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第二部ー要塞拠点の狂想曲
第六話-前兆
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あれは、夏の暑い日の事だ。
まだ、幼年学校に入学する前の夏休み。
僕は、あの二人に出会ったんだ。
金髪にアイスブルーの瞳の、瓜二人の天使に。
至高の存在。
彼女の為なら、僕はこの命を捧げても構わない。
ナガハマ要塞内。情報処理室。
左耳にラッパのような音声拡張期を当てて、ロータス大尉は真剣な顔で電報を打っていた。
ピピー、ピピッ。ピピピー。
微かな信号音が薄暗い室内に鳴り響き、僅かに混じるノイズの奥に、ロータス大尉は神経を研ぎ澄まして音を拾い集めた。
手元には一冊のメモ帳が置かれ、打針機を打ちながら時折メモ用紙に何事かを綴っている。
そこに記されているのは、一見しただけでは意味の通じない文字の羅列。
だが、その意味をロータス大尉は瞬時に理解する事が出来た。
これは、諜報員から送られてくる暗号であった。
「皇国内ニ動キアリ。北西部ニテ輸送部隊ノ動向ヲ確認…積荷ハ小型ノ物ト推測」
受信した暗号をロータス大尉はタイプライターで文章にしていく。
(小型の積荷…大型の銃火器かと思っていたけど…そうじゃない…?)
敵国である皇国に送り込んだ諜報員からの報告を精査し、ロータス大尉は座っていた椅子の上で天井を仰いだ。
「小型の物資…爆弾?いや、でも全長が160センチ前後というのが引っかかるなあ…」
情勢から言って、皇国は確かに銃火器に優れ、重工業においては帝国より秀でている。
それは、帝国にくらべて皇国の方が、圧倒的に人口が少ないのを補うためだ。
誰もが扱える武器は確かに戦場ではいざという時に利便性が高い。
だが、砲弾や戦車などはある程度は技能がいる。操縦士の確保は皇国にとって死活問題だというのが、帝国の見解である。
現状の戦況を考えて、もし、新兵器を投入してくるなら帝国側の士気を落とすには十分だろうが、その出所と貴重な操縦士を潰してしまえば皇国側にも打撃が及ぶ。
(ナガハマ要塞を取り返された事で、皇国は慎重になっている筈だ…少なくとも、今までのような銃火器で一気に攻めるような戦い方は見直してきそうなものだけどな…)
諜報員からの情報を自分なりに推理して、ロータス大尉は溜息をついた。
「はあ、さて…どうしたものかな」
椅子の上で上体を揺らしてロータス大尉は考え込む。
そして、勢いよく立ち上がった。
「ダメだ。頭が煮詰まりそう。ここは、ちょっと外の空気を吸いに行こう」
机の上に広げていたメモや手帳を片づけ、通信機を切ってロータス大尉は情報室を後にした。
「じゃあ、これは貯蔵庫に運んで。こっちは、衛生室に」
ナガハマ要塞の中庭。二台の輸送車の前で、私は今届いたばかりの物資の数々を確認するため、伝票と向き合っていた。
トパーズ少尉やヴァイオレット少尉などの同期達が指示通りに物資の詰まった木箱を運んでいく。
そんな事をしていると、不意に声をかけられた。
「やあ、コランダム少尉」
「あ、ロータス大尉。お疲れ様です」
伝票から視線を外し、私は上官であるロータス大尉に敬礼をする。
大尉も敬礼を返してくれながら、いつもの通りの爽やかな表情で私に笑いかけてくれた。
「物資の選別?」
「はい。次の派遣先に持っていく物資と、ナガハマ要塞内の備蓄品です。マグノリア大佐からの要請です」
簡潔に私は状況を伝える。
それに小さく頷いて、ロータス大尉は「ご苦労様」と労ってくれた。
「大尉?お疲れのようですが…」
ふと、ロータス大尉の目元に疲れの兆候を見つけて私は進言した。いつも爽やかで女性を虜にしている美男子には似つかわしくない疲労が滲んでいる。
「ああ…ちょっとね。それより、僕も手伝おうか」
疲労を振り払うように頭を横に振って、ロータス大尉は地面に積まれた木箱を持ち上げる。
「大尉、私達がやりますから」
「いいよ。僕も少し運動をしたかった所だから、協力させて」
そう言って歩き出したロータス大尉に私は木箱を持ってついて行く。
「ロータス大尉は、少佐の幼馴染なんですよね?」
ナガハマ要塞の中にある備蓄庫に向かいながら私は、思わずそんな事を聞いてしまった。
今思えば、私なりに彼を気遣いたかったのだろう。
「うん、そうだよ?あれ?少佐の子供の頃とか気になったりする?」
「あ...いや...まあ、気にはなりますけど...」
「いいねえ、お教えてあげてもいいけど?」
ニヤニヤと笑うロータス大尉に私は複雑な思いを噛み締めた。
「まあ。大した出逢いじゃないよ。僕の父と彼女の父君が同期だったてだけだよ。貴族同士だとよくある事だしね」
じっと自分を見つめていた私の視線を朗らかに受けとめながら、ロータス大尉は物資を備蓄庫に押し込めた。
「それじゃあ、少佐とエルダーベリー海軍大佐がどうして仲が悪いのかもご存じなんですか?」
再び中庭に戻り、今度は薬品瓶の入った木箱を持ち上げながら、私は更に問いを重ねた。
「おやおや、随分あの二人の仲が気になるんだね」
「はい、あんなに狼狽えた少佐は初めて見たので...」
「ああ、まあ、確かに彼女が取り乱すのは珍しいか...普段清廉潔白というか...鬼教官だしね」
私と同じように薬品瓶の木箱を抱えてロータス大尉は並んで歩き出す。
「でも、意外とあれが素なんだよ。昔は御転婆で僕なんかは良く泣かされたからね」
ふふっと、楽し気にかつての事を思い出しているロータス大尉を見ていると、彼等の仲の良さが伺えた。
それは、何処か眩しくて、なんだか遠い気がして、手を伸ばしても届かないもどかしさが私の胸に去来した。
「少佐って、御転婆さんだったんですね」
「僕より男勝りだった。彼女の父親は、あの子が息子なら良かったのにって、僕の父に話していたくらいだからね。本人は不本意だっただろうけど」
そう話をするロータス大尉は、何故か寂しげだった。
その表情が気になって、何かを聞こうとした時、向こうから歩いてきた人物に私達は歩みを止めた。
「よう、伊織」
前方から歩いてきたのは、さっきまで話題にしていたエルダーベリー海軍大佐だった。
「お疲れ様です。エルダーベリー海軍大佐」
敬礼をするロータス大尉に続いて私は上官へ敬礼をする。
「なんだ、今度は結月のお気に入り引っ掛けたのか?」
「まさか、僕がそんな事する訳ないよ...」
ニヤニヤと私と並んでいるロータス大尉を覗き込み、エルダーベリー海軍大佐は喉を鳴らして笑う。
それにロータス大尉は肩を竦めて否定した。
「だよな。アイツ、怖いからな。それで、例の件は順調か?」
まるで、私がいても、誰が聞いていても気にも留めないと言った様子で、エルダーベリー海軍大佐は何かをロータス大尉に訊ねている。
このところ、ロータス大尉が何か別の任務を請け負っている事は薄々勘付いていたが、こんな所で話していい内容なのかは不思議だった。
「そろそろ詰まりそうだよ。確証がない。乗り込む必要があるんじゃないですか?」
軽い調子で返すロータス大尉に、エルダーベリー海軍大佐は眉を顰めた。
「分かった。俺の方でも動く。もしもの時は乗り込めるか?」
「一度左遷した奴を呼び戻すのは都合良すぎですよ...」
「でも、お前ならやるだろ」
「まあ、否定はしないかな」
互いに言葉を交わす二人の姿を私は暫く見つめていたが、ふと、ある事に気づいてしまった。
(あ、これ私が聞いたらまずい奴だ...)
そう思った途端、私はそろりと足音を消してその場から逃げようとした。
普通だったら、これでどうにかなるのだが、その日はそうはいかなかった。
「ちょっとまて」
その場をそっと離れようとした私を、彼はまるで猫を掴まえるように襟首を掴んで引き留めた。
「いいね、お前...ちょっと、オレに使われてみない?」
ニヤリと、八重歯を剥き出しにして笑うエルダーベリー海軍大佐の凄みのある笑みに、私は本能で嫌な予感を感じた。
熾天使の兄ならこの人は堕天使じゃないのだろうかと、私は思わずにはいられなかった。
まだ、幼年学校に入学する前の夏休み。
僕は、あの二人に出会ったんだ。
金髪にアイスブルーの瞳の、瓜二人の天使に。
至高の存在。
彼女の為なら、僕はこの命を捧げても構わない。
ナガハマ要塞内。情報処理室。
左耳にラッパのような音声拡張期を当てて、ロータス大尉は真剣な顔で電報を打っていた。
ピピー、ピピッ。ピピピー。
微かな信号音が薄暗い室内に鳴り響き、僅かに混じるノイズの奥に、ロータス大尉は神経を研ぎ澄まして音を拾い集めた。
手元には一冊のメモ帳が置かれ、打針機を打ちながら時折メモ用紙に何事かを綴っている。
そこに記されているのは、一見しただけでは意味の通じない文字の羅列。
だが、その意味をロータス大尉は瞬時に理解する事が出来た。
これは、諜報員から送られてくる暗号であった。
「皇国内ニ動キアリ。北西部ニテ輸送部隊ノ動向ヲ確認…積荷ハ小型ノ物ト推測」
受信した暗号をロータス大尉はタイプライターで文章にしていく。
(小型の積荷…大型の銃火器かと思っていたけど…そうじゃない…?)
敵国である皇国に送り込んだ諜報員からの報告を精査し、ロータス大尉は座っていた椅子の上で天井を仰いだ。
「小型の物資…爆弾?いや、でも全長が160センチ前後というのが引っかかるなあ…」
情勢から言って、皇国は確かに銃火器に優れ、重工業においては帝国より秀でている。
それは、帝国にくらべて皇国の方が、圧倒的に人口が少ないのを補うためだ。
誰もが扱える武器は確かに戦場ではいざという時に利便性が高い。
だが、砲弾や戦車などはある程度は技能がいる。操縦士の確保は皇国にとって死活問題だというのが、帝国の見解である。
現状の戦況を考えて、もし、新兵器を投入してくるなら帝国側の士気を落とすには十分だろうが、その出所と貴重な操縦士を潰してしまえば皇国側にも打撃が及ぶ。
(ナガハマ要塞を取り返された事で、皇国は慎重になっている筈だ…少なくとも、今までのような銃火器で一気に攻めるような戦い方は見直してきそうなものだけどな…)
諜報員からの情報を自分なりに推理して、ロータス大尉は溜息をついた。
「はあ、さて…どうしたものかな」
椅子の上で上体を揺らしてロータス大尉は考え込む。
そして、勢いよく立ち上がった。
「ダメだ。頭が煮詰まりそう。ここは、ちょっと外の空気を吸いに行こう」
机の上に広げていたメモや手帳を片づけ、通信機を切ってロータス大尉は情報室を後にした。
「じゃあ、これは貯蔵庫に運んで。こっちは、衛生室に」
ナガハマ要塞の中庭。二台の輸送車の前で、私は今届いたばかりの物資の数々を確認するため、伝票と向き合っていた。
トパーズ少尉やヴァイオレット少尉などの同期達が指示通りに物資の詰まった木箱を運んでいく。
そんな事をしていると、不意に声をかけられた。
「やあ、コランダム少尉」
「あ、ロータス大尉。お疲れ様です」
伝票から視線を外し、私は上官であるロータス大尉に敬礼をする。
大尉も敬礼を返してくれながら、いつもの通りの爽やかな表情で私に笑いかけてくれた。
「物資の選別?」
「はい。次の派遣先に持っていく物資と、ナガハマ要塞内の備蓄品です。マグノリア大佐からの要請です」
簡潔に私は状況を伝える。
それに小さく頷いて、ロータス大尉は「ご苦労様」と労ってくれた。
「大尉?お疲れのようですが…」
ふと、ロータス大尉の目元に疲れの兆候を見つけて私は進言した。いつも爽やかで女性を虜にしている美男子には似つかわしくない疲労が滲んでいる。
「ああ…ちょっとね。それより、僕も手伝おうか」
疲労を振り払うように頭を横に振って、ロータス大尉は地面に積まれた木箱を持ち上げる。
「大尉、私達がやりますから」
「いいよ。僕も少し運動をしたかった所だから、協力させて」
そう言って歩き出したロータス大尉に私は木箱を持ってついて行く。
「ロータス大尉は、少佐の幼馴染なんですよね?」
ナガハマ要塞の中にある備蓄庫に向かいながら私は、思わずそんな事を聞いてしまった。
今思えば、私なりに彼を気遣いたかったのだろう。
「うん、そうだよ?あれ?少佐の子供の頃とか気になったりする?」
「あ...いや...まあ、気にはなりますけど...」
「いいねえ、お教えてあげてもいいけど?」
ニヤニヤと笑うロータス大尉に私は複雑な思いを噛み締めた。
「まあ。大した出逢いじゃないよ。僕の父と彼女の父君が同期だったてだけだよ。貴族同士だとよくある事だしね」
じっと自分を見つめていた私の視線を朗らかに受けとめながら、ロータス大尉は物資を備蓄庫に押し込めた。
「それじゃあ、少佐とエルダーベリー海軍大佐がどうして仲が悪いのかもご存じなんですか?」
再び中庭に戻り、今度は薬品瓶の入った木箱を持ち上げながら、私は更に問いを重ねた。
「おやおや、随分あの二人の仲が気になるんだね」
「はい、あんなに狼狽えた少佐は初めて見たので...」
「ああ、まあ、確かに彼女が取り乱すのは珍しいか...普段清廉潔白というか...鬼教官だしね」
私と同じように薬品瓶の木箱を抱えてロータス大尉は並んで歩き出す。
「でも、意外とあれが素なんだよ。昔は御転婆で僕なんかは良く泣かされたからね」
ふふっと、楽し気にかつての事を思い出しているロータス大尉を見ていると、彼等の仲の良さが伺えた。
それは、何処か眩しくて、なんだか遠い気がして、手を伸ばしても届かないもどかしさが私の胸に去来した。
「少佐って、御転婆さんだったんですね」
「僕より男勝りだった。彼女の父親は、あの子が息子なら良かったのにって、僕の父に話していたくらいだからね。本人は不本意だっただろうけど」
そう話をするロータス大尉は、何故か寂しげだった。
その表情が気になって、何かを聞こうとした時、向こうから歩いてきた人物に私達は歩みを止めた。
「よう、伊織」
前方から歩いてきたのは、さっきまで話題にしていたエルダーベリー海軍大佐だった。
「お疲れ様です。エルダーベリー海軍大佐」
敬礼をするロータス大尉に続いて私は上官へ敬礼をする。
「なんだ、今度は結月のお気に入り引っ掛けたのか?」
「まさか、僕がそんな事する訳ないよ...」
ニヤニヤと私と並んでいるロータス大尉を覗き込み、エルダーベリー海軍大佐は喉を鳴らして笑う。
それにロータス大尉は肩を竦めて否定した。
「だよな。アイツ、怖いからな。それで、例の件は順調か?」
まるで、私がいても、誰が聞いていても気にも留めないと言った様子で、エルダーベリー海軍大佐は何かをロータス大尉に訊ねている。
このところ、ロータス大尉が何か別の任務を請け負っている事は薄々勘付いていたが、こんな所で話していい内容なのかは不思議だった。
「そろそろ詰まりそうだよ。確証がない。乗り込む必要があるんじゃないですか?」
軽い調子で返すロータス大尉に、エルダーベリー海軍大佐は眉を顰めた。
「分かった。俺の方でも動く。もしもの時は乗り込めるか?」
「一度左遷した奴を呼び戻すのは都合良すぎですよ...」
「でも、お前ならやるだろ」
「まあ、否定はしないかな」
互いに言葉を交わす二人の姿を私は暫く見つめていたが、ふと、ある事に気づいてしまった。
(あ、これ私が聞いたらまずい奴だ...)
そう思った途端、私はそろりと足音を消してその場から逃げようとした。
普通だったら、これでどうにかなるのだが、その日はそうはいかなかった。
「ちょっとまて」
その場をそっと離れようとした私を、彼はまるで猫を掴まえるように襟首を掴んで引き留めた。
「いいね、お前...ちょっと、オレに使われてみない?」
ニヤリと、八重歯を剥き出しにして笑うエルダーベリー海軍大佐の凄みのある笑みに、私は本能で嫌な予感を感じた。
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