異世界転生戦記!少女は能力を封印されて、異世界で勝ち上がっていく(仮)

naturalsoft

文字の大きさ
16 / 101
第2章:幼少期・公式戦編

修行中~(挿絵あり)

しおりを挟む



あれから3年経ちました。


はっ!?やっ!?とぉう!?

「やあぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「いあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

シオンとレグルスが組手をやっていた。
レグルスが素早い拳をシュッ!シュッ!と連打を浴びせる!
シオンは冷静にレグルスの拳を防いだり、避けたりしながら反撃をする!

「そこっ!!!」

リーチの長い回し蹴り放った!

ガシッ!!!

拳が下がる所を狙ったが、シオンの蹴りを腕でガードした。そしてそのままシオンの足を掴み、回転しながら投げ飛ばした!ジャイアントスイングである。

「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

シオンは叫びながらも空高く投げられた事もあり、クルクルと回転しながら着地した。体操なら満点である。

「ふぃー!びっくりしたー!」

冷や汗を拭いながらレグルスを見据えるシオン。しかし、視線の先にはレグルスは居なかった。

!?

「えっ………!?」

ふと横を振り向くとレグルスが拳をシオンの目の前で止めた所だった。

「俺の勝ちだな?」

ニヤリッと勝ち誇ったレグルスにシオンはその場で座り込み負けたーと!大の字になって倒れた。

「はぁはぁ………ようやく何とか一本取れたか」
「強くなったねー!」
「ありがとう。スキルも結構覚えてこれたしね。何とかなるものだ」

パチパチッ!パチパチッ!

「うんっ?」

急な拍手に振り向くと、国王様と王妃様がいた。

「素晴らしい組手だったぞ!」
「少し見ないうちに強くなったわね!」

二人は感動しているのか王妃様は涙を浮かべている。

「お……父上!母上!」

両親の元へ駆けていくと国王様はレグルスの頭を撫で上げた。

「アクエリアス卿に預けて正解だった。お前ならいずれ剣魔大会に出場して優勝出来るだろう。その時は約束通り王籍に戻し、また一緒に暮らそう」
「はいっ!父上にそう言ってもらえるだけで自分は十分です!」

暖かい空気に包まれていたが、シオンは蚊帳の外にいた。

ポツンッ!

『良い雰囲気なんだけど、私はいない方が良いかなー?』

「シオン嬢、どこに行こうと言うのだね」

あら?コッソリいなくなろうとしてたのがバレちゃった。

「いえ、家族水入らずをお邪魔するのは無粋かと思いまして」

「余計な気遣いは無用だ。そろそろ君の父親グランと話がある。君も一緒に来てくれないか?」
「畏まりました!」

シオンは敬礼をして、屋敷へと案内をするのだった。










屋敷へ着くと国王様の案内をメイドさんにお願いして、シオンは稽古着から簡単な洋服に着替えて応接室へと向かった。

レグルスも着替えたようで入口でばったり会うことになった。

「なんか、いつものシオンを見ているとお嬢様って感じがしないな」

余り見ないシオンの私服姿に軽口を叩くレグルス。

ピキッ!?

「あ~ら、わ・た・し・の・ど・こ・が・お嬢様じゃ無いって?」



シオンは蹴りをレグルスの目の前に突き出し寸止めした。

「………ドヤ顔の所、すまん。パンツ見えてるぞ?」

はっ!?

「ば、バカッ!エッチ!変態!」
「お前がスカートで蹴りを繰り出したのが悪い!」

ぐぬぬぬぬっ!!!?

「お前達………何を入口で騒いでいるんだ?」

扉が開き、呆れた顔で二人を見たお父様が早く入るよう促した。

「シオンはもう少しおしとやかさを学ばないといけないな。武術の時間を削るか?」

シオン慌てて懇願する。

「い、いえっ!?大丈夫ですよ!気をつけますので!」

シオンは貴族としてマナーやダンスといった教養も学んでいた。一通りこなせると言っても苦手であった。堅苦しいマナーより、運動(稽古)していた方が楽しいのである。

「ではもう少しレディらしくしなさい」
「はい……」

とほほほ………

部屋に入ると国王様、王妃様、お母様、お父様、レグルス、私、スピカがいた。執事とメイドさんは飲み物を入れると部屋から出ていった。

「今日は急な来客で申し訳ない。レグルスの様子の確認とお願いがあってきた」

「国王陛下!私は陛下の臣です。何かあれば私がお城に出向きますのに」

「良い、レグルスの様子を見に来たかったのもあるしな。グラン公爵に預けて本当に良かったと思っているよ」
「ありがとうございます」

国王は辺りを見渡し本題へと入った。

「さて、この度の用だが今年度の【剣魔大会】に出場して優勝して欲しい」

!?

国王様、さらりととんでもないことを言ってきたよ!?

「陛下のお願いとならば、剣魔大会の出場はやぶさかではありませんが………優勝は約束しかねます」

「無理なお願いとは重々わかっておるよ。しかし、私がもっとも信頼し、尚且つ実力のある者はお主しかおらんのだ……」

国王様は少し疲れているように思えた。

「何かあったのですか?」
「貴公も知っての通り、ここ数年の剣魔大会の成績が良く無くてな、大事な領地を取られて正直厳しいのだ」

腕を組ながら国王様は答えた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「現在、シオンは8歳の設定です!予定を変更して先に両親を大会に参加させる事にしました」



しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。 その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。 爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。 爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。 『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』 人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。 『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』 諸事情により不定期更新になります。 完結まで頑張る!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...