殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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捕縛

39話 ハプニング発生

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朝日が上り周りを暖かな光が広がる。
シュオナは仮眠を1時間程とった後からずっと見張っていた。
「朝日が昇る前に何組かは来ると思っていたが…誰も来なかったな。感ずかれた?それとも別の拠点を用意していたのか?もしくは…」
監視をしながら思考する。どこにいるのか。もし自分ならどこに行こうとするか。考えていると馬が走ってくる音を聞き取った。
「仲間か?」
千里眼を使い確認する。
馬が36頭。そのうちの8頭は馬車を引いている。馬車に刻まれている家紋を見るとコータス帝国によく入れられてる鳥のモンスターの家紋。裏切った公爵と伯爵達と護衛なのだろう。
あと残りがリスターナ王国の家臣2人が集まれば動くことが出来る。同胞が全員集まり安心しきった時ほど油断が出来る。
「あとはリスターナ王国だけだ。集まればお前らは後悔するだろうよ」
獣人の裏切り者がいる場所へと馬たちは向かう。それを遠くから見張っていると別の方向からこちらに向かってくる何かを視界に捉えた。
「なんだ?何かがものすごい速さでこちらに向かってくるぞ?」
砂煙を出しながらこちらへと近づく何かを千里眼でシュオナは捉える。
「なっ?!なんで…なんで亜種のドラゴンがこっちに向かってくるんだよ!?!」
思わず立ち上がる。そしてドラゴンの前には馬が走っていることに気がついた。
「あの2人が亜種とはいえドラゴンを怒らしたのか!!一体何を怒らせた!
このままじゃ裏切り者達はバラバラになる…。ちっ、仕方がない亜種のドラゴンには悪いが死んでもらおう。仲間はいないみたいだしな」
体を狼へと肉体を変化させ到着した裏切り者達にドラゴンが見つかる前に始末をつけようと走り出す。
「クソっ!まさかあの場所があのドラゴンの住処だとは…こっちに来るなぁ!!!」
「大体あんな場所に巣があるなんて思わねぇだろうが!しかも俺達が食べた卵があのドラゴンの卵なんて思わねぇだろう!」
肉眼で巨大なドラゴンを捉えられるほど近づいた時にそんな会話が前から聞こえてきた。
そうか。それで怒らせたのか。親であるドラゴンは大事な卵を食べられて怒り狂っているわけか。
「しかも馬に乗っているのはドワーフ…裏切り者か。仕方ない、向こうについたらきっと狼が助けてくれたとでも言ってくれるだろう」
そのままドワーフが操る馬を真っ向から通り過ぎドラゴンへ突っ込む。
ドワーフは急に前から狼が来ることに驚いたが通りすぎてドラゴンに向かうのを見てそのままゼルナロへと走る。
「GAAAAAAAAA!!!!」
亜種のドラゴンはシュオナが突っ込んでくることに気づくのが遅くなり、咄嗟に炎を口から吐き出す。
「っ!!」
シュオナは炎を避けようとしたが後にはターゲットであるドワーフがいるため避けられないので結界を目の前に大きく貼り防ぎ込む。
「GAAA!!GRUUUUU!!!(どけぇぇ!!そいつらは私の子をォォ!!!)」
「……」
シュオナの常時発動する特殊な能力の1つでモンスターの言葉を理解することが出来る。この能力を持つものはテイマーとして活躍することが出来るが特殊な能力故に扱いが難しいうえに、保有者がとても少ない。モンスターの言っている言葉を理解できるといっても個人差がある。シュオナもまさか亜種でもドラゴンの言葉がわかるとは思わなかった。
「(すまないな、でもこいつらは、僕の獲物だ。引いてもらえるとありがたいが、敵対するなら殺すぞ?)」
ドラゴンには念話で直接脳に語り様子を見るがどう見ても納得いかないようだ。
「(交渉決裂だな)」
ドラゴンはまた炎を吐き出し攻撃してきたので結界を貼り死角へと走って移動する。雷の能力を最大にしてドラゴンへと放つ。
「GAAAAAA!!」
ドラゴンは低い硬度を飛んでいたのが仇となりシュオナの攻撃をまともに食らう。羽が焦げて飛ぶには難しい状態になった。
「GRUUUUU、GRUUUuuu(お前は一体なんなのだ、たかが銀髪の狼風情が私の羽を)」
「(その狼風情にお前は殺されるんだよ。子を食べられたのははっきり言って同情するよ。だがな、僕はあいつらを生かして連れていかなければならない場所がある。母親のアンタには悪いがな)」
そのままドラゴンの首へと風の能力を最大にして前足を大きく振りかぶりカマイタチを作り一瞬で切り飛ばす。
そのまま首のないドラゴンは地面へと倒れる。
「すまないな。お前は悪くないというのに…、だが生き物は奪い奪われるのが当たり前だ。それこそ弱肉強食という便利な言葉が存在する。卵があるのに巣から離れたお前が悪い。ちゃんと守りたければ卵から離れるんじゃなかったな」
周りに誰もいないことを確認してドラゴンを異空間へと仕舞う。ドラゴンの肉は格別に美味いのだ。骨も加工すればいい材料になるし、皮も防具にも出来る。ある意味ドラゴンは生きる最高級素材だ。ただ、倒すのが難しいというだけ。
「さて、ゼルナロに戻って早くターゲット達の現状を確認しないとな」
狼の姿のままシュオナはゼルナロへと走って戻っていった。
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