寄生虫転生~いつか二本足で歩く日を夢見て~

海人

文字の大きさ
2 / 4

一話 誕生

しおりを挟む

 目が覚めるとそこは不思議な世界だった。
 なんだ。ここは。
 そう思い、俺は辺りを見回して見る。しかし……見回せなかった。いや、正確に言うと、見られなかった。
 どういう事かは、分からないがどうやら視覚を失くなったみたいだ。
 最悪だ。植物状態か?
 最後の記憶は、確か……そうだ。事故にあったんだ。
 何なんだ、あの警官。
 職質って何かしらの条件が必要だったんじゃないか。いかにも怪しそうとだ、とか。いや、それだと、俺が怪しそうって言うことになるから考えるのは、やめておこう。
 そんなことより、ここはどこだ。
 やはり……視覚は無い。
 聴覚は……ない。
 嗅覚は……ない
 味覚も無いし、勿論、触覚も……いや、ある。あるぞ。
 だが、これは触覚とは少し違う気がする。何というか、見えてないのに何となく分かるし、体も動かせそう、みたいな。
 ……ふと、妙な感覚に陥ったので、一旦触覚を閉じた。
 何だったんだあれは。最後に、何かが、見えた気がした。もしかして、さっき、視覚がないって思ったのは気のせいかもしれない。そう思い、もう一回試してみる。
 おお、見える、見えるぞ。
 青々とした葉っぱが生い茂る、たくさんの大木、さえづる鳥、川のせせらぎ……
 あれ、ココドコダ?
 いや、おかしいだろ。何処だよ。ここ。普通なら病院にいるんじゃないのかよ。
 よし、落ち着いた。一旦整理しよう。
 確か、俺はトラックに引かれて死んだ。それは、間違いない。そしたら、大自然のなかにいたと。…………………………?
 ま、……まあいい。理由は後で考えよう。
 とりあえず、重要なことは、これからどうするかだ。うん。そうだな。それなら、辛うじて分かる。まずは、食料、水の調達だ。
 
 暫く歩いていくと、水源を見つけた。よかった。これで後、三週間は持つだろう。
 人間は食べ物なしでも三週間はいきられるって何かで見たことあるからな。そんな、事を思いながら水をすくおうと、水面を覗くと、……そこにはいつもの巨漢の姿は写っていなかった。
 だか、イケメンになっていたわけでもない。
 それは……人間ですらない。ネズミだった。
 
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

処理中です...