異世界転生戦記!少女は能力を封印されて、異世界で勝ち上がっていく(仮)

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第3章:幼少期・剣魔大会編

優勝、そして─

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『剣魔大会、カルテットの優勝はグラン選手が率いるアクエリアスチームだーーーーーーーーーーー!!!!!そして!前代未聞のシングル、デュオ、カルテットの全種目を制した英雄………いえ、英雄王グラン選手に盛大な歓声と拍手をお願い致しまーーーーーす!!!!!』

わぁーーーーーーー!!!!!
わぁーーーーーーー!!!!!

「うっ………また勝てなかったか………」
「いや、私もギリギリだったよ。良い勝負だったな!」

シャンテは軽く目を瞑り一息付いた後、グランに手を廻して唇にキスをした。

チュッ!

「なっ!?」

イタズラっぽくシャンテは言った。

「優勝者の特権だ。これくらいは………ね!」

シャンテはグランから降りると、動けるエルフの魔導師に連れられて、会場を後にした。

ゴゴゴゴッ!!!!!

「…………貴方?私の目の前で良くも浮気してくれましたね?」

笑顔で微笑むレイラを見たグランは、剣魔大会最大のピンチを迎えたのだった。

そして─

「凄かったねー!」
「そうだな。流石に最後の技は凄すぎだろう!」
「格好良かったのじゃ!」

少し前に目を覚ましたシオンは、最後のグランの戦いを目に焼き付けていた。

「さて、シオン?」
「なーに?お兄様?」
「自分がどんな状況だったか覚えているかい?」

???

シオンは首を傾げて、はて?という顔をした。

「ふふふ………おかしいねぇ~シオン?」

いだだだだだだだーーーーーーー!!!!!

レインはシオンのコメカミをグリグリしたのだった。

「はぁ~お前は誘拐されたんだぞ?それを俺達が助けだしたんだ」

「えっ!?」
「お父さん達は、シオンを返して欲しければ決勝戦を負けるように脅されたんだ」

!?

「そんなっ!?」

シオンはようやく事態の重さに気付いた。

「アルデバランさんも協力してくれたんだ。大勢の人に迷惑を掛けたんだ。後で必ずお礼を言っておくように!」

「ご、ごめんなさい!」

シオンは涙目で謝るのだった。










「シオン!無事で良かった!」
「お父様、お母様!ごめんなさい!」

ガシッと抱き合うシオン達。そして、レイラが言った。

「閉会式は夜だから、3時間ほど時間があるのよ。ねぇ?シオン♪」

ブルッ!?

何でしょう?寒気が………

「ふふふっ、私の大事な娘を拐った※【愚か者】に地獄を見せに………ね?」

※愚者の声の事ではありません!ええ、もう絶対に違いますからね!ガクブルッ


「お母様、殺る気だ!?」
「決勝戦は私は不完全燃焼なのよ。ストレス発散しに逝きましょう!」

レイラはシオンを引きずって、馬車の戦闘のあった所へ向かうのだった。

「お父様~た~す~け~て~!」
「すまん。お母さんには逆らえないんだ………」

ええーーーー!!!!!三冠王を達成した英雄がですかーーーー!?

こうして、シオンは戦闘のあった場所までやって来ました。辺りはほとんど片付いており、黒服達も連行される所でした。

「良かったわ。まだいたのね?」

レイラの姿を見たアルデバランとガイは、驚いた顔をして尋ねた。

「レイラさん!どうしたのですか!?試合は?」
「試合は優勝したわ♪アルデバラン、ガイ、シオンを助けてくれてありがとう!」

レイラは二人に深く頭を下げてお礼を言った。

「アルデバランさん、ガイさん眠ってて覚えてないのだけどありがとうございました!」

シオンも頭を下げてお礼をいうのでした。

「それで、犯人は?」

アルデバランは黒服達を指差した。彼らは怯えてこちらを見ていた。

「まだ、憲兵が来ていなく、治安維持の兵が尋問をしながら見張っています」

「そう、ありがとう」

レイラは黒服の男達の所に歩いていくと、命令した。

「貴方達、誰の命令で私の大事な娘を拐ったのか言いなさい」

レイラの姿を見た黒服達はだらだらと脂汗を流し始めた。

「………レイラさん何をしたんだ?」
「わからない。ただ【命令】しただけ………」

ドン引きで見ていたシオン達は見守るしか出来なかった。

ガタガタッ
ガタガタッ

黒服達は涙と鼻水を垂らしながら恐怖していた。

「ああ、そうそう!そうよねー♪聞いているわよ?女神リューシン様が顕現したのに喋らないなんてアレよね?」

レイラは黒服達に魔法を掛けた。聖なる光が黒服達を覆い尽くした。

「まさか!?」
「バカな!呪いが………消えてる!?」

黒服達は一斉にレイラを見た。

「娘が重度の呪いを受けているのよ。だから解呪の魔法を日々研究してるのよ」

お母様…………シオンはジーンと感動していた。

「我々に掛けられた呪いは、死ぬまで解呪が出来ない最凶の呪いだったはず………」
「シオンに掛けられた呪いと比べれば、子供の遊びね」

!?

「我々が拐ったお嬢さんは、このレベルの解呪の魔法でも解放されていないのですか?」

レイラは不機嫌にええ、と答えた。

「謝ってすむ問題ではありませんが、大変申し訳ありませんでした!」

黒服達は全員が土下座をして謝り、レイラ達に頭を下げながら言った。

「我々の知っている事を全てお話し致します!」


こうしてシオン達は、闇で暗躍する者達を追い詰めていくのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
ぶるぶるっ!


???
「あら?ここにいたのね?死ぬ覚悟は出来たかしら?」

愚者の声
「違います!文字が似てるだけで、シオン様を拐ったのは私では………!?」

???
「誰が、許可なく喋って良いと言いましたか?」

愚者の声
ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!










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