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第3章 夏祭り
第4話①
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一度の射精のみで我慢してくれた甲斐もあり、幸いにも足腰が立たなくなるということはなかった。腰の奥は違和感があるものの、普段入れていないような巨大な異物を挿入してガンガン突き込んでいたのだから仕方がない。まだ歩けるだけ良しとすることにする。
見よう見まねで直した浴衣は悠真に会った瞬間、怪訝な顔をされ、母屋へと連れて行かれた。姿見の前で直されながら悠真はプリプリと怒りを露わにする。
「セイルちゃんも嫌なことはビシーッと嫌だーって言わなきゃダメだって言ってるでしょ!」
「いえ、言ったんですけども……」
「多分、全然足りてないんだよ! もう、あの顔一発ぶん殴るくらいの覚悟……で……」
そこまで言って悠真の手がピタリと止まる。しばらく浴衣と肌襦袢を見つめていたが、フゥと盛大な溜め息を吐き出した後、浴衣の帯を外し始めた。
「まだ他のもあるから……着替え直そうか」
「え、何でですか?」
悠真が見つめていた場所を見て、セイルの顔に一気に血が上る。
浴衣の裾部分に、どう見ても白濁と思しき液体の付いた名残があった。
「ぎゃーーーーーーーー!!!!!! す、すすすすすすすいません、悠真さぁぁぁん!!!!!!!」
「いや、どうせ悪いのはアイツだからさ……。ごめんね、うちの不良幼馴染が迷惑ばっかかけて……」
帯を解きながらげんなりする悠真を見て、居た堪れなさでいっぱいになる。他者の情事の名残など見せられるなんて堪ったものではないだろうし、しかもこれは悠真の母親の遺品だ。
「あ、洗ってお返しいたしますから!」
「浴衣って普通に洗濯機で洗えるものじゃないから、気にしなくて良いよ。僕、こういうのは慣れてるし」
「じゃ、じゃあ、お金! お金を……」
「何言ってんの! いつもセイルちゃんには十分すぎるくらい助けてもらってるんだから、そんなことな~んにも気にしなくて良いんだってば」
「でも、でもぉ……」
「でももだってもないって。あっ、そうだ。祭りの写真、良いの撮れた? またバズりそうなのとか、神社の宣伝になりそうなのあったら上げといてよ。それでチャラにしよう?」
「うっ……」
悠真の言葉に固まってしまう。今日撮った写真なんて、かき氷とベロの青い間抜け面くらいしかない。そう話せば、悠真はゲラゲラと笑いながら桐ダンスの中から白い浴衣を取り出した。
「あはは、全然ダメじゃん。罰として、もっといろんな写真を撮ることと、盆踊りを率先して踊って盛り上げる刑に処す!」
笑いながら浴衣を着付ける悠真の手は慣れている。結月もてきぱきと素早く着付けてくれたが、神社で育った悠真もなかなかのものだ。言われるがままに後ろを向いたり手を上げたりしていると、気付いた時には着付けが完了していた。これなら結月にやってもらわなくとも、悠真でも十分ことは足りたが、悠真は梨々花のようにヘアアレンジなどはできないからと苦笑する。それに、管理や準備に忙しくて時間を取れなかったと笑っていた。そんな多忙な中、手間を増やしてしまい萎縮する。
「あっ、そうだ。悠真さん、聞いてくださいよ。鷹臣さん、酷いんですよ? 盆踊りはお盆持って踊るとか、かき氷は一気食いするのが通だとか、嘘ばっかり吐くんです」
「鷹臣が? セイルちゃんに??」
襟元などを直していた悠真の手が止まった。不思議に思い振り返ると、呆けたように悠真が大きく口を開けていた。
「ゆ、悠真さぁん……?」
悠真の顔の前で手を振ってみるが、何のリアクションもない。今度はツンツンと頬をつついてみたところで、やっと石のように固まっていた悠真が動き出した。
「そうかぁ……あの鷹臣が、そんな冗談言うようになったんだね……」
ズビリと鼻をすする音がする。一方のセイルはと言えば、何が何だか訳が分からない。
「えーっと、あの、何か泣くようなこと、ありましたっけ……」
「あるよ! あの鷹臣が、セイルちゃんには随分と心を許してるってことなんだから!!」
「ええええ……」
盛大に首を傾げた。どう考えたって、そんな感じがしない。心を許しているというのならば、裏ビデオだのソープだの言うだろうか。
「そうですかねぇ? ただ、揶揄って遊んでただけって感じでしたよ?」
「そんなことないって! 鷹臣ってとっつきにくい分、そういうこと全然言わない奴なんだから!」
ガシリと両肩を掴まれる。少し痛いくらいの力が込められていた。
「セイルちゃん、鷹臣のこと、これからもよろしく頼むね!!」
「は、はぁ……。分かりました……」
あまり納得はいっていないが、とりあえず頷いておく。
瓶底眼鏡で相変わらず悠真の表情は分かりづらかったが、何となく瞳が潤んでいるように見えた。
見よう見まねで直した浴衣は悠真に会った瞬間、怪訝な顔をされ、母屋へと連れて行かれた。姿見の前で直されながら悠真はプリプリと怒りを露わにする。
「セイルちゃんも嫌なことはビシーッと嫌だーって言わなきゃダメだって言ってるでしょ!」
「いえ、言ったんですけども……」
「多分、全然足りてないんだよ! もう、あの顔一発ぶん殴るくらいの覚悟……で……」
そこまで言って悠真の手がピタリと止まる。しばらく浴衣と肌襦袢を見つめていたが、フゥと盛大な溜め息を吐き出した後、浴衣の帯を外し始めた。
「まだ他のもあるから……着替え直そうか」
「え、何でですか?」
悠真が見つめていた場所を見て、セイルの顔に一気に血が上る。
浴衣の裾部分に、どう見ても白濁と思しき液体の付いた名残があった。
「ぎゃーーーーーーーー!!!!!! す、すすすすすすすいません、悠真さぁぁぁん!!!!!!!」
「いや、どうせ悪いのはアイツだからさ……。ごめんね、うちの不良幼馴染が迷惑ばっかかけて……」
帯を解きながらげんなりする悠真を見て、居た堪れなさでいっぱいになる。他者の情事の名残など見せられるなんて堪ったものではないだろうし、しかもこれは悠真の母親の遺品だ。
「あ、洗ってお返しいたしますから!」
「浴衣って普通に洗濯機で洗えるものじゃないから、気にしなくて良いよ。僕、こういうのは慣れてるし」
「じゃ、じゃあ、お金! お金を……」
「何言ってんの! いつもセイルちゃんには十分すぎるくらい助けてもらってるんだから、そんなことな~んにも気にしなくて良いんだってば」
「でも、でもぉ……」
「でももだってもないって。あっ、そうだ。祭りの写真、良いの撮れた? またバズりそうなのとか、神社の宣伝になりそうなのあったら上げといてよ。それでチャラにしよう?」
「うっ……」
悠真の言葉に固まってしまう。今日撮った写真なんて、かき氷とベロの青い間抜け面くらいしかない。そう話せば、悠真はゲラゲラと笑いながら桐ダンスの中から白い浴衣を取り出した。
「あはは、全然ダメじゃん。罰として、もっといろんな写真を撮ることと、盆踊りを率先して踊って盛り上げる刑に処す!」
笑いながら浴衣を着付ける悠真の手は慣れている。結月もてきぱきと素早く着付けてくれたが、神社で育った悠真もなかなかのものだ。言われるがままに後ろを向いたり手を上げたりしていると、気付いた時には着付けが完了していた。これなら結月にやってもらわなくとも、悠真でも十分ことは足りたが、悠真は梨々花のようにヘアアレンジなどはできないからと苦笑する。それに、管理や準備に忙しくて時間を取れなかったと笑っていた。そんな多忙な中、手間を増やしてしまい萎縮する。
「あっ、そうだ。悠真さん、聞いてくださいよ。鷹臣さん、酷いんですよ? 盆踊りはお盆持って踊るとか、かき氷は一気食いするのが通だとか、嘘ばっかり吐くんです」
「鷹臣が? セイルちゃんに??」
襟元などを直していた悠真の手が止まった。不思議に思い振り返ると、呆けたように悠真が大きく口を開けていた。
「ゆ、悠真さぁん……?」
悠真の顔の前で手を振ってみるが、何のリアクションもない。今度はツンツンと頬をつついてみたところで、やっと石のように固まっていた悠真が動き出した。
「そうかぁ……あの鷹臣が、そんな冗談言うようになったんだね……」
ズビリと鼻をすする音がする。一方のセイルはと言えば、何が何だか訳が分からない。
「えーっと、あの、何か泣くようなこと、ありましたっけ……」
「あるよ! あの鷹臣が、セイルちゃんには随分と心を許してるってことなんだから!!」
「ええええ……」
盛大に首を傾げた。どう考えたって、そんな感じがしない。心を許しているというのならば、裏ビデオだのソープだの言うだろうか。
「そうですかねぇ? ただ、揶揄って遊んでただけって感じでしたよ?」
「そんなことないって! 鷹臣ってとっつきにくい分、そういうこと全然言わない奴なんだから!」
ガシリと両肩を掴まれる。少し痛いくらいの力が込められていた。
「セイルちゃん、鷹臣のこと、これからもよろしく頼むね!!」
「は、はぁ……。分かりました……」
あまり納得はいっていないが、とりあえず頷いておく。
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