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2章:内政改革は波瀾万丈です!
非日常は突然に!絶対に護って見せます!
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最近、魔物の活動が活発化してきたみたいで注意を促す早馬が、領内の街や村に走った。
「魔の森から多くのゴブリンやヘルハウンド、オークと言った魔物が出てきているのが確認されました。現在は見張りの砦に増援を送り、冒険者ギルドと連携を取って対応しています!」
伝令の報告を聞くとお父様は思案するように内容を吟味して言った。
「至急、騎士団を最低限の守備だけ残し、魔の森の城塞都市に全戦力を投入する!可能であれば王都からの援軍要請も送れ!」
!?
「お父様!理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
私は急な展開にびっくりだよ!
「魔の森から魔物が多少出てくるのは仕方がない。だが、大勢の・・しかも他種族が一斉に出てくるのはおかしい事はわかるな?」
私は頷く。
「では、理由は何だと思う?」
私は考える・・・うーん?魔物が一斉に出てくる・・?一斉に?
あっ!?
「地震とかの脅威があると動物が一斉に騒ぎ出すのと似ています!」
「そうだ、魔物の場合は2つ考えられる。まず同一種族のみであれば群れを率いるリーダーが産まれた事だ。メジャーなのはゴブリンキングやウルフハイリーダー、オークキングなどもいるな」
周りの皆も真剣に聞いている。
「しかし、今回は他種族で群れをなして向かっている。いつもは仲違いしている種族同士でだ。考えられる事は─」
「もっと脅威的な何かから逃げている!?」
私の言葉にお父様は頷く
「そうだ、それしか考えられない。もし違っていても最悪の場合を考えて行動するのが領主としての責務だ」
お父様の言う事はもっともだ。ちくしょー!せっかく領地が潤ってきたのにこの仕打ちとは!?それに討伐クエストイベント、レベル高過ぎじゃない?こちとら実戦経験ゼロの6歳よ!普通、ゴブリン退治とかから少しずつこなして行くんじゃないの!?
(現実は甘くないのである)
「シオンやレインはシルビアと一緒に王都へ避難しなさい」
「お父様はどうするのですか?」
お父様は私の頭を撫でながら言った。
「私は領主として砦に行く!必ず帰るから安心して待ってなさい」
お父様!それは死亡フラグですよ!?ヤバい!絶対にヤバいよ!
「お父様!嫌です!!!私も一緒に行きます!」
「ダメだ!!!!絶対に許可出来ない!危険な所にシオンを連れて行けるか!」
「嫌です!絶対に一緒に行きます!光さんが居れば怪我の治療や防御魔法で皆を護れます!足手まといになりませんから!」
私はお父様にしがみついて離れない・・・パンッ!
「えっ・・・?」
「いい加減にしなさい!」
私は何が起きたのか分かず呆けてしまった。
「あなた!?」
「父上!」
お父様が私をぶった見たいだ。ううぅ・・・なんで?なんでこんなに痛いの?肉体的では無く心が痛かった。
「うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
私は赤ちゃんの時でも泣いた事のない大声で泣いた!
「お゛どうざん!!!!いっじゃやだーーーーーーー!!!!!!!」
私はまたお父様にしがみついて離れなかった。光さんも私では無くお父様にすり寄りその球体を身体にくっ付けていた。
「シオン・・・すまない。でも、本当に危険なんだ。魔物が大量に魔の森から出てくるなんて100年に1度あるかどうかの厄災なんだよ・・・わかってくれ」
お父様は私を優しく抱きしめ、優しく諭すように声かける。
「あなた・・・シオンだけでは無く光の精霊も貴方から離れないのはおかしいわ。もしかしたら、何か危険が迫っているのを本能的に感じ取っているのかも?」
妻のシルビアの言葉にはっとする。シオンは今まで突拍子の無い事をやらかすが、我が儘を言ったり無理な物をねだったりはしなかった。貴族令嬢としては将来心配はあるが、勉学、マナー、魔法の勉強などは贔屓目無しで優秀だ。そのシオンが理論的な感情を抜きして泣き喚きながら行くなと言う・・・これは本当に何かあるのかも知れないな。
「あなた、我がフィリアス家は魔の森の脅威に対抗するために存在する家です。夫であるあなただけに責務を預けて、我々だけ逃げる事は出来ませんわ」
「シルビア!お前は子供達が危険な目に会っても良いと言うのか!?」
「普通の宮仕えの貴族なら兎も角、騎士を輩出する家の者が逃げてどうするのですか!いずれこの子達がこの領地を護って行くのですよ?1度戦う前から逃げてしまえば、今後もずっと逃げる癖が出ます!踏ん張る所は子供の頃から学ばせないと」
お母様の言葉にお兄様も覚悟を決めたように口を挟む。
「父上!私はまだ子供で役に立たないかも知れません。でも、大切な領民を置いて逃げる事はしたくありません!私達がいる事で士気が上がるのなら使って下さい!」
お兄様もお父様に覚悟の言葉を伝える。
「お前達・・・!」
お父様は顔に手を当てて涙を隠す
「ねぇあなた?子供って成長が早いのよ」
お母様が優しく問い掛ける。
「そのようだな・・・よし!家族皆で行くか!お前達には指一本足りとも魔物達には触れさせない!」
「ぐしゅん・・・お゛どうざまー!」
「シオンすまない。心配してくれてたんだな?一緒に行こう。力を貸してくれるかい?」
私は首を縦に振り頷いた。絶対に家族は護るから!次は護り通してみせる!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「シオン・・・」
シオン
「あら?珍しく真剣な顔ですわね?」
愚者の声
「私は今、モーレツに感動している!」
シオン
「どわっ!何ですか突然に」
愚者の声
「生きて帰れないかも知れない、戦地に赴く家族の愛に感動しているのです!」
シオン
「何を縁起でも無い事を・・殺しますよ?」
愚者の声
「薄情な!?心配では無いの!?」
シオン
「心配?するわけ無いでしょう?だってお父様よ?最強よ!心配するだけ無駄♪暫くはお父様達の活躍が見られるのよ!(0゜・∀・)wktkですわ!」
愚者の声
(°Д°)唖然・・・
「魔の森から多くのゴブリンやヘルハウンド、オークと言った魔物が出てきているのが確認されました。現在は見張りの砦に増援を送り、冒険者ギルドと連携を取って対応しています!」
伝令の報告を聞くとお父様は思案するように内容を吟味して言った。
「至急、騎士団を最低限の守備だけ残し、魔の森の城塞都市に全戦力を投入する!可能であれば王都からの援軍要請も送れ!」
!?
「お父様!理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
私は急な展開にびっくりだよ!
「魔の森から魔物が多少出てくるのは仕方がない。だが、大勢の・・しかも他種族が一斉に出てくるのはおかしい事はわかるな?」
私は頷く。
「では、理由は何だと思う?」
私は考える・・・うーん?魔物が一斉に出てくる・・?一斉に?
あっ!?
「地震とかの脅威があると動物が一斉に騒ぎ出すのと似ています!」
「そうだ、魔物の場合は2つ考えられる。まず同一種族のみであれば群れを率いるリーダーが産まれた事だ。メジャーなのはゴブリンキングやウルフハイリーダー、オークキングなどもいるな」
周りの皆も真剣に聞いている。
「しかし、今回は他種族で群れをなして向かっている。いつもは仲違いしている種族同士でだ。考えられる事は─」
「もっと脅威的な何かから逃げている!?」
私の言葉にお父様は頷く
「そうだ、それしか考えられない。もし違っていても最悪の場合を考えて行動するのが領主としての責務だ」
お父様の言う事はもっともだ。ちくしょー!せっかく領地が潤ってきたのにこの仕打ちとは!?それに討伐クエストイベント、レベル高過ぎじゃない?こちとら実戦経験ゼロの6歳よ!普通、ゴブリン退治とかから少しずつこなして行くんじゃないの!?
(現実は甘くないのである)
「シオンやレインはシルビアと一緒に王都へ避難しなさい」
「お父様はどうするのですか?」
お父様は私の頭を撫でながら言った。
「私は領主として砦に行く!必ず帰るから安心して待ってなさい」
お父様!それは死亡フラグですよ!?ヤバい!絶対にヤバいよ!
「お父様!嫌です!!!私も一緒に行きます!」
「ダメだ!!!!絶対に許可出来ない!危険な所にシオンを連れて行けるか!」
「嫌です!絶対に一緒に行きます!光さんが居れば怪我の治療や防御魔法で皆を護れます!足手まといになりませんから!」
私はお父様にしがみついて離れない・・・パンッ!
「えっ・・・?」
「いい加減にしなさい!」
私は何が起きたのか分かず呆けてしまった。
「あなた!?」
「父上!」
お父様が私をぶった見たいだ。ううぅ・・・なんで?なんでこんなに痛いの?肉体的では無く心が痛かった。
「うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
私は赤ちゃんの時でも泣いた事のない大声で泣いた!
「お゛どうざん!!!!いっじゃやだーーーーーーー!!!!!!!」
私はまたお父様にしがみついて離れなかった。光さんも私では無くお父様にすり寄りその球体を身体にくっ付けていた。
「シオン・・・すまない。でも、本当に危険なんだ。魔物が大量に魔の森から出てくるなんて100年に1度あるかどうかの厄災なんだよ・・・わかってくれ」
お父様は私を優しく抱きしめ、優しく諭すように声かける。
「あなた・・・シオンだけでは無く光の精霊も貴方から離れないのはおかしいわ。もしかしたら、何か危険が迫っているのを本能的に感じ取っているのかも?」
妻のシルビアの言葉にはっとする。シオンは今まで突拍子の無い事をやらかすが、我が儘を言ったり無理な物をねだったりはしなかった。貴族令嬢としては将来心配はあるが、勉学、マナー、魔法の勉強などは贔屓目無しで優秀だ。そのシオンが理論的な感情を抜きして泣き喚きながら行くなと言う・・・これは本当に何かあるのかも知れないな。
「あなた、我がフィリアス家は魔の森の脅威に対抗するために存在する家です。夫であるあなただけに責務を預けて、我々だけ逃げる事は出来ませんわ」
「シルビア!お前は子供達が危険な目に会っても良いと言うのか!?」
「普通の宮仕えの貴族なら兎も角、騎士を輩出する家の者が逃げてどうするのですか!いずれこの子達がこの領地を護って行くのですよ?1度戦う前から逃げてしまえば、今後もずっと逃げる癖が出ます!踏ん張る所は子供の頃から学ばせないと」
お母様の言葉にお兄様も覚悟を決めたように口を挟む。
「父上!私はまだ子供で役に立たないかも知れません。でも、大切な領民を置いて逃げる事はしたくありません!私達がいる事で士気が上がるのなら使って下さい!」
お兄様もお父様に覚悟の言葉を伝える。
「お前達・・・!」
お父様は顔に手を当てて涙を隠す
「ねぇあなた?子供って成長が早いのよ」
お母様が優しく問い掛ける。
「そのようだな・・・よし!家族皆で行くか!お前達には指一本足りとも魔物達には触れさせない!」
「ぐしゅん・・・お゛どうざまー!」
「シオンすまない。心配してくれてたんだな?一緒に行こう。力を貸してくれるかい?」
私は首を縦に振り頷いた。絶対に家族は護るから!次は護り通してみせる!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「シオン・・・」
シオン
「あら?珍しく真剣な顔ですわね?」
愚者の声
「私は今、モーレツに感動している!」
シオン
「どわっ!何ですか突然に」
愚者の声
「生きて帰れないかも知れない、戦地に赴く家族の愛に感動しているのです!」
シオン
「何を縁起でも無い事を・・殺しますよ?」
愚者の声
「薄情な!?心配では無いの!?」
シオン
「心配?するわけ無いでしょう?だってお父様よ?最強よ!心配するだけ無駄♪暫くはお父様達の活躍が見られるのよ!(0゜・∀・)wktkですわ!」
愚者の声
(°Д°)唖然・・・
応援ありがとうございます!
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