5 / 6
「虚ろな瞳の中で」
しおりを挟む
特異点「転送(意識)」
*
その瞳は何も映さない。
その瞳は目の前で起こる如何なる事象にも応答しない。
まるで魂はそこに宿っていないかのように。
*
私はついに手に入れたのだ。ここまで来るのにどれだけの犠牲を払ったか。
それでも私はついにここへたどり着いた。
私は特異点を手にしたのだ。
「意識を転送する特異点」
これを手にした私はもはや不老不死である。
この老いぼれ萎れ枯れ切った肉体を捨て、瑞々しい肉体へ乗り移るのだ。
*
「さあ、始めなさい」
私は少女の額に針を刺した。そして私の額にも。
そして装置を作動させた。
*
「私はハチドリ。花弁を散らす者」
無防備になった肉体を傍目に優雅に装置を手に取る。
残されたのは主なき肉体が二つ。
ただ虚空を見つめていた。
*
その瞳は何も映さない。
その瞳は目の前で起こる如何なる事象にも応答しない。
まるで魂はそこに宿っていないかのように。
*
私はついに手に入れたのだ。ここまで来るのにどれだけの犠牲を払ったか。
それでも私はついにここへたどり着いた。
私は特異点を手にしたのだ。
「意識を転送する特異点」
これを手にした私はもはや不老不死である。
この老いぼれ萎れ枯れ切った肉体を捨て、瑞々しい肉体へ乗り移るのだ。
*
「さあ、始めなさい」
私は少女の額に針を刺した。そして私の額にも。
そして装置を作動させた。
*
「私はハチドリ。花弁を散らす者」
無防備になった肉体を傍目に優雅に装置を手に取る。
残されたのは主なき肉体が二つ。
ただ虚空を見つめていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる