3 / 5
3話
しおりを挟む
◆◇◆◇◆◇◆
馬車が発車し、孤児院が見えなくなってからも、私は来た道を振り返っていた。
──『またね』って、どういう意味なのかな…。
───「そんなに、彼の事が気になるんですか」
男は本を開いたまま、独り言のようにそう呟く。
────「あそこで話しかけてくれたのは……カイだけなんです。私の髪とか、瞳とか、気持ち悪いって…みんな言うから」
男は綺麗な顔を顰め、私の言葉に耳を傾ける
「気持ち悪い?」
「………。こんな色の子、他にいなかったから…。」
傷んだ髪をくるくると弄ぶ。ピンク色の髪にピンク色の瞳。
「まさか…。あなたは美しいですよ」
男の目は、嘘を言っているようには見えない。
────「どうして、私を連れできたんですか?主様のご指名って……。主様って誰なんですか」
「あぁ。魔王様ですよ」
──男は淡々とその名を口にする。だがキキにとってみれば大問題だ。一瞬にして背筋が凍る。魔王……魔王??あの魔王?
「あなたは、四天王に選ばれました。私もその1人なんです。」
ニコリと微笑む男。
「なんで私なんですか?私、強くもないし、魔王様と会ったこともないし……」
「会うまで私も訳が分かりませんでしたが、会った瞬間から分かりましたよ。あなたは間違いなく四天王の卵だ。」
「は、はぁ……。」
まったくもって訳が分からずに混乱していると、馬車が停止した。
「着いたようですね。降りましょうか」
当たり前かのように私を抱き上げると、男は馬車から降りて、真っ直ぐと門をくぐり抜け綺麗な庭を歩く。
かくいう私は……驚きで目を見開き口をぽかーんと開けていた。空いた口が塞がらないと言う言葉を初めて経験した。
デカい。デカすぎる。とにかくデカい。そして綺麗だ。魔王様のお城って黒じゃないんだ……。
ずらりと並んだ兵隊さん達。全員がしっぽやら角やらを生やしている。
「あぁそう言えば、自己紹介がまだでしたね。」
同じく角やらしっぽやらを生やしたメイドさん2人がが城のドアを開けた。
「私はテラー。四天王の1人です。」
煌びやかに装飾されたラウンジをバックに、テラーはニコリと微笑んだ。
馬車が発車し、孤児院が見えなくなってからも、私は来た道を振り返っていた。
──『またね』って、どういう意味なのかな…。
───「そんなに、彼の事が気になるんですか」
男は本を開いたまま、独り言のようにそう呟く。
────「あそこで話しかけてくれたのは……カイだけなんです。私の髪とか、瞳とか、気持ち悪いって…みんな言うから」
男は綺麗な顔を顰め、私の言葉に耳を傾ける
「気持ち悪い?」
「………。こんな色の子、他にいなかったから…。」
傷んだ髪をくるくると弄ぶ。ピンク色の髪にピンク色の瞳。
「まさか…。あなたは美しいですよ」
男の目は、嘘を言っているようには見えない。
────「どうして、私を連れできたんですか?主様のご指名って……。主様って誰なんですか」
「あぁ。魔王様ですよ」
──男は淡々とその名を口にする。だがキキにとってみれば大問題だ。一瞬にして背筋が凍る。魔王……魔王??あの魔王?
「あなたは、四天王に選ばれました。私もその1人なんです。」
ニコリと微笑む男。
「なんで私なんですか?私、強くもないし、魔王様と会ったこともないし……」
「会うまで私も訳が分かりませんでしたが、会った瞬間から分かりましたよ。あなたは間違いなく四天王の卵だ。」
「は、はぁ……。」
まったくもって訳が分からずに混乱していると、馬車が停止した。
「着いたようですね。降りましょうか」
当たり前かのように私を抱き上げると、男は馬車から降りて、真っ直ぐと門をくぐり抜け綺麗な庭を歩く。
かくいう私は……驚きで目を見開き口をぽかーんと開けていた。空いた口が塞がらないと言う言葉を初めて経験した。
デカい。デカすぎる。とにかくデカい。そして綺麗だ。魔王様のお城って黒じゃないんだ……。
ずらりと並んだ兵隊さん達。全員がしっぽやら角やらを生やしている。
「あぁそう言えば、自己紹介がまだでしたね。」
同じく角やらしっぽやらを生やしたメイドさん2人がが城のドアを開けた。
「私はテラー。四天王の1人です。」
煌びやかに装飾されたラウンジをバックに、テラーはニコリと微笑んだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる