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状況を把握しよう!
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私はしばらくの間、茫然としていたが取り敢えず修道院へと入ってみた。石造りの修道院は半壊しているように見えて、屋根だけ崩れているようで壁には余り損傷は無かった。
「ふむ………作りは普通の修道院ね?」
中に入ると長椅子が並べてあり、奥の中央には祈りの対象であるこの世界の女神像が佇んでいた。山奥の最北端にあるにはかなり大きく2階建てで、2階は各修道女の宿舎の様だった。
「さて、2階は後回しで1階から探索しますか!」
奮い立たせるように自分に言い聞かせて、女神像の横にある奥の部屋へ向かった。奥の扉を開けると通路があり厨房があった。厨房は吹き抜けで仕切りが無かった。作りも大きくホテルの厨房のように大勢の修道女が料理(作業)できるようになっていた。
「釜が5つもあるってことは、かつてはそれなりに人数がいたのね」
棚には木製の食器が多く埃を被って陳列してあり、厨房から外に出られる扉もあった。
「あっ、小川が流れているわ!」
ドアを開いて外に出て見ると目の前に小川が流れていた。どうやら洗濯などここでやっていたようで、物干し竿など朽ちて転がっていた。
ゴクゴク…………
「美味しい!?」
山奥から流れている小川は清んでいて、魚も泳いでいた。少し口に含んで味見をしてからゴクゴクと渇いた喉を潤した。
「魚もいるし、水も確保できた。しばらくは生きて行けそうね」
こうして気合いを入れ直して、私はまた厨房から修道院へ戻り、奥の部屋を探索した。
奥の部屋には扉が付いており開いて中に入ると─
!?
うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
うん、乙女にあるまじき声を上げても仕方がない!奥の部屋の扉を開けてみるとミイラ化した死体があったのだ!
椅子に持たれ掛かるようにあったソレを見つけてしまった。
どうするのよ!コレ!?どうするよ!私!!!?
私は恐る恐る近付くと、部屋は小さな空気窓のみで薄暗かったが、ライトの魔法で明るくして机を見ると1冊の本が置かれていた。
周りにはベットとタンス棚があった。机を見ると執務室のような感じに思えた。
ペラッ………
「これは日記帳だわ!」
この修道院の状況が分かるかも知れない!?私は日記帳に目を通していった。
これは…………
日記帳を要約するとこうだった。
かつては政治犯の家族や不貞を働いた女性達がここに送られて自給自足の生活を営んでいた。しかし、近くにある物々交換などしていた開拓の村が閉鎖され無くなったため、馬車で3日も掛かる1番近い村に行かなけれならなくなった。
領主に手紙を出し、不自由になった事を伝えると定期的に物資を馬車で持ってきてくれる事になった。無論、こちらも刺繍や内職をした物などを用意し少しばかりのお礼も渡していた。
しかし、20年ほど続いたその関係は突如として終わった。世の中が平和になり、ここに送られてくる女性がいなくなった事だ。国内最北端にある修道院は有名であったが、平和になったことで多少の不貞など働いても、近くの修道院に送って家族が面会など、行きやすくするように時代が変わったのだ。
当時は、政治犯の家族などもいて親類が援助物資を送ってくれることも多かったが、年月と共にそれも無くなった。
国からの維持費に必要な金銭や物資も、領主経由で送られなくなって久しい。
何度、手紙を送っても解答が無かった。街では開拓の村の閉鎖など、ここいらの領主が事業に失敗したとの噂を耳にした。恐らく物資の横領をしているのだろう。しかし、私にはそれを訴える術がない。
片道3日を掛けて村への買い出しの時に手紙と伝言をお願いするだけだった。
そして、ここに住む修道女の高齢化が問題になってきた。すでに片道3日を掛けて多くの荷物を持って帰ってくる事が困難になったのだ。苦肉の策として、田畑を広げて食料事情を改善したが、病気や老衰で亡くなった修道女が増えたため、人数が少なくなったことで自給自足が可能となった。皮肉なものです。
そして、当時1番若かった私も高齢になり、最後まで姉妹のように暮らしていた姉も先日亡くなった。私は1人になってしまった。ここで1人で生きていくのは辛い。寂しい………恐らく私も長くはないでしょう。もし、誰かここに来てこの日記帳を見た方がいたらお願いしたい。私を修道院の裏庭ある大きな【桜】の下へ埋葬して欲しい。大切な姉が眠る木の下で一緒に………
日記帳はここで終わっていた。
日付は5年前になっていた。
「ここで1人で…………」
目に涙を溜めていた私はゴシゴシっと目を擦り、目の前のミイラの女性を優しく運び厨房から裏庭へ出て、大きな桜の木の下へ穴を掘り丁寧に埋葬した。厨房にスコップがあり、桜の木の下には大き目の石が置いてあったので、その隣に埋めた。
季節はもう夏なので桜は咲いていなかったけれど来年は見てみたいと思った。
そして、この修道院の補助金を横領しているクズ領主にいずれ制裁をすることをここに誓うのだった!
こうして私の長い1日目は終了した。
「ふむ………作りは普通の修道院ね?」
中に入ると長椅子が並べてあり、奥の中央には祈りの対象であるこの世界の女神像が佇んでいた。山奥の最北端にあるにはかなり大きく2階建てで、2階は各修道女の宿舎の様だった。
「さて、2階は後回しで1階から探索しますか!」
奮い立たせるように自分に言い聞かせて、女神像の横にある奥の部屋へ向かった。奥の扉を開けると通路があり厨房があった。厨房は吹き抜けで仕切りが無かった。作りも大きくホテルの厨房のように大勢の修道女が料理(作業)できるようになっていた。
「釜が5つもあるってことは、かつてはそれなりに人数がいたのね」
棚には木製の食器が多く埃を被って陳列してあり、厨房から外に出られる扉もあった。
「あっ、小川が流れているわ!」
ドアを開いて外に出て見ると目の前に小川が流れていた。どうやら洗濯などここでやっていたようで、物干し竿など朽ちて転がっていた。
ゴクゴク…………
「美味しい!?」
山奥から流れている小川は清んでいて、魚も泳いでいた。少し口に含んで味見をしてからゴクゴクと渇いた喉を潤した。
「魚もいるし、水も確保できた。しばらくは生きて行けそうね」
こうして気合いを入れ直して、私はまた厨房から修道院へ戻り、奥の部屋を探索した。
奥の部屋には扉が付いており開いて中に入ると─
!?
うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
うん、乙女にあるまじき声を上げても仕方がない!奥の部屋の扉を開けてみるとミイラ化した死体があったのだ!
椅子に持たれ掛かるようにあったソレを見つけてしまった。
どうするのよ!コレ!?どうするよ!私!!!?
私は恐る恐る近付くと、部屋は小さな空気窓のみで薄暗かったが、ライトの魔法で明るくして机を見ると1冊の本が置かれていた。
周りにはベットとタンス棚があった。机を見ると執務室のような感じに思えた。
ペラッ………
「これは日記帳だわ!」
この修道院の状況が分かるかも知れない!?私は日記帳に目を通していった。
これは…………
日記帳を要約するとこうだった。
かつては政治犯の家族や不貞を働いた女性達がここに送られて自給自足の生活を営んでいた。しかし、近くにある物々交換などしていた開拓の村が閉鎖され無くなったため、馬車で3日も掛かる1番近い村に行かなけれならなくなった。
領主に手紙を出し、不自由になった事を伝えると定期的に物資を馬車で持ってきてくれる事になった。無論、こちらも刺繍や内職をした物などを用意し少しばかりのお礼も渡していた。
しかし、20年ほど続いたその関係は突如として終わった。世の中が平和になり、ここに送られてくる女性がいなくなった事だ。国内最北端にある修道院は有名であったが、平和になったことで多少の不貞など働いても、近くの修道院に送って家族が面会など、行きやすくするように時代が変わったのだ。
当時は、政治犯の家族などもいて親類が援助物資を送ってくれることも多かったが、年月と共にそれも無くなった。
国からの維持費に必要な金銭や物資も、領主経由で送られなくなって久しい。
何度、手紙を送っても解答が無かった。街では開拓の村の閉鎖など、ここいらの領主が事業に失敗したとの噂を耳にした。恐らく物資の横領をしているのだろう。しかし、私にはそれを訴える術がない。
片道3日を掛けて村への買い出しの時に手紙と伝言をお願いするだけだった。
そして、ここに住む修道女の高齢化が問題になってきた。すでに片道3日を掛けて多くの荷物を持って帰ってくる事が困難になったのだ。苦肉の策として、田畑を広げて食料事情を改善したが、病気や老衰で亡くなった修道女が増えたため、人数が少なくなったことで自給自足が可能となった。皮肉なものです。
そして、当時1番若かった私も高齢になり、最後まで姉妹のように暮らしていた姉も先日亡くなった。私は1人になってしまった。ここで1人で生きていくのは辛い。寂しい………恐らく私も長くはないでしょう。もし、誰かここに来てこの日記帳を見た方がいたらお願いしたい。私を修道院の裏庭ある大きな【桜】の下へ埋葬して欲しい。大切な姉が眠る木の下で一緒に………
日記帳はここで終わっていた。
日付は5年前になっていた。
「ここで1人で…………」
目に涙を溜めていた私はゴシゴシっと目を擦り、目の前のミイラの女性を優しく運び厨房から裏庭へ出て、大きな桜の木の下へ穴を掘り丁寧に埋葬した。厨房にスコップがあり、桜の木の下には大き目の石が置いてあったので、その隣に埋めた。
季節はもう夏なので桜は咲いていなかったけれど来年は見てみたいと思った。
そして、この修道院の補助金を横領しているクズ領主にいずれ制裁をすることをここに誓うのだった!
こうして私の長い1日目は終了した。
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