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エルフの里の現状
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魔物を倒しながら進んでいくと建物が見えてきた。ここまでシオンは思っている事があったが、口には出せない事があった。それは他の仲間達も同じだった。
『これほどの魔物が多く発生している状態で、結界もないエルフの里が無事なのか?』
もしかしたら絶滅している可能性もある。
しかし、自分の目で確かめるまでは言う訳にはいかなかった。
そしてエルフの里の入口まで辿り着くと───
「何よこれ・・・・」
幻惑の魔法の結界はなかったが、里を守る結界は作動していた。
しかし、エルフの里を守る防壁はあっちこっち崩れており、奥を見ると建物もかなり瓦礫の山となっていた。
コンコンッと入口から入ろうとすると結界に阻まれ、中には入れない状態だった。
ただレオナが触ると通り抜けられた。
「エルフのみ通れる結界魔法?」
「そうみたい。でもただの結界とは違う気がするわ。みんな手を繋いで。私が許可した者なら手を繋いで入れるはずだから」
そう言われて手を繋いで入口をゆっくり通ると、壁に阻まれる事なく入る事ができた。
「出る時は1人でも出られるけど、入るときは私がいないと入れないから注意してね」
「ええ、それよりなんか変じゃない?」
エルフの里に入ると違和感に気付いた。
音がしないのだ。そして『動く物もない』事に気付いた。
「まるで時が止まっているような感じですね」
ヒジリの言葉にレオナがハッとなった。
「まさか・・・そんな事が・・・ありえるの?」
「レオナさん、何か思い当たる事がるなら言ってください。これは明らかに異常です」
シオンも仲間の命が掛かっているのだ。真剣な顔で言った。
「ヒジリが言ったように、これは時を止める秘術が使われたかも知れない。私も初めて見るから確証は無いんだけど」
「エルフには時を止める魔法があるのか!?凄いな!」
驚くジークにレオナは首を振った。
「流石のエルフにもそんな神様みたいな魔法は使えないさ。そう、代償を支払わないと」
「代償って?」
「この秘術がいつ使われたによるわね。それこそ、このエルフの里の全てのエルフが協力してやっと発動できる魔法だもの。まず効果範囲を設定するのは、これは里を設定しているわ。次に発動した自分も含めた全ての物の時間を止めるのよ。そして発動者全てを生贄にするの」
!?
「発動者の全てを生贄に!?」
「そう、時を止める秘術の維持に常時魔力を消耗していくの。魔力が無くなったら次は生命力を。そして順番に死んでいくのよ」
「・・・なるほど。だから、いつこの魔法が使われたが問題になるんだね。日が経てば経つほど仲間の命が消えていくと」
「でも、そうまでしてこの時を止める魔法を使わないといけなかった状況ってなんなの?」
それが1番の謎である。
「魔物も入ってこれないみたいだし、奥に進んでみましょう」
みんな頷くと周囲を警戒しながら進んだ。
奥に進むと大樹の下に大きな建物が見えてきた。
「気付いていると思うけど、明らかに何者かの襲撃を受けているわ」
「ええ、わかっているわ。あの大樹の下にはエルフの族長の屋敷があるの。あの大樹はエルフの里の、守り神的な象徴になっていて、長年に渡り地中から魔力を吸い上げて幻惑の魔法に使われていた・・・わ?」
そこまで言ってレオナは、何かに気付いたような反応をした。
「もしかして時を止める魔法も大樹の魔力も使ったんじゃないの?だから幻惑の魔法が解除された」
「そうね。そこまでしないと、この秘術は行使できなかったのね。では、族長の屋敷にいけば何かわかるかも知れない」
一行はそのまま進んでいくと、何者かが動いたのがわかった。
「気を付けて!誰かいるわ!?」
全員が身構えると一体の『妖精』が飛び込んできた。
「れ、レオナ姫様!お待ちしておりましたーーーーー!!!!!!!」
レオナ姫?
羽の生えた妖精は手のひらサイズの大きさで、泣きながらレオナに飛び込んだ。
「もしかし、ルゥか?とにかく、何があったか教えて!」
妖精が泣き止むのを待ってから事情を尋ねた。
「レオナ姫がエルフの里を飛び出してから、40年ほど経ったぐらいでした」
『レオナは50年も迷子だったから、今から10年ほど前ってことね』
「エルフの里に幻惑の結界を抜けてやってきた黒ずくめの2人組がやってきたんです。それは突然でした。今まで幻惑の結界を抜けてきたものはおらず、我々は完全に油断していました」
その2人組は召喚魔法で巨大な『魔獣』を何体も呼び出してエルフの里を蹂躙しました。最初は劣勢でしたが、エルフ達が協力して大きな『魔獣』を倒したんでけど、敵の狙いは別にあって、大樹の下から魔力を吸い上げている機能を使って、魔界の強大な『悪魔』を召喚しようとしたのです。召喚魔法の術式が成功するとその2人組は逃げて行きました。だけど悪魔が召喚陣から出て来るまで時間が掛かりそうで、その間に族長が時を止める秘術を使うことを決定したの。
妖精の話は驚くべきものだった。
『これほどの魔物が多く発生している状態で、結界もないエルフの里が無事なのか?』
もしかしたら絶滅している可能性もある。
しかし、自分の目で確かめるまでは言う訳にはいかなかった。
そしてエルフの里の入口まで辿り着くと───
「何よこれ・・・・」
幻惑の魔法の結界はなかったが、里を守る結界は作動していた。
しかし、エルフの里を守る防壁はあっちこっち崩れており、奥を見ると建物もかなり瓦礫の山となっていた。
コンコンッと入口から入ろうとすると結界に阻まれ、中には入れない状態だった。
ただレオナが触ると通り抜けられた。
「エルフのみ通れる結界魔法?」
「そうみたい。でもただの結界とは違う気がするわ。みんな手を繋いで。私が許可した者なら手を繋いで入れるはずだから」
そう言われて手を繋いで入口をゆっくり通ると、壁に阻まれる事なく入る事ができた。
「出る時は1人でも出られるけど、入るときは私がいないと入れないから注意してね」
「ええ、それよりなんか変じゃない?」
エルフの里に入ると違和感に気付いた。
音がしないのだ。そして『動く物もない』事に気付いた。
「まるで時が止まっているような感じですね」
ヒジリの言葉にレオナがハッとなった。
「まさか・・・そんな事が・・・ありえるの?」
「レオナさん、何か思い当たる事がるなら言ってください。これは明らかに異常です」
シオンも仲間の命が掛かっているのだ。真剣な顔で言った。
「ヒジリが言ったように、これは時を止める秘術が使われたかも知れない。私も初めて見るから確証は無いんだけど」
「エルフには時を止める魔法があるのか!?凄いな!」
驚くジークにレオナは首を振った。
「流石のエルフにもそんな神様みたいな魔法は使えないさ。そう、代償を支払わないと」
「代償って?」
「この秘術がいつ使われたによるわね。それこそ、このエルフの里の全てのエルフが協力してやっと発動できる魔法だもの。まず効果範囲を設定するのは、これは里を設定しているわ。次に発動した自分も含めた全ての物の時間を止めるのよ。そして発動者全てを生贄にするの」
!?
「発動者の全てを生贄に!?」
「そう、時を止める秘術の維持に常時魔力を消耗していくの。魔力が無くなったら次は生命力を。そして順番に死んでいくのよ」
「・・・なるほど。だから、いつこの魔法が使われたが問題になるんだね。日が経てば経つほど仲間の命が消えていくと」
「でも、そうまでしてこの時を止める魔法を使わないといけなかった状況ってなんなの?」
それが1番の謎である。
「魔物も入ってこれないみたいだし、奥に進んでみましょう」
みんな頷くと周囲を警戒しながら進んだ。
奥に進むと大樹の下に大きな建物が見えてきた。
「気付いていると思うけど、明らかに何者かの襲撃を受けているわ」
「ええ、わかっているわ。あの大樹の下にはエルフの族長の屋敷があるの。あの大樹はエルフの里の、守り神的な象徴になっていて、長年に渡り地中から魔力を吸い上げて幻惑の魔法に使われていた・・・わ?」
そこまで言ってレオナは、何かに気付いたような反応をした。
「もしかして時を止める魔法も大樹の魔力も使ったんじゃないの?だから幻惑の魔法が解除された」
「そうね。そこまでしないと、この秘術は行使できなかったのね。では、族長の屋敷にいけば何かわかるかも知れない」
一行はそのまま進んでいくと、何者かが動いたのがわかった。
「気を付けて!誰かいるわ!?」
全員が身構えると一体の『妖精』が飛び込んできた。
「れ、レオナ姫様!お待ちしておりましたーーーーー!!!!!!!」
レオナ姫?
羽の生えた妖精は手のひらサイズの大きさで、泣きながらレオナに飛び込んだ。
「もしかし、ルゥか?とにかく、何があったか教えて!」
妖精が泣き止むのを待ってから事情を尋ねた。
「レオナ姫がエルフの里を飛び出してから、40年ほど経ったぐらいでした」
『レオナは50年も迷子だったから、今から10年ほど前ってことね』
「エルフの里に幻惑の結界を抜けてやってきた黒ずくめの2人組がやってきたんです。それは突然でした。今まで幻惑の結界を抜けてきたものはおらず、我々は完全に油断していました」
その2人組は召喚魔法で巨大な『魔獣』を何体も呼び出してエルフの里を蹂躙しました。最初は劣勢でしたが、エルフ達が協力して大きな『魔獣』を倒したんでけど、敵の狙いは別にあって、大樹の下から魔力を吸い上げている機能を使って、魔界の強大な『悪魔』を召喚しようとしたのです。召喚魔法の術式が成功するとその2人組は逃げて行きました。だけど悪魔が召喚陣から出て来るまで時間が掛かりそうで、その間に族長が時を止める秘術を使うことを決定したの。
妖精の話は驚くべきものだった。
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