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6章:スタンピード!
赤龍対策です!
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【報告】
3月、4月は仕事が忙しくなるため1週間に1度の更新となります。
m(__)m
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「まず、お兄様が魔の森の入口に結界を張ったので大規模な下級魔物の襲撃はありません。既に元の住処に戻りつつあります」
シオンの説明に安堵するシャーマン達であったが、シオンの次の言葉に気を引き締める。
「しかし、ひかりさんの大技の余波が魔の森の深層まで響いたようで、静観していた赤龍達が動き出しそうなのです!」
!?
「それはまずい!土龍と違い赤龍は空を飛ぶ!機動力が違いすぎるぞ!しかも現在、城塞都市には次期皇帝ジークを初めセフィリト国王など重要人物が多く集まっている。襲撃されたらまずいなんてものじゃない!」
テーブルをバンッと叩き立ち上がるシャーマンにお兄様が尋ねる。
「シオン、さっき聞きそびれたけどいつ頃襲来しそうなんだい?」
シオンは手を顎に当て、考える様に答える。
「私が意識を魔の森に飛ばしていた時は、赤龍がひかりさんの攻撃の余波で騒ぎ出した所でした。ついさっきの事です。もし赤龍が襲来するとしたら早くて2時間後ぐらいですね」
「えっ!?」
「に、2時間後だと!?すぐではないか!」
「えっと………そうですね?」
シオンの感覚では2時間は余裕がある感覚だったのだが周りは違ったらしい。
「急ぎ、外で素材集めをしている者達を城塞都市に連れ戻しバリスタなどの準備をしなければ!」
周りの人達が忙しく動き出そうとした時、シオンが待ったを掛けた。
「ちょっと待って下さい!準備は勿論してもらいますが今回は私に任せて下さい!赤龍がやって来きた時は、森の入口で戦います!」
「シオン嬢、それは危険ではないかね?定石なら城塞都市のバリスタだったかい?そういった遠距離攻撃と魔法で撃ち落とし、地上で総攻撃を掛けるべきだと思うが?」
セフィリト国王ゼインがもっともな意見をしたが、シオンは首を振り対処方法を説明する。
「既に城壁と城門は壊されています。ひかりさんの結界も消えていますし疲弊している状態では再度、強固な結界を張るのは不可能なんです。街を火の海にしないためにも郊外で戦いたいのです」
なるほど……どちらも十分に考慮する意見だった。
「それにちょっとした作戦もあります。赤龍が来ることが分かっていればスイレンの水の刃で翼を攻撃して墜落させる事が出来るのです!そうすれば私やお兄様の攻撃魔法で十分に倒せます。赤龍は強いと言っても土龍より防御力は低いですから」
「シオン嬢、君の意見は分かったが君自身が危険ではないかな?」
「スタンピードの終盤、私だけ戦闘に参加しておらず魔力に余裕があります。私だけ安全な場所に居たなんて嫌なのです!」
みんなが命懸けで戦っていたのに自分だけ守られているのは嫌だというシオンの言葉は王子や王女の心を揺さぶった。
実は王子と王女も王宮のマナー以外に体術や剣術、そして魔法の修行していて、魔法だけでいえば、並みの宮廷魔導師クラスまで成長していた。しかし、王族という身分のため流石に、危険な魔物討伐などはさせて貰っていない。
無論、民の為にこの身を粉にして頑張る気概を持ってはいるが、周りの状況がそれを許してくれないのだ。故に、シオンの自分だけ守られている状況が我慢出来ないとい言葉は彼らに大きな衝撃を与えた。
護られていることが当たり前の王族で、公爵家も同列に準ずるのにこの違いはなんだ?と、自問自答する王子と王女がいた。そして、凛とした態度で自分の身の危険がなんだというシオンに、ゼイン国王は改めて国母に相応しいと思った。
また、この少女を他国に渡してはいけないと危機感を持った瞬間だった。
「シオン、余り自分を責めてはいけないよ?シオンが城塞都市に居ながら魔の森の状況を調べる事が出来たから、魔の森の入口を幻術結界で封鎖してスタンピードを止める事が出来たんだ。そして、赤龍の動きを察知して前もって対策を取れるんだ。君の功績だよ!シオン」
お兄様の贔屓目なしの賛辞にこの場にいた皆が頷く。
「レイン君の言う通りだ。何も最前線で戦う事だけが大事なのでは無い!戦いをサポートしてくれる後方支援だって重要な事だ。シオン嬢は十分に誇って良いと思うぞ?」
大将シャーマンもシオンを褒める。シオンは恥ずかしくなり無理矢理話題を変える。
「倒した魔物の死骸をほっとく訳にはいきません。後1時間は素材の剥ぎ取りを行い、赤龍の襲来に備えましょう。私達は先行して魔の森の入口付近に待機して赤龍に備えます」
シオンはスイレンに目を配り、よろしくと言う。
「シオン!任せるのじゃ!赤龍など水の精霊王の娘である妾が守るのじゃ!」
スイレンは幼女の姿で、無い胸をポンッと拳を当てるのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
パリパリ
(煎餅食べてます)
愚者の声
「何、煎餅食べてやる気ないのよ!最終決戦よ?胸ワクテカな展開よ!?」
シオン
「だってあっさり終了しそうですもの。やる気が出ませんわ~」
愚者の声
「なんてヒロインだ!やる気の無いヒロインって最悪だよ!」
シオン
「だって悪役令嬢ですもの♪」
Σ(゜Д゜)!?
3月、4月は仕事が忙しくなるため1週間に1度の更新となります。
m(__)m
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「まず、お兄様が魔の森の入口に結界を張ったので大規模な下級魔物の襲撃はありません。既に元の住処に戻りつつあります」
シオンの説明に安堵するシャーマン達であったが、シオンの次の言葉に気を引き締める。
「しかし、ひかりさんの大技の余波が魔の森の深層まで響いたようで、静観していた赤龍達が動き出しそうなのです!」
!?
「それはまずい!土龍と違い赤龍は空を飛ぶ!機動力が違いすぎるぞ!しかも現在、城塞都市には次期皇帝ジークを初めセフィリト国王など重要人物が多く集まっている。襲撃されたらまずいなんてものじゃない!」
テーブルをバンッと叩き立ち上がるシャーマンにお兄様が尋ねる。
「シオン、さっき聞きそびれたけどいつ頃襲来しそうなんだい?」
シオンは手を顎に当て、考える様に答える。
「私が意識を魔の森に飛ばしていた時は、赤龍がひかりさんの攻撃の余波で騒ぎ出した所でした。ついさっきの事です。もし赤龍が襲来するとしたら早くて2時間後ぐらいですね」
「えっ!?」
「に、2時間後だと!?すぐではないか!」
「えっと………そうですね?」
シオンの感覚では2時間は余裕がある感覚だったのだが周りは違ったらしい。
「急ぎ、外で素材集めをしている者達を城塞都市に連れ戻しバリスタなどの準備をしなければ!」
周りの人達が忙しく動き出そうとした時、シオンが待ったを掛けた。
「ちょっと待って下さい!準備は勿論してもらいますが今回は私に任せて下さい!赤龍がやって来きた時は、森の入口で戦います!」
「シオン嬢、それは危険ではないかね?定石なら城塞都市のバリスタだったかい?そういった遠距離攻撃と魔法で撃ち落とし、地上で総攻撃を掛けるべきだと思うが?」
セフィリト国王ゼインがもっともな意見をしたが、シオンは首を振り対処方法を説明する。
「既に城壁と城門は壊されています。ひかりさんの結界も消えていますし疲弊している状態では再度、強固な結界を張るのは不可能なんです。街を火の海にしないためにも郊外で戦いたいのです」
なるほど……どちらも十分に考慮する意見だった。
「それにちょっとした作戦もあります。赤龍が来ることが分かっていればスイレンの水の刃で翼を攻撃して墜落させる事が出来るのです!そうすれば私やお兄様の攻撃魔法で十分に倒せます。赤龍は強いと言っても土龍より防御力は低いですから」
「シオン嬢、君の意見は分かったが君自身が危険ではないかな?」
「スタンピードの終盤、私だけ戦闘に参加しておらず魔力に余裕があります。私だけ安全な場所に居たなんて嫌なのです!」
みんなが命懸けで戦っていたのに自分だけ守られているのは嫌だというシオンの言葉は王子や王女の心を揺さぶった。
実は王子と王女も王宮のマナー以外に体術や剣術、そして魔法の修行していて、魔法だけでいえば、並みの宮廷魔導師クラスまで成長していた。しかし、王族という身分のため流石に、危険な魔物討伐などはさせて貰っていない。
無論、民の為にこの身を粉にして頑張る気概を持ってはいるが、周りの状況がそれを許してくれないのだ。故に、シオンの自分だけ守られている状況が我慢出来ないとい言葉は彼らに大きな衝撃を与えた。
護られていることが当たり前の王族で、公爵家も同列に準ずるのにこの違いはなんだ?と、自問自答する王子と王女がいた。そして、凛とした態度で自分の身の危険がなんだというシオンに、ゼイン国王は改めて国母に相応しいと思った。
また、この少女を他国に渡してはいけないと危機感を持った瞬間だった。
「シオン、余り自分を責めてはいけないよ?シオンが城塞都市に居ながら魔の森の状況を調べる事が出来たから、魔の森の入口を幻術結界で封鎖してスタンピードを止める事が出来たんだ。そして、赤龍の動きを察知して前もって対策を取れるんだ。君の功績だよ!シオン」
お兄様の贔屓目なしの賛辞にこの場にいた皆が頷く。
「レイン君の言う通りだ。何も最前線で戦う事だけが大事なのでは無い!戦いをサポートしてくれる後方支援だって重要な事だ。シオン嬢は十分に誇って良いと思うぞ?」
大将シャーマンもシオンを褒める。シオンは恥ずかしくなり無理矢理話題を変える。
「倒した魔物の死骸をほっとく訳にはいきません。後1時間は素材の剥ぎ取りを行い、赤龍の襲来に備えましょう。私達は先行して魔の森の入口付近に待機して赤龍に備えます」
シオンはスイレンに目を配り、よろしくと言う。
「シオン!任せるのじゃ!赤龍など水の精霊王の娘である妾が守るのじゃ!」
スイレンは幼女の姿で、無い胸をポンッと拳を当てるのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
パリパリ
(煎餅食べてます)
愚者の声
「何、煎餅食べてやる気ないのよ!最終決戦よ?胸ワクテカな展開よ!?」
シオン
「だってあっさり終了しそうですもの。やる気が出ませんわ~」
愚者の声
「なんてヒロインだ!やる気の無いヒロインって最悪だよ!」
シオン
「だって悪役令嬢ですもの♪」
Σ(゜Д゜)!?
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