暴力脱出

ロシアの種馬

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ロッキー

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カチャン、トントントン

音で目がさめる、ここは・・・
頭がぼんやりする、記憶がハッキリしない


昨日は夜中に目がさめて、騒音を注意しに行って、、と記憶を辿る最中に
ふと気配を感じて左に向くと

男が椅子に繋がれていた


うわぁあ!!

驚き立ち上がろうとすると

ガシャン!

立ち上がれない、腕も動かない、
椅子に鎖でぐるぐる巻きに繋がれているではないか


そうだ思い出したぞ
騒音を注意しに行ったらこの男がいて
そして吉高左尾里が・・


と考えている最中に向かいの襖がシャンコン!と開いた


そこから吉高左尾里がカレーライスの入った長方形の底の深い皿を持って入って来た


身体が固まる、昨日の衝撃を身体が覚えているのだ、動かない、
それはまるで蛇に睨まれたカエルのように
それはまるで交尾後のカマキリのように


すると吉高左尾里は左にいる男の前に座り、右手に持っているスプーンでルーとご飯をぴったり50:50にすくい取ると、
男の口元へよそおった


すると男は無表情で、
まるでロボットのような無表情で、
口を開けて吉高左尾里の差し出すスプーンに乗ったカレーライスを食べた


吉高左尾里はとても丁寧に、まるで老人介護の様に男にカレーライスを食べさせている

男の方も無表情、無感情でそのカレーライスを食べ続けている


甘く、その中にピリッとスパイスのありそうな、美味しそうな匂いがただ寄って来るが

今の僕には食欲が全然無い、むしろ吐きそうな程最悪の気分だ


男に綺麗にカレーライスを全部食べさせると、
吉高左尾里は立ち上がり、水の入ったペットボトルを取り出すと自分の口に含んだ


口いっぱいに水を含むとそのまま前かがみになり、


男に口づけをした

口に含んだ水を男に口移しで飲ませているのではないか、


その様を見て、僕はションベンを漏らしてしまった、あまりの恐怖に、


吉高左尾里は何度もペットボトルの水を口に含み、男に飲ませては口に含み
ペットボトルに入っている水を全部飲ませた、男は無表情である


空になったペットボトルを足元に置くと
おもむろに歩いて男の背後に回り、



いきなり右腕を男の首に巻き付けた!

チョークスリーパーである


瞬間に顔が紅潮し、
まるで電気椅子に座ってるかの様に身体がビクビクビクと細かく痙攣している


20秒位するとピタ
っと痙攣が止まった、おちたのである


すると吉高左尾里は床に置いてあるカレーライスが入っていた皿とスプーンとペットボトルを手に取り上げ、

襖を開けて出て行った


襖の向こうから 
ジャー、カチャンカチャンと音が聞こえてくる
どうやら先程の皿を洗っているらしい、


皿を洗い終えるとバタバタと部屋を歩く音が聞こえて
その足音はそのまま玄関のドアの方へと向かって行った


ガチャンとドアを開ける音がすると

「行ってきま~~す」

と吉高左尾里は言ってドアを閉めた
ガチャン・・・カチ
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