじゃ? 」
「いやいや、さすがに僕たちの顔は知られてはいないと思いますよ。まあ少将だけは将官ですから、顔が知られていても不思議ではないですが。」
「ホルンメランの一少将の顔なんて誰も知らんよ。パゴスキー君でもあるまいし。」
「あ、なんか、すいません。」
「なんで謝るんだよ! 」
四人で、門まで行き、門番に話すと特に止められることもなく中に入ることができた。
「ほんとに何も問題なく通れましたね。」
「ちょっとくらい疑ってくれてもよかったのだがね。」
メイデン少将は不機嫌になっていた。
町中に入ると、僕らは心躍った。
「すごい活気ですね! 」
大通りの両脇には、所狭しと商人たちと品物が並んでいた。それを囲む人々はさらに多い。
小さな町のはずなのに、弾けるような陽気はホルンメランよりも明るかった。
僕は、ついつい町並みに心惹かれて、店を見てまわってしまった。
見たことがないのがいくつもあった。初めて見る果物、初めて見る雑貨品、初めて見る……これはそもそも何かが分からないな。
しかし、すぐにライアンくんに呼び戻された。
「タイセイさん! 目的を忘れてはいませんか? 」
「ああ、そうだったね。すぐに機械を見つけて回収しないと。」
軍は僕たちとは別行動で、すでに他の場所への侵攻を再開しているだろう。
もしかしたらかなり大きな事が起きるかもしれない。できるだけ早くこっちの用事を済ませてサミュール要塞まで戻らなければ。
ただ問題なのは、肝心の配合マシンの場所が全く分からないと言うことだった。
「手がかりを掴むことが第一ですね。」
「幸い人は大勢いることだし、聞き込みでもしてみましょうか。」
僕たちは一旦解散して、一人一人で聞き回ることにした。
見渡す限りは人がいるのだから、いくらでも情報はありそうだ。多すぎるほどに。
僕はさっそく、近くを通った婦人に話しかけた。
「あのう。」
婦人はドレスを着ていた。大きなハットと白い日傘で顔はよく見えなかった。だが、かなり派手であまりに目立っていたから、彼女に話しかけてしまった。
「あら、ここの人じゃないわね。旅の人? 」
「ええ。そうなんですよ。」
「どこから来られたのかしら? 」
なんか僕の方が聞かれるな。
「ホル……プレドーラからです。」
「へえ、お隣さんじゃない。それで? 私に何かご用かしら? 」
そこで彼女は初めてハットの下から目を覗かせた。
婦人があまりにも深い紅の瞳をしていたので、僕は吸い込まれそうな気分になった。
「ねえねえ、どうしたの? 急にボーッとして。」
「あ、ああ。すいません。」
「ちょっと具合が悪いんじゃないかしら。ちょっとウチまでいらっしゃいよ。」
「いえいえ、急いでいるもので。この町で、人二人分くらいの大きさのマシンは見てはいませんか? 」
「あら? それって真ん中に大きな筒みたいなのがついてる? 」
「え、ええ! それかもしれないです! 」
「あらよかったわ。それならウチにあるわ。なんの機械か分からなかったけど、面白そうだから今朝買ったのよ。」
これは、思ったよりも早く手がかりを掴めそうだぞ!
連れて行かれた先は、町の中心部。婦人はその中を進んでいき、一際大きな屋敷の前で立ち止まった。
「ここがわたしの屋敷よ。入ってちょうだい。」
婦人は鉄格子の入口を開けて、屋敷の庭に入った。
前にゴースで見た、ノース子爵の屋敷にも負けないくらい大きな屋敷だ。
まっすぐ行ったところの扉を開くと、ロビーだった。
「応接間は右に行ったところよ。」
一階の応接間に案内されると、婦人は手を2回叩いた。
程なくして、メイドがやってきて、コーヒーを二杯給仕してくれた。
「ありがとう。戻っていいわよ。」
メイドはペコリと礼して部屋から出て行った。
婦人は一口コーヒーを飲むと、僕を見つめて口を開いた。
「それで? 貴方の素性を教えてちょうだい。隠しても無駄よ。ホルンメランから来たんでしょ? あなた。」
「商人街なんて、まるっきり民間人の場所じゃないか。そんなところに運ばれてるの? 」
「だって、軍にあれは必要ないでしょう? ニフラインの官庁のものになるか、民間に売り払われるかの二択です。」
売り払われたとなれば、かなり面倒な話になる。見ず知らずの一般人の手に渡ってしまっていれば、探すことがそもそも困難になってしまう。
「どうしよう? この軍はそのフォッケトシアに寄るのかい? 」
「寄るわけないでしょう。民間人の町になんて用はないですから。」
「そうだよなぁ。」
困ったことになってしまった。ニフライン官庁に引き取られていることを祈るばかりだ。
あの機械が無かったら、僕たちはただの素人だ。なんとしてもあの配合マシンを取り戻さなくてはならない。
ピオーネは一つ、提案をした。
「あなた方に護衛をつけますから、フォッケトシアに行かれてみてはどうですか? 」
「はい? どういうこと? 」
「そのままの意味ですよ。私たちはこのまま周辺の制圧を進めますから、その間フォッケトシアの中を探し回ってみたらいかがかと言っているんです。」
それが許されるのならば、是非ともそうしたい。
「ところで、僕たちの護衛についてくれる人って? 」
「メイデン少将ですよ。これまで通り。」
「あれ、それじゃあメイデン少将の部隊はどうするんですか? 」
「一時本隊で預かります。そもそもあなた方の付き添いで作った部隊なので、あなた方が離れるのならば、もう仕事がないのですよ。」
そういえばそうだったな。
要塞からは、夕ごろに離れることになった。開発課の僕達三人と、メイデン少将の四人だ。
北方のフォッケトシアまでは馬に乗っていく。馬車がないからそうするしかない。町の場所を把握しているメイデン少将が先導だ。
外は寒かった。砂漠が近いので、気候もそれに左右されているのだろう。
「行こうか。」
「すいません、少将。付き合わせてしまって。」
「いやいや、軍を離れるのもいい息抜きになるさ。」
「このまま僕みたいに辞めちゃいません? 」
「そんなわけないだろう、バカタレ! 」
「でも皆さん、もし配合マシンを見つけたところで、どうやって運ぶんです? 」
ライアンくんの言うことももっともだった。
「馬車くらいなら町で調達できるんじゃないですか? 」
「たしかに。商人の町だもんな。」
「私も行ったことないからな。そこはなんとも言えない。」
毎度計画性が足りないな。
夕焼けを左手に見ながら荒野を北へと走っていく。遥か先に、ポツンと小さな影が見えるだけで、あとは何もない。
「あれですか? 」
「そうだ。あれがフォッケトシアだ。」
あたりが暗くなるにつれて、その町の周りだけが明るく光っていた。街灯の光が漏れているらしい。
「割りかし近いんですね。」
「いや、そうでもないですよ。近くに見えるのは何も遮るものがないからですよ。」
ライアンくんは馬上で水筒を開けていた。
ライアンくんの言葉通り、なかなかフォッケトシアには到着しなかった。
「もしかしたら、着くのは夜明けになるかもしれませんね。」
「え、てことは徹夜になるのかい? 」
「まあ仕方ないでしょうね。」
そうとわかると、急に気分が重くなってしまった。僕は軍人じゃないんだから、一晩中馬の上なんてしんどいに決まっている。
出来ることなら休みたいな。
「休むとかはなしですからね、タイセイさん。時間がないですから。」
な! 心が読まれていたよ。
「そ、そんなこと考えるわけないじゃないか。」
「本当ですか? 怪しいですね。」
他の二人は黙って馬を走らせているから、余計に申し訳なくなってくる。
結局その夜、眠ることはなかった。
頭上を月がぐるりと一周してしまうと、今度は朝日が昇ってきた。
「身に染みるな、この光。」
「目がすぼんでしまいそうです。」
「なんだ? 君らは官吏なのに徹夜しなれてないのかね? 」
「暇な部署なもんで。」
元の世界では、ちょくちょく徹夜することもあったけれど、こっちに来てからはまだしたことがなかった。こんなにキツいものだったかしら。
夜が明けてすぐに、僕たちはフォッケトシアに到着した。まるでここが一つの大都市かと思われるくらいの大きな防壁を構えている。
「ここが本当に商人の町なのかい? なかなかの防備をしているけれど。」
「商人の町とは言いつつも、よく狙われやすい場所ですから、軍も配備されています。」
「え、じゃあ僕たち入れないんじゃ? 」
「いやいや、さすがに僕たちの顔は知られてはいないと思いますよ。まあ少将だけは将官ですから、顔が知られていても不思議ではないですが。」
「ホルンメランの一少将の顔なんて誰も知らんよ。パゴスキー君でもあるまいし。」
「あ、なんか、すいません。」
「なんで謝るんだよ! 」
四人で、門まで行き、門番に話すと特に止められることもなく中に入ることができた。
「ほんとに何も問題なく通れましたね。」
「ちょっとくらい疑ってくれてもよかったのだがね。」
メイデン少将は不機嫌になっていた。
町中に入ると、僕らは心躍った。
「すごい活気ですね! 」
大通りの両脇には、所狭しと商人たちと品物が並んでいた。それを囲む人々はさらに多い。
小さな町のはずなのに、弾けるような陽気はホルンメランよりも明るかった。
僕は、ついつい町並みに心惹かれて、店を見てまわってしまった。
見たことがないのがいくつもあった。初めて見る果物、初めて見る雑貨品、初めて見る……これはそもそも何かが分からないな。
しかし、すぐにライアンくんに呼び戻された。
「タイセイさん! 目的を忘れてはいませんか? 」
「ああ、そうだったね。すぐに機械を見つけて回収しないと。」
軍は僕たちとは別行動で、すでに他の場所への侵攻を再開しているだろう。
もしかしたらかなり大きな事が起きるかもしれない。できるだけ早くこっちの用事を済ませてサミュール要塞まで戻らなければ。
ただ問題なのは、肝心の配合マシンの場所が全く分からないと言うことだった。
「手がかりを掴むことが第一ですね。」
「幸い人は大勢いることだし、聞き込みでもしてみましょうか。」
僕たちは一旦解散して、一人一人で聞き回ることにした。
見渡す限りは人がいるのだから、いくらでも情報はありそうだ。多すぎるほどに。
僕はさっそく、近くを通った婦人に話しかけた。
「あのう。」
婦人はドレスを着ていた。大きなハットと白い日傘で顔はよく見えなかった。だが、かなり派手であまりに目立っていたから、彼女に話しかけてしまった。
「あら、ここの人じゃないわね。旅の人? 」
「ええ。そうなんですよ。」
「どこから来られたのかしら? 」
なんか僕の方が聞かれるな。
「ホル……プレドーラからです。」
「へえ、お隣さんじゃない。それで? 私に何かご用かしら? 」
そこで彼女は初めてハットの下から目を覗かせた。
婦人があまりにも深い紅の瞳をしていたので、僕は吸い込まれそうな気分になった。
「ねえねえ、どうしたの? 急にボーッとして。」
「あ、ああ。すいません。」
「ちょっと具合が悪いんじゃないかしら。ちょっとウチまでいらっしゃいよ。」
「いえいえ、急いでいるもので。この町で、人二人分くらいの大きさのマシンは見てはいませんか? 」
「あら? それって真ん中に大きな筒みたいなのがついてる? 」
「え、ええ! それかもしれないです! 」
「あらよかったわ。それならウチにあるわ。なんの機械か分からなかったけど、面白そうだから今朝買ったのよ。」
これは、思ったよりも早く手がかりを掴めそうだぞ!
連れて行かれた先は、町の中心部。婦人はその中を進んでいき、一際大きな屋敷の前で立ち止まった。
「ここがわたしの屋敷よ。入ってちょうだい。」
婦人は鉄格子の入口を開けて、屋敷の庭に入った。
前にゴースで見た、ノース子爵の屋敷にも負けないくらい大きな屋敷だ。
まっすぐ行ったところの扉を開くと、ロビーだった。
「応接間は右に行ったところよ。」
一階の応接間に案内されると、婦人は手を2回叩いた。
程なくして、メイドがやってきて、コーヒーを二杯給仕してくれた。
「ありがとう。戻っていいわよ。」
メイドはペコリと礼して部屋から出て行った。
婦人は一口コーヒーを飲むと、僕を見つめて口を開いた。
「それで? 貴方の素性を教えてちょうだい。隠しても無駄よ。ホルンメランから来たんでしょ? あなた。」
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