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何かいました………

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グオォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!

突然の雄叫びに守護精霊のスフィアは飛び上がって震えた。

「何これ!?何これ!!?何なんですか!!!?」

「う~ん………40点ね!そのリアクションはスピカがさっきやったから」
「微妙な点ね………じゃなくて!何なんですか!あの雄叫びは!?」

スピカと同様に涙目でシオンに詰め寄った!

「だから呼んだんじゃない。何かこの山脈に封じられている魔物の話しとか知らない?」

シオンの言葉にスフィアは残念な頭に手を置いて唸った。

「う~ん…………何も知らないですね~?さっきも言いましたが、ここ数百年の間でこの山脈を登ったバカな人自体いませんでしたから」

「そうですよ!こんな茶色い岩肌が剥き出しで、植物もほとんどない山に登ろうなんて人は居ませんよ!何もないですから!」

その言葉にシオンは首を傾げた。

「あれ?こう言う山には宝石の原石が大量に眠っている事が多いのだけど知らないの?」

シオンの言葉に二人はえっ?と目を丸くした。

「調べてみないと確実な事は言えないけど、私の住んでいたアクエリアス領にも、似たような山があって国内有数の宝石の産出場所だったわよ?」

スピカと守護精霊(苦笑)はお互いを見て頷いた。

「「掘りましょう!!!!!!!!」」

この二人、似た者同士なのかしら?

グオォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

「「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!!」」

「はぁ、その前にこの声の主を何とかしないとね?」

こうしてシオン達は山頂へと警戒しながら向かった。すでに山頂までは中腹から少し急な坂になっており、崖を登らなくても良くなっていた。
(小声)
「…………シオン様、戻りましょうよ。ここからでも見えますよ!巨大な何かがいるのが!?」
(ヒソヒソ)
「私も賛成です!ここはヤバァイです!あれは手を出して良い相手じゃありません!」

そう、離れているのにその巨体を隠しきれないほどの大きさの【何か】が横になっているのが見えるのだ。

「まぁ、何とかなるでしょう!私に任せなさい♪」

シオンの緑聖魔術の凄さは知ってはいるけれど、二人の不安は尽きなかった。
そうしている内に、かなり間近まで近付いていた。

そろ~と、しゃがみながら覗くと巨大な古龍とも言うべき存在が、縛り付けられていた。
山頂の地面には巨大な魔方陣が展開されており、東西南北には巨大な柱みたいな【杭】が埋めてあり、そこからこれまた大きい魔法の鎖が古龍を縛り付けていた。

「やっぱりね。おかしいと思ったのよ。私達の気配に気付いて威嚇していたのに動こうとしていなかったからね」

スピカと違いシオンは魔力からこの存在に気付いていたのだ。ここまで強大な力を持つ者が、襲って来ないことに疑問を抱いていた。

シオンは身を乗り出して縛られている古龍の元へ向かった。

「御初におめに掛かります。人の言葉はわかりますか?」

巨大な真っ白い色の【白龍】の古龍は首をシオンに向けて口を開いた。

「久方ぶりに気配を感じてみれば………我が眷属達ではなく人間だったとはな……何用だ?」

流石はここまでの強大な力を持った龍だけあって人語を理解していた。

「私の名前はシオン・アクエリアスと申します。この山脈の麓の森にある修道院に最近になって住んでおります。探索をしていたらあなた様を見つけた次第でございます」

元公爵令嬢らしく、気品ある動作と言葉使いにスピカとスフィアは唖然としていた。
(シオンって貴族でしたっけ?)

普段のシオンを見ていて完全に忘れていた二人であった。

「クククッ!探索でこんな場所に来るとは変わった娘だ」

古龍はさもおかしそうに喉を鳴らして笑った。

「勝手にテリトリーに足を踏み入れた事は謝罪致します。私は麓の森周辺を守護する精霊と契約を結んだ契約者です。その証拠にこちらに守護精霊のスフィアがございます」

古龍はスフィアに目を配ると、なるほどと言って目を閉じた。スフィアは縮こまり、目で話を振るなと訴えていた。

「この守護精霊スフィア(嗤い)もこの山脈にあなた様が縛られている事は知りませんでした。もし宜しければ教えて頂けませんか?」

シオンの言葉に古龍は口を開いた。

「聞いても面白くないが、せっかくじゃ聞くがよい」

古龍は静かに話し始めた。







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