「知ってはイケナイ。」

晴れ。

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第2話 封古の奥

ー1ノ初ー

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夏期。

陽光が指す季節。



こんな頃になると

ふ、と。

思い出す事がある。




随分と古い話だ。



思い出。



そんな優しい代物ではない。



言葉にするにも

躊躇ちゅうちょしまいか。

思い出さずに。

記憶からキレイさっぱり

消し去っても構わない。



ソレの記憶なぞ

無い方がよいのだ。



それでもー

忘れることなぞ出来はしない。

アレ。



暑い夏。

常より熱く焼ける日差し。

ヒマワリが見えた道筋。



その先に

アレが棲ひそむ場所がある。
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