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第参録 王宮への道のり
しおりを挟む王都に着いて、約1時間ほどの時間、王都内に展開されているお店を散策し、ちょうど今から少し遅い昼食を食べようと思ったところで綺麗なお姉さんに声をかけられた。
「あら珍しいわね、王都の外から人間が来るなんて」
綺麗な金髪のお姉さんはそう呟きながら、僕を品定めでもするかのように頭の先から足の指の先までを舐め回すように見てきた。
正直、こんなことをいきなりされて、いい気はしない。
「あの、なにか御用でしょうか?」
耐えきれなくなり、つい声に出してしまう。
「いや? 特に理由はないわよ。 気にしないでちょうだい」
口でそうは言いながらも、金髪のお姉さんは品定めをやめようとしない。
自分で言うのもなんだが、僕は変なところに真面目で、人が真剣に何かに取り組んでいたら邪魔はしたくない人種だ。
ゆえに、この状況でこのお姉さんの品定めを邪魔することが出来ずにいる……早く解放されたい。
「ねぇ、坊や?」
「はい? なんでしょうか?」
金髪のお姉さんは品定めをやめ、僕の目を真っ直ぐ見て告げた。
ーーあたしを連れて行ってくれない? 何処か遠くへ……王都から連れ出して
「知ったこっちゃねぇよ、そんなこと。 自分1人で遠くに行きやがれ」
気づいた時には口にでていたその言葉は、お姉さんの胸にグサリと刺さり、泣き崩れた……わけではなく、抱きつかれた。
「やっぱり、あなたしかいないわ! あたしを連れてってちょうだい!」
えぇー、なにこの変態。
こんな返答が返ってくるとは思いもせず、少しうろたえる。
どうしたら、この金髪の変態お姉さんを離すことが出来るのか……必死に考える。
そしてでてきた選択肢は2つ。
1.追い打ちをかけ、完全に、完膚無きまでに罵り、心を折る。
2.無視して昼食を取り、王宮へ向かう。
そして僕の選んだ答えはこっちだ。
「いらっしゃいませ~。 何名様でしょうか?」
そう、無視して昼食を取るのだ。 そうすれば、流石に追っかけては来ないだろう。
「ひと……」
「2人です」
後から出てきた声に僕の声は掻き消され、2人掛けの席に案内された。
「ご注文は、後ほどの方がよろしいですか?」
「いや、今でいいわ。 えーと、このステーキと飲み物は、よーぐるってぃを2つずつで」
「かしこまりました。 少々お待ちください」
なんと言うことでしょう。 この金髪の痴女(お姉さん以降、痴女)は、僕のことを諦めずについてきて、なおかつ昼食の注文を僕の意見は聞かずに、勝手に決めやがりました。 あまりの手際のよさに、なにも言えなかった自分を情けないと思ってしまう。
「勝手になにしてんだよ!」
「なによ坊や。 せっかくこの店オススメの品を注文してあげたのに、文句があるの?」
痴女はまるで訳がわからないと言わんばかりに堂々としている。
「僕がいいたいのはそう言うことじゃなくて、なんでついて来てんの? 諦めるだろ普通!」
「え、だってさっきの黙秘は、『黙って俺についてこい』ってことでしょ?」
「普通は黙秘を肯定と受け取らないだろ」
そう言うが、痴女は全く態度を変えず、むしろ好感度が上がったように接してくる。
「仕方が無いわね。 ここはあたしが持つわ」
「そう言うことじゃぁねぇ」
だが、痴女は全く言うことを聞かず、楽しそうに料理をまっている。
ここが王都と村との違うところ其の二である、自分勝手な人が多いだ。
さっきのスキンヘッドといいこの痴女といい、本当に自分勝手だ……。
このあと食べたステーキとよーぐるってぃが信じられない位美味しかったのは、この痴女には言わないことにしよう。うん、そうしよう。
こうして僕は、人と接し疲れながらも無事(?)昼食を取れたのであった。
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