52 / 71
結界発動!
しおりを挟む
魔物の大群が迫る中、シオンは必死に魔導砲に魔力を充電していた。
「はぁ~ストレスが溜まるよ~」
すでに魔力で空には結界の魔法陣を描き終わっていた。
まだかな?まだかな?
シオンのイライラがMAXまで溜まっているときだった。
魔物が城壁から見える位置まで迫ってきていた。
そして、それを敵側の2人も見ていた。
「チェリー、流石だな。俺の想像を超える大軍勢だよ」
「ベリーもバカな貴族達のおもり、お疲れ様でした」
「別に大したことはないぜ。いつの世も、権力が欲しい、永遠の命が欲しいってヤツは何処にでもいるからな」
魔物と同化すれば理論上は不死に近い寿命を得る。権力が欲しい奴には、この魔物の軍勢を与えて反乱を起こさせる。チェリーとベリーには国がどうなろうとどうでもいいことなのだ。欲望をもつ人間には嘘は言ってはいない。滅んだ国を欲しがる奴がいるのかや、姿が醜い魔物となって生き続けるなど、2人にはどうでもいいことなのだ。
「しかしクラーク公爵だっけ?あんな無能でも傘下の貴族が多くて驚いたな」
「無能ゆえに、取り入りやすいと思われたのでしょう。まぁ、今となってはどうでもいいですけどね」
すでにクラーク公爵は魔物と入れ替えている。
その傘下のどうでも良い貴族達も合わせてな。少し離れた場所で進軍を見守る2人もシオン達の不安要素に目を厳しくした。
「この魔物の大群はただの大群ではないから。私が改造して合成を重ねた魔物達だから通常の魔物より強くなっているからね。帝国の兵士達なんてあっさり蹂躙されるわ」
「それは楽しみだな」
さて、あの大悪魔を倒した英雄達はどう出てくるか。
城壁に魔物が到着したら街中で人間に化けた魔物達が正体を現して暴れる手筈になっている。
外と中からの二重攻撃にどう対処するつもりだ?
魔物達が帝都にあと、1キロぐらいの距離になろうとした時だった。
帝都の4つに配置された魔導砲のチャージが終わり、空に向けて放たれたのは。
「なんだ!?」
チェリーとベリーは目を開いてその状況を見守るしかできなかった。
そしてすぐに身体を焼くような不快感が襲ってきた。
「グッ、な、何よこれ!?」
「ま、まさか聖女の結界を『帝都の周辺』に張ったのか!?」
空を見上げて言葉に詰まった。
「ち、違う!まさか『帝国中』に結界を張ったとでも言うのか!?」
「そんなことができる訳ない。できたとしても一瞬で切れるわよ!」
チェリーの言うことは正しく、わずか数分で結界は消えたのだった。
「やっぱりね。びっくりしたけど、私達にはそんなにダメージはなかったわね。魔物達も死んだ者はいないわ」
「何が目的だったんだ?ただの足止めか?」
「さてね。あのシオンって少女は油断できない『敵』だったから、何か狙いがあるはず」
チェリーは少し考えてみたけれど、シオンの狙いがわからなかった。
「驚いたが、魔物どもがそろそろ城壁に取り付く頃だ。これからが見ものだな」
速度は落ちたが魔物達はしっかりと進んでおり、城壁にもう少しのところまで迫っていた。
力のある魔物なら城壁すら壊せる力があるとチェリーは薄く笑んだ。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
少し時間を遡る。
シオンがイライラしながら充電していると、ついに充電が溜まった。
ヒジリの充電は少し前に終わっており、ヒジリはシオンに合流していた。
「やった!ようやく溜まったよ!」
「シオンお姉様!もう魔物がすぐそこまで迫っています!」
シオンは「了解!」と言って、魔導砲を遠隔操作で打ち上げた。
すると空に描いていた巨大な魔法陣に魔力が充電され、ついに帝国中に魔物にダメージを与える結界が張られることになった。
「やりましたね!凄いデス!」
「やったねぇ~まさかここまでストレスが溜まるとは思っていなかったけど」
空に浮かんだ綺麗な光を放つ魔法陣を見ながらシオンは呟いた。
そして、それから忙しく動き回る人々がいた。
ボンバーギルド長は結界が展開されたことを支部に連絡し、ダメージを受けて正体を現した魔物の討伐を命じていた。手勢の冒険者パーティに命じて帝都の魔物を探させていた。
「まさか、本当に人間に化けている魔物がいたなんて」
簡易結界のない避難所を見張っていた冒険者パーティは即座に討伐を完了させた。
混乱する市民にも結界のことを話して、他に隠れている魔物はいないと強い口調で言い聞かせた。
『市民が混乱して人間同士で殺し合わせるのが敵の狙いと聞いた時は、胸糞の悪い話だと思ったが、実際に目の当たりにして、他人事じゃなかったと実感したぜ』
Bランクのベテラン冒険者達も額に嫌な汗をかいていた。
そして声を掛けられた。
「失礼する!ここは大丈夫か?」
「ああ、ここの化けていた魔物は討伐完了した!」
「了解!私は次の場所に向かう。市民がパニックにならないよう見張っていてくれ」
「ちょっと待ってくれ。あなたもギルド長に言われた冒険者なのか?」
「いや、私は皇帝陛下から直接、帝都の中を守って欲しいと言われたSランク冒険者のレオナだ。引き続き頼む!」
レオナは風魔法で消えるように立ち去った。
「は、早い・・・あれが最高ランクの冒険者なのか」
こうして冒険者達は協力して街中の魔物を発見次第、素早く狩っていった。
「はぁ~ストレスが溜まるよ~」
すでに魔力で空には結界の魔法陣を描き終わっていた。
まだかな?まだかな?
シオンのイライラがMAXまで溜まっているときだった。
魔物が城壁から見える位置まで迫ってきていた。
そして、それを敵側の2人も見ていた。
「チェリー、流石だな。俺の想像を超える大軍勢だよ」
「ベリーもバカな貴族達のおもり、お疲れ様でした」
「別に大したことはないぜ。いつの世も、権力が欲しい、永遠の命が欲しいってヤツは何処にでもいるからな」
魔物と同化すれば理論上は不死に近い寿命を得る。権力が欲しい奴には、この魔物の軍勢を与えて反乱を起こさせる。チェリーとベリーには国がどうなろうとどうでもいいことなのだ。欲望をもつ人間には嘘は言ってはいない。滅んだ国を欲しがる奴がいるのかや、姿が醜い魔物となって生き続けるなど、2人にはどうでもいいことなのだ。
「しかしクラーク公爵だっけ?あんな無能でも傘下の貴族が多くて驚いたな」
「無能ゆえに、取り入りやすいと思われたのでしょう。まぁ、今となってはどうでもいいですけどね」
すでにクラーク公爵は魔物と入れ替えている。
その傘下のどうでも良い貴族達も合わせてな。少し離れた場所で進軍を見守る2人もシオン達の不安要素に目を厳しくした。
「この魔物の大群はただの大群ではないから。私が改造して合成を重ねた魔物達だから通常の魔物より強くなっているからね。帝国の兵士達なんてあっさり蹂躙されるわ」
「それは楽しみだな」
さて、あの大悪魔を倒した英雄達はどう出てくるか。
城壁に魔物が到着したら街中で人間に化けた魔物達が正体を現して暴れる手筈になっている。
外と中からの二重攻撃にどう対処するつもりだ?
魔物達が帝都にあと、1キロぐらいの距離になろうとした時だった。
帝都の4つに配置された魔導砲のチャージが終わり、空に向けて放たれたのは。
「なんだ!?」
チェリーとベリーは目を開いてその状況を見守るしかできなかった。
そしてすぐに身体を焼くような不快感が襲ってきた。
「グッ、な、何よこれ!?」
「ま、まさか聖女の結界を『帝都の周辺』に張ったのか!?」
空を見上げて言葉に詰まった。
「ち、違う!まさか『帝国中』に結界を張ったとでも言うのか!?」
「そんなことができる訳ない。できたとしても一瞬で切れるわよ!」
チェリーの言うことは正しく、わずか数分で結界は消えたのだった。
「やっぱりね。びっくりしたけど、私達にはそんなにダメージはなかったわね。魔物達も死んだ者はいないわ」
「何が目的だったんだ?ただの足止めか?」
「さてね。あのシオンって少女は油断できない『敵』だったから、何か狙いがあるはず」
チェリーは少し考えてみたけれど、シオンの狙いがわからなかった。
「驚いたが、魔物どもがそろそろ城壁に取り付く頃だ。これからが見ものだな」
速度は落ちたが魔物達はしっかりと進んでおり、城壁にもう少しのところまで迫っていた。
力のある魔物なら城壁すら壊せる力があるとチェリーは薄く笑んだ。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
少し時間を遡る。
シオンがイライラしながら充電していると、ついに充電が溜まった。
ヒジリの充電は少し前に終わっており、ヒジリはシオンに合流していた。
「やった!ようやく溜まったよ!」
「シオンお姉様!もう魔物がすぐそこまで迫っています!」
シオンは「了解!」と言って、魔導砲を遠隔操作で打ち上げた。
すると空に描いていた巨大な魔法陣に魔力が充電され、ついに帝国中に魔物にダメージを与える結界が張られることになった。
「やりましたね!凄いデス!」
「やったねぇ~まさかここまでストレスが溜まるとは思っていなかったけど」
空に浮かんだ綺麗な光を放つ魔法陣を見ながらシオンは呟いた。
そして、それから忙しく動き回る人々がいた。
ボンバーギルド長は結界が展開されたことを支部に連絡し、ダメージを受けて正体を現した魔物の討伐を命じていた。手勢の冒険者パーティに命じて帝都の魔物を探させていた。
「まさか、本当に人間に化けている魔物がいたなんて」
簡易結界のない避難所を見張っていた冒険者パーティは即座に討伐を完了させた。
混乱する市民にも結界のことを話して、他に隠れている魔物はいないと強い口調で言い聞かせた。
『市民が混乱して人間同士で殺し合わせるのが敵の狙いと聞いた時は、胸糞の悪い話だと思ったが、実際に目の当たりにして、他人事じゃなかったと実感したぜ』
Bランクのベテラン冒険者達も額に嫌な汗をかいていた。
そして声を掛けられた。
「失礼する!ここは大丈夫か?」
「ああ、ここの化けていた魔物は討伐完了した!」
「了解!私は次の場所に向かう。市民がパニックにならないよう見張っていてくれ」
「ちょっと待ってくれ。あなたもギルド長に言われた冒険者なのか?」
「いや、私は皇帝陛下から直接、帝都の中を守って欲しいと言われたSランク冒険者のレオナだ。引き続き頼む!」
レオナは風魔法で消えるように立ち去った。
「は、早い・・・あれが最高ランクの冒険者なのか」
こうして冒険者達は協力して街中の魔物を発見次第、素早く狩っていった。
66
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢、規格外魔力でもふもふ聖獣を手懐け隣国の王子に溺愛される
黒崎隼人
ファンタジー
「ようやく、この息苦しい生活から解放される!」
無実の罪で婚約破棄され、国外追放を言い渡された公爵令嬢エレオノーラ。しかし彼女は、悲しむどころか心の中で歓喜の声をあげていた。完璧な淑女の仮面の下に隠していたのは、国一番と謳われた祖母譲りの規格外な魔力。追放先の「魔の森」で力を解放した彼女の周りには、伝説の聖獣グリフォンをはじめ、可愛いもふもふ達が次々と集まってきて……!?
自由気ままなスローライフを満喫する元悪役令嬢と、彼女のありのままの姿に惹かれた「氷の王子」。二人の出会いが、やがて二つの国の運命を大きく動かすことになる。
窮屈な世界から解き放たれた少女が、本当の自分と最高の幸せを見つける、溺愛と逆転の異世界ファンタジー、ここに開幕!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
【完結】魔力の見えない公爵令嬢は、王国最強の魔術師でした
er
恋愛
「魔力がない」と婚約破棄された公爵令嬢リーナ。だが真実は逆だった――純粋魔力を持つ規格外の天才魔術師! 王立試験で元婚約者を圧倒し首席合格、宮廷魔術師団長すら降参させる。王宮を救う活躍で副団長に昇進、イケメン公爵様からの求愛も!? 一方、元婚約者は没落し後悔の日々……。見る目のなかった男たちへの完全勝利と、新たな恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる