悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~

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4章:戦争は大変なのです!

思い知らせてやりますわ!(挿絵あり

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一晩明けて、交易都市シェルで一晩泊まった翌朝

「フィリアス公爵家に泊まって頂き光栄です!またお越し下さい!」

フロントの方に見送られて、私達は都市の中心部にある議会堂に行く。各団長とマチスさんに騎士団の予備の服を着せ、オブサーバとして動向してもらった。帝国の動きに付いて詳しい人の意見が必要だからね!
議会堂に着くと、また出迎えがあった。

「ようこそおいで下さいました。昨夜は良く眠れましたか?」

「ああ、。感謝する」

このお父様と都市のお偉方の会話はただの挨拶では無い。良く眠れたかとは、襲われたばかりで心配の無いように、交易都市が守衛を増やして宿屋ホテルの警備をしてくれたからだ。だから私も─

「おじ様、心遣い感謝致します。昨日は衝撃的な出来事でしたがおじ様のお陰でぐっすり眠る事が出来ました。ありがとうございます」

必殺!【猫かぶり3枚(倍)】を発動したのよ!最近は3枚まで出せるようになったのよ♪
えっへん!

「おおお!フィリアス公爵様の長女にして光の精霊王様と契約されました御方ですかな!?この年齢で何と聡明なお子様じゃ!」

「あらあら、ラウル卿!私の娘シオンは既に立派なレディですわよ?」

「ふぉふぉふぉ、これは一本取られましたな!シオンお嬢様!この交易都市シェルの代表を務めています。ラウル・ヘンデル伯爵です。よろしく」

私はラウル卿と握手をして、挨拶を交わした。場所を議会堂の中に入ると主だった官僚や大商人達がすでに集まっていて皆さんに軽く挨拶をすると、本題に入った。





「フィリアス家を襲撃したのは帝国軍だと言うのか!」
「ふざけおって!勝手に王位継承争いをやってれば良いものを!」
「半年前の城塞都市の龍襲撃も帝国の仕業と言う事ではないか!」
「すでに、宣戦布告ではないか!?」

事情を知った交易都市のお偉方さん達は全員激おこ状態だった。

「フィリアス公爵様!我々に出来る事があれば何でもしますぞ!」

皆が頷く

「しかし、いざ戦争になるとどれだけの被害が出るかが心配ですな」

慎重な意見も出ている。でも、私にはすでに考えがあり提案した。

「お父様、皆様!私に考えがあります。聞いてください!」

「シオン、何か良い考えが浮かんだのか?」

お兄様が私に意見を促す

「正直、人が死ぬ戦争は嫌です。でも!大切な家族を傷付けられて黙っていられません!だから敵と同じ事をしましょう!」

私の提案に会場がざわめく

「まさか、魔物を誘導するのか!?」

「そうです!帝国側も魔の森に面しています。そして要所に砦を構えています。民間人に犠牲が出るのは極力減らし、帝国軍に打撃を与える戦略です!」

議会の会場で相談する声が響き、作戦の詳細を考える事になった。

まずは作戦が可能なのかどうか?

1・幾つかやり方がありますが、光さんに頼むと蛾を誘導する様に、特殊な光魔法である程度、魔物を誘導することが出来るそうです。

魔物誘導のみで手を出さないのか?

2・帝国の砦はうちと同じ様に、街になっていたり、冒険者を泊めている砦も多くある。その者達に間者を紛れさせて砦の扉を内側から開けて貰うか、細工をして壊れ易くしてもらう。

警戒されないか?

3・魔物の誘導は極秘で行い、帝国軍にはフィリアス家が戦の準備をしていると噂を流します。魔の森を軍隊が通るのは無理なので、必然的に神国との国境にも近い北東に戦力が集中するでしょう。そして魔の森に面している砦は手薄になります。

更に、上手く行けば神国との小競り合いも発生して戦力を釘付けに出来ます。



ここまでの説明で議会は静かになる。そして─

「やって見る価値はある!」
「出来ない事はない!?」
「素晴らしい作戦だ!」
「帝国に一泡吹かせられる!」

一斉に声が上がった!そこからもっと具体的な話が進んでいった。

シオンがもう1つ提案した事は、都市国家群に働き掛けて、薬草類の帝国への販売を禁止する事だ。神国とは中が悪く、従来であれば商人の行き交いは無論あるが、1度小競り合いが始まれば国境を封鎖され行き交いは出来なくなる。
都市国家群は1度、セフィリト王国を経由しなければ帝国に物資を運べない。
ここで検閲して薬草類を禁止する。その代わり、王国が少し色を付けて買い付ける言う訳だ。そのくらいはお金があるしね!
ふふふっ、都市国家群からはエルフ国からの高品質な薬草類が入って来るので、帝国の分も手に入れて私達はウハウハなのだ。帝国軍は薬草不足で満足な手当てが出来ず、痛手を食うだろう。何も戦争は戦う事だけでは無いのだよ。経済封鎖の前例を作ろう。物資が足りない怖さを思い知らせてやる!




作戦予定
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「第1回愚者の声を讃える会議をは・・ヘブシッ!」

シオン
「第1回シオン様を崇め奉る会議を始めます!」

愚者の声
「貴女のどこを崇めろ・・・・と!?」

シオン
ぼいーん。ぼいーん。

愚者の声
なんて事だ!素晴らしいマスクメロンを2つもお持ちではないか!

「ははーーーー!orz」
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