星読み聖女はただのインチキなので婚約破棄? わかりました、それなら大国の皇太子と他の国の人たちを幸せにします

中津田あこら

文字の大きさ
1 / 1

星読み聖女はただのインチキなので婚約破棄? わかりました、それなら他の国の人たちを幸せにします

しおりを挟む
「マリンは星を読んで未来を占っているというが、がめつく全部自分の物にしたいだけだろう」

婚約者であるペール皇太子が急に言い出したので、何事かと思った。
前々から私のことをあまりよく思っていないのは知っている。
それに散財がひどく、あまり自由にお金を使い過ぎると国が破綻するので、自由になるお金を減らしたところストレスが溜まっているのもわかっていた。

最近外に遊びに行くようになり、自分と同じ孤児院だったドリエがお城によく出入りするようになってから、よりおかしくなってきたと思ったのよね。

そして急に星読みはインチキ? 私ががめつい?

さらに「そんな女は信用せん。婚約破棄だ! 追放だ!」と言ってきた。

孤児で修道院に拾われてから、何か自分にもできることを、と本を読んだりして星読みの勉強をしてきた。
元々素質があったのか、司祭様にも認められ、14歳になるころには祭りの時期を決めたり、国の方針のアドバイスをさせてもらうように。

15歳のときにピヌオリ国の王様に「マリンよ。ぜひ息子の婚約者に」と言われた。
気乗りしなかったけれど、特にお付き合いしている方もいなかったし、王様は素晴らしい方だったので、婚約者になったのだけれど。

王様はあと半年で結婚式というときにご病気に。
もうすぐ王様が亡くなると知ったドリエは、ペール皇太子が王様になって私と結婚する前に仕掛けてきたらしい。
私をこの国から追放し、自分がペール皇太子と結婚するために。
私をインチキ占い師と言いふらし、国外追放しようとたくらんでいるようだ。
ペール皇太子も、私がお金をむやみに使わないようにさせていたのもあったのも原因のようだ。

「私の星読みによると、ペール皇太子はお金を使うことで循環してもっとお金が入ってきますわ」

というドリエの言葉も鵜呑みにしたのだろう。
そう言われた方がペール皇子にとってもうれしいもんね。
私はきちんと星読みして、今は倹約したほうがいいって出たからそう伝えてお金を使わないようにしていたんだけど。

そして一緒の孤児院で過ごしたドリエが星読みの勉強をしていたことなんて見たことない。
でもかわいいと周りからちやほやされていたドリエは、私が星読みで司祭様や王様に認められるとあからさまに嫌がらせをしてきた。
相手にしても同じレベルの人間になってしまうから、無視してたけど、なかなか精神的にきつい日もあった。
でも王様の意向で婚約者になってからは、お城で暮らせることになったからやっとドリエと離れられたのに。
それもドリエには気に入らなかったのかもしれない。

「マリンを婚約破棄して、ドリエと婚約をする!」

高らかに宣言されて、別にそれはいいんだけど、気になるのは王様。
王様は私の星読みを認めてくれて、人格的にも素晴らしい方。
ご自身の子育ては失敗したようですけど。
とりあえず王様にご相談しないと。

「マリン、私の意向で婚約させたが、いろいろと辛い思いをさせて悪かったね」

王様は病床でも優しい言葉をかけてくださった。

「いえ、追放されるのはいいのですが、王様の今後が心配ですわ」

「私の先は短い。それは心配しないでいいよ。好きに生きなさい」

その言葉を最期に王様はお亡くなりに。
もう私はこの国に思い残すことはないわ。

「ペール皇太子、私はこの国を出ていきます。もう戻ることはありません」

「おう早く出て行ってくれ。エセ占い師」

にやにやと笑うペール皇子の後ろで着飾ったドリエがほくそ笑んでいた。

ということで、あっさり国を出ることに。

自分がどこへ行くべきか。
こういうときこそ星を読むべきよね。
そして私は占いの結果、北西に進むことにした。

草原を歩き、船に乗り島国に着いた。

今日はどこで寝ようかと思っていると、日焼けした肌に金髪の髪、青い目で背の高い男性が立っていた。
ちょうどよかった、この人に泊まる場所があるか聞いてみようかな。
そう思っていたけれど、あまりに見つめ続けられるので、どうしたらいいんだろう。

「あの?」

「あ、すみません。あまりにもキレイだったので」

キレイ? そんな整った顔の人からキレイと言われるとドキッとしてしまう。
でも黒髪ストレートで目は茶色。
セクシー体形でもないし、今まで他の人から容姿で褒められたことはなかったけれど。
場所が変わるとキレイの基準も変わるのかな?
ちょっと気を良くしながら泊まる場所について聞くと、その男性は「あるにはあるんですけど……」と困りながら答えた。

「パウロ―! おかえり!」
「パウロ、その人誰?」

パウロと呼ばれる先ほどの男性について、宿を教えてもらったところ、子どもたちがたくさんいる場所に連れられてきた。

「すみません、この辺りは宿やお店がなくて。みんなで暮らしているようなんです」
「暮らしているよう?」
「僕も最近来たばかりなので」

そう言って、木で簡単に作られた小屋みたいな場所に子どもたちがたくさんいた。

「この子たちは?」
「ここら辺は、日中大人は島の外へ果物などを売りに行っているんだ」

自然が豊かで食べる物にはあまり困らないけれど、服や道具を作れる人がおらず、食べ物以外の物を調達するために島外へ行っているてことね。
壊れそうな小屋を見ていると、建築に詳しい職人もいないのだろう。
様子を見ていると、10代の子どもたちがさらに小さい子どもたちの面倒を見ているっぽい。
さらに話を聞いていると、災害などがあると大人はしばらく島に戻ってこれないこともあるあらしい。

「この状況を何とかしたいと考えているんだけど」

パウロは困ったように言った。
私は小屋から出てその辺に落ちていた木の棒を持ち、砂の上に円を書いていく。

「何をしているんだい?」
「星を読むの」
「星?」

パウロは集中する私を邪魔しないようにしてか、黙ってみていてくれた。
円を描き、12個の部屋に分け、太陽や月、それぞれの星座の位置を書いていく。
このバランスで各星座がどの位置にあるか、やるべきことがわかるのだ。
星を読むと、『北にはじまりの場所』と出た。

「ここから北に何があるのかしら?」

パウロに聞いても、他の子どもたちに聞いても、何があるかわからなかった。
夜帰ってきた大人たちに何があるか聞いてみた。

「昔は火山がよく噴火していてな。ここ数十年は噴火していないが、危ないから誰も行かないところだよ」

この島の長みたいなおじいさんが教えてくれた。
星読みでは北にはじまりの場所と出ていた。

「パウロ、明日一緒に北の山に行ってくれない?」
「うん、大丈夫だけど」

そして次の日、私とパウロは山に向かった。
草も生えているけれど、ごつごつした岩も出ている。

「ここら辺になにかあるはずなんだけど」

何も良さそうなものは見つからない。

「こ、これは!」

でもパウロは石を見て驚いたようだった。
パウロに近づいて見たけど、ただの石にしか見えない。

「水晶だよ。磨くともっと透明度が増すはず」
「えぇ!」

水晶は街でも高額で取引されているはず。
とりあえず棒で石のまわりの土を掘り、石を持ち上げる。

「いったん家に帰って調べよう。マリンも一緒に来てくれないか?」

家?
そっか。この島の人じゃないって言ってたしね。
まぁ、ここで会ったのも何かのご縁。
パウロは良い人そうだし、ついていこうかな。

子どもたちには「また戻ってくるね」と伝え、パウロの乗ってきたという小型の舟で海を渡る。
舟を漕ぎ慣れているパウロは、世界を旅しているという。

「お父さんの跡を継ぐまでの間にさまざまな世界を見ておきたいんだ」

水面の輝きにも負けないくらいの目の輝きでパウロは話してくれた。
ペール皇太子とは違い、お金がなくても自分の力で何とか世界を良くしようとする人は素敵ね。

数時間で着いた国は、ペール皇太子がいた国よりもさらに大きく商人やら旅人やらで活気もすごくあった。
パウロはここになじみの商人でもいるのかな?
なんて考えながら後をついていると、パウロに気づいた人々が「パウロ様」と笑顔で頭を下げた。
パウロ、何者なのかしら。
パウロはどんどん中央に向かって進んでいく。
そこって……。
パウロはお城の門にたつと、門前にいた兵隊たちが背筋を伸ばした。

「お帰りなさいませ、パウロ様!」

兵隊たちがそんな風に言うのって、もしかして。

「自己紹介が遅れてごめんねマリン。僕はここの皇太子なんだ」

えー!
自由に旅する青年かと思ったら、皇太子だったの。
お城の中に入り、パウロは側近に山から持ってきた石を渡す。側近は一礼し、去っていった。

「僕の命令であの島に職人を連れて行って家を建てることも可能だ。でも、もう一歩あそこに住む人たちが子どもを置いて行かずに一緒に生活する方法がないか調べていたんだ」

パウロは思ったよりもきちんといろいろなことを考えているのね。
話をしていると、先ほどの側近が戻ってきた。

「こちらは水晶で間違いありません。純度も高く高価なものです」
「おぉ! やはりか」

水晶。
貴婦人のアクセサリーだけでなく、魔除けなどでも多くの人に需要がある鉱石。
これが採れるとなるとあの島国の人たちは潤って、家を建てる職人を呼ぶことや照明具を取り付けることも可能ね。

「あの島の人たちも発展していくだろう。マリンありがとう」
「いえ。私は北がいいって言っただけですわ。パウロ様が水晶を見つけてくださったから」

そういうと、パウロはにこっと白い歯を見せて笑った。

「急にあらたまって。いいよ、パウロのままで」
「でも……」
「マリンにはパウロって呼んでほしい」

パウロ様、いや、パウロは顔を近づけ耳元でささやく。
耳元で低音ボイスでささやかれるとキュンっとしてしまう。

「わ、わかりました。パウロって呼びます」

急にパウロがまっすぐ見れなくて視線をそらしてしまう。
しかし逸らした方向にパウロが顔をのぞかせて言った。

「一緒に世界を旅しないか?」
「旅? はい、もちろん」

すごい人なのに気取らないパウロ。
パウロと一緒に世界を旅したら楽しそう、そう思い即答した。

まずは島に戻り、大人たちに鉱石の説明をする。

「しばらく採掘の職人と加工する職人をこちらに住まわせます。道具も渡しますので、やり方を覚えてください」

小屋もパウロの連れてきた職人たちがきちんと建て直してくれて、頑丈そうな小屋が建った。

「ありがとうございます。パウロ様。皇太子とも知らずにいろいろとありがとうございました」

パウロは私だけでなく、みんなに素性を知らせていなかったのね。
それで世界を回り、困っている人たちを助けるとは、なんていい人なんだ。

鉱石の売り方や、場所は島外の人には内緒にしておくことなど、いろいろとパウロや側近の人が島の人たちに説明をする。
鉱石は順番に大人が1人、2人で島外に売りに行き、他の大人は子どもたちをみていたり、一緒に料理をしたりするようになった。
そして学校も作るらしい。
短期間で多くのことが進んで良かった。

「次はどこへ行こうか」

パウロに聞かれる。

「そうね」

また星読みで行く方角を考えようとしたとき、見覚えのある声が聞こえた。

「や、やっと見つけた」

え? なんでこんな島国にいるの?
目の前には、私に「婚約破棄だ!」と言って国外追放したペール皇太子。
でも……。
なんかみすぼらしくなってない?

「こうなることはわかってたんだろ! なんてやつだ」

こうなること……?
わめきちらして何を言っているかわからないペール皇太子の後ろから出てきたのはドリエ。
ドリエの服もところどころが擦り切れている。

「マリンがペール皇太子いや、ペール国王の国がだんだん貧しくなる呪いをかけたのよ」
「呪い!? 私星読みはできるけど、呪いはかけられないけど?」
「じゃあなんでこんなに農作物が採れなくなるのよ」

いや、だから。
遊んでばかりいて私の話を全然聞いてなかったのね。
私は国外追放される前にも、一応こ来年は不作になるだろうから今年多めに保存しておくといいよと説明したよ?
毎年同じことをするのではなくて、天気や周りの状況を見て変えていった方がいいと言ったよ?

まぁ、ペール皇太子やドリエだけでなく、他の国民の人たちにも同じことを伝えていたのよね。
私言葉を信じてくれた人たちは国から出てそれぞれに適している場所に移動したから余計に国が貧しくなったのかもしれないけど。

「出て行けと言われたから出て行ったんです」
「お前には俺のピヌオリ国を豊かにする義務がある」
「そんなことは聞いていませんが」
「あなたにいろいろ言う権利はないのよ」

ほんと無茶だわこの人たち。
でもこのままだとパウロ皇太子、いえ、パウロにも迷惑がかかるからおとなしく帰ったほうがいいのかも。
と、そのとき、パウロが私とペール皇太子の間に立ってくれた。

「な、なんだよこいつ」
「ご挨拶が遅れました。わたくし、サウンザード国の第一王子、パウル・アトキン・オーモンドと申します」

優雅な動きでペール皇太子(だか国王だかもう知らない)の前に立ち挨拶をする。

「え、サウンザード?」
「あの大国の第一王子!?」

一瞬後ずさりしたペール皇太子だったけど、すぐに「あはははは」と大きな声で笑い出した。

「いやいや、こんな真っ黒な皇太子いるかよ」

たしかにパウルは日焼けしているけれど、それは世界を回っているから。
自分の足で困っている人たちの力になろうとしているから。
遊びまわって夜しか出かけないから白くてひょろいあなたとは違うのよ。

そう言おうとしたけれど、ペール皇太子は私の腕を無理やり掴み、歩き出そうとした。

「痛い」
「お前が痛いかどうかなんて関係ないんだよ。一生俺のところで占いだけやっとけ」

そのとき、ハラハラとペールの髪が落ちた。
見ると、パウルが短剣をペール皇太子に向けていた。

「マリンは大切な僕の婚約者です。手を離していただけますか?」

口調は丁寧だけど、殺気を感じる笑顔でペール皇太子を見ている。
ペール皇太子もドリエも圧倒されているみたい。
そして、婚約者って?!
なんて驚いていると、ペール皇太子は、はっとして、自分の短剣を取り出す。

「そ、そ、そんな脅しにのるか!」

その瞬間、ペール皇太子の周りを数人の騎士が剣を構えて取り囲んだ。

「今この島の整備をしているところで、僕の有能な騎士たちも一緒に来てくれているんです」

さー、っとペール皇太子とドリエの血の気が引いていくのがわかる。

「さて。ピヌオリ国がサウンザード国に戦争を申し込んでいる、ということでよろしいでしょうか」

固まっていたペール皇太子とドリエだったけれど、ドリエの方が先に正気に戻ったようで、ペール皇太子の裾をひっぱる。

「ちょっと、ペール何やってるのよ、おもちゃみたいな剣戻しなさいよ」
「おもちゃとはなんだ! だいたいドリエが占いできるというのに全然だったから悪いんじゃないか。インチキ女め」
「はぁ? あんたの脳みそが足りなくて散財するからこんなことになったんじゃない」
「何言ってるんだ! とうとう本性現したな」

えーっと。
目の前のペール皇太子とドリエの痴話げんかをはじまってしまった。
パウルが大きく咳払いすると、ハッとして、二人は黙った。

「で、お答えを」

にっこりと笑いながら、戦争するかどうかを聞くパウル。
まぁ、毎日宴会ばっかりやっていて戦争できる人も道具もないんだから勝ち目はないわよね。

「お、俺は平和主義なので。ここはいったん、か、帰ります」

こんなときでさえ少し虚勢を張ってペール皇太子とドリエは帰っていった。

とりあえず、あの二人のもとへ戻らなくて良かったことに安堵する。
でも……。

「あ、あの。婚約者って」
「あぁ。そうなればいいなと思っていて。でも言ってしまったので、結婚しませんか?」

にこっと笑って。
ちょっとお茶でもしませんか? のノリで結婚しませんか、って言われても。
戸惑っていると、パウルはまじめな顔になり、私の前で膝まづいた。

「パ、パウル?」
「一目見たときからあなたのことが好きでした。星読みの力も素晴らしい。ぜひ我が国にお力を」

こ、こんなストレートに言われるなんて。
パウルは本当に素敵な方で、仲良くなれればいいなと思っていたけれど。
まさかいきなり結婚なんて。
心臓のドキドキが止まらない。
パウルが心配そうに顔を上げて私を見る。不安げな顔もとっても愛しいんですけど!

「わ、私でよければ」

声を絞り出して返事をすると、パウルはぱっと顔を輝かせ立ち上がる。
周りで様子をうかがっていた騎士や島の人たちも拍手喝采でうれしいやら恥ずかしいやらだった。
さらにパウルが私を抱きしめてくれたもので、もう緊張とうれしさで気絶するかと思った。

そして私たちは島を離れることに。

「パウロー、行かないでよぉ」
「マリン、毎日一緒に遊ぼうよ」

うぅ。可愛い子どもたち。
こんなこと言われたら離れなくなりそう。
でも、困っている人たちはまだまだ世界中に多くいるはず。
パウロも国王になったら、今より自由に旅に出られなくなるから今のうちにもっと世界を見たいと言っているし。

「絶対また来るから」

子どもたちに約束してパウロと一緒に旅に出る。
私が行き先を決めたり、迷ったことがあると星を読んで先の行動を決める。
パウロが実際に行動し、人々が豊かになる手助けをする。
連係プレーがスムーズにいき、とっても素敵なパートナーだ。
一度星読みで二人のことを占ったら、相性は最高だった。

旅を続け、私たちは砂漠にいた。
夜空を二人で眺めていると、パウロがさらっと言った。

「そうだマリン。ピヌオリ国は僕の国になったよ」
「え? どういうこと?」
「僕が出るまでもなく部下に任せてね」
「なんでそんなこと?」
「あんなのが人の上にたったら、国民がかわいそうだからね」

たしかに。ペールに国王が務まるはずはないと思ってたしね。
国民の人たちが心配だったから、その方が良かったかも。

「あれ、でもペールとドリエはどうなったの?」
「あぁ、それは大丈夫」

パウロはふふっと笑いながら言うと、それきり二人の話はしなくなった。
ま、まぁいいか。

「ここら辺は砂漠でも安心して水が飲めるようになったし。次はどこに行こうか」

パウロが抱きつき、私のほほにキスをする。

「うーん、そうね」

そう言って私は砂に円を描きはじめた。

        End
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

花雨
2021.08.14 花雨

作品登録しときますね(^^)

2021.08.15 中津田あこら

ありがとうございます!
コメントも作品登録も嬉しいです(^∇^)

解除

あなたにおすすめの小説

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

婚約破棄ですか……。……あの、契約書類は読みましたか?

冬吹せいら
恋愛
 伯爵家の令息――ローイ・ランドルフは、侯爵家の令嬢――アリア・テスタロトと婚約を結んだ。  しかし、この婚約の本当の目的は、伯爵家による侯爵家の乗っ取りである。  侯爵家の領地に、ズカズカと進行し、我がもの顔で建物の建設を始める伯爵家。  ある程度領地を蝕んだところで、ローイはアリアとの婚約を破棄しようとした。 「おかしいと思いませんか? 自らの領地を荒されているのに、何も言わないなんて――」  アリアが、ローイに対して、不気味に語り掛ける。  侯爵家は、最初から気が付いていたのだ。 「契約書類は、ちゃんと読みましたか?」  伯爵家の没落が、今、始まろうとしている――。

うまくやった、つもりだった

ひがん さく
恋愛
四大貴族、バルディストン公爵家の分家に生まれたオスカーは、ここまでうまくやってきた。 本家の一人娘シルヴィアが王太子の婚約者に選ばれ、オスカーは本家の後継ぎとして養子になった。 シルヴィアを姉と慕い、養父に気に入られ、王太子の側近になり、王太子が子爵令嬢と愛を深めるのを人目につかぬよう手助けをし、シルヴィアとの婚約破棄の準備も整えた。 誠実と王家への忠義を重んじるこの国では、シルヴィアの冷徹さは瑕疵であり、不誠実だと示せば十分だった。 かつてシルヴィアはオスカーが養子になることに反対した。 その姉が後妻か商家の平民に落ちる時が来た。 王太子の権威や素晴らしさを示すという一族の教えすら忘れた姉をオスカーは断罪する。 だが、シルヴィアは絶望もせずに呟いた。 「これだから、分家の者を家に入れるのは嫌だったのよ……」  

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

幼馴染最優先の婚約者に愛想が尽きたので、笑って家出しました ― 笑顔で去っただけなのに、なぜ泣いているのですか

ラムネ
恋愛
侯爵令嬢リオナは、婚約者アルベルトが「幼馴染が可哀想だから」と約束を破り続ける日々に耐えていた。領地再建の帳簿も契約も、実はリオナが陰で支えていたのに、彼は「君は強いから」と当然のように扱う。決定的な侮辱の夜、リオナは怒らず泣かず、完璧な笑顔で婚約指輪だけを返して屋敷を去った――引継ぎは、何一つ残さずに。 翌日から止まる交易、崩れる資金繰り、露出する不正。追いすがるアルベルトを置き去りに、リオナは王立監査院の臨時任官で辺境へ。冷徹と噂される監察騎士レオンハルトと共に、数字と契約で不正を断ち、交易路を再生していく。 笑顔で去っただけなのに、泣くのは捨てた側だった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。