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第1章:歌姫の覚醒!
シオンの隠された力!◆
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シオンの父親であるカインはシオンの力の事に、ずいぶんと前から気付いていた。
最初は些細な事からで、怪我をした時にシオンが元気になるように唄うと傷が治ったのだ。次に薬草採集など、なかなか探すのが難しい時に、気分転換に早く見付かるように唄うと視野が広くなり、感覚が研ぎ澄まされて普段は見落とし勝ちな物も、見付けやすくなっていたのだ。(シオンは気付いてない)
普通の歌人は、特別な【魔詞】を唄って力を発揮するが、シオンはどんな歌詞でも自分の気持ちによって【魔詞】を唄えるのでは?と結論に至ったのだ。今までは遊び半分で唄っていたが、ちゃんとした魔詞を唄わせたら?と実験を行った所、威力は想像以上だったという訳でした。
今後は自分で魔詞を作れるのか確認していく事になったが、今は目の前の問題に対応することにしよう。
「シオン、今唄わせた魔詞は【護りの唄】といって周囲の者達の防御力を2倍にする唄だ。しかし、シオンが唄うと3倍の効果があるみたいだね」
「おおっ!凄いぞ!私!?」
無邪気にはしゃぐシオンに頭を痛めつつ話を続ける。
「この唄は、一度聞かせれば1時間は持つ。盗賊団が襲ってくるときに皆に聞かせて欲しい。その後はすぐに避難だ!」
「もちろん!皆は私が守るよ!」
「はぁ~聞き分けが良いのか悪いのか…………本当に危険なんだよ?死人も出るだろう。本当にわかっているのかい?」
ギルマスが心配になって尋ねた。
「………大丈夫です。私が頑張れば犠牲を減らせるんですよね?」
その言葉にギルマスはやっと気付いた。シオンは理解した上で手伝ってくれるという事に………
「流石はカイン殿の娘さんだな。すまなかった!改めてお願いする。よろしく頼む!」
「はい!わかりました!」
こうして辺境にも関わらず、強力な【歌人】を手に入れたシルフィード領は盗賊団がいつ来ても大丈夫なように万全の態勢を築いていくのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
村が慌ただしく動いている時に、クロウが戻ってきた。クロウの両親も一緒だ。
「クロウ!戻ってきたのね!」
「シオンも大丈夫そうだな!」
数時間ぶりに会ったクロウにホッと胸を撫で下ろす。
「森まで冒険者が連絡に来てくれたんだ。ヤバい盗賊団が村を狙ってるってな」
「そうなんだ………」
クロウの家族は森にいて盗賊団の事を知らなかったから危なかったね!クロウの両親にも挨拶をした。
「急に戻って来てくれてすみません!」
森での活動を止めて戻って来てくれたクロウの両親に頭を下げるシオン。
「シオンちゃんのせいではないだろう?大丈夫だよ。愚息が来るまでに大物を仕留めたからね。でも小屋に置いておく備蓄の物資だけ運んでくれて、助かったよ」
クロウ達の両親は場合によっては何日も森の小屋で過ごす場合もあるので色々な物資の備蓄は大事なんだよね。クロウのお母さんの方は魔術師で小屋の周りを、定期的に【護りの魔法】で魔物払いをしているから小屋にゴブリンなどの魔物に悪用されないのよ。たまに冒険者ギルドに依頼もしているしね。
「シオンちゃんも大変な事になったわね。盗賊団に歌人がいるんでしょう?」
「そうみたいですね。冒険者さんが斥候を出して確認しに行ってます」
クロウがシオンの肩を叩いた。
「他の村人達は避難を始めているんだろう?お前はどうするんだ?」
クロウはシオンも避難すると思っている。しかし領主の娘である以上、なにかしらの役目を言い付けられるかもと予想したのだ。
「そだねー、まだ盗賊団が来ると決まっていないけど、足腰の弱い高齢者達は村外れの、隠れ家に移動を開始してるよ」
過去にスタンピード(魔物の大氾濫)が起きた時に、森とは反対側に外見は【物置小屋】の地下にシェルターを作ったのだ。トイレや食糧の備蓄もしてあり、村人全員は無理だが子供やお年寄りの人数なら収容出来る大きさなのだ。無論、村に来て間もない人には秘密にしてある。他の人はシオンの屋敷に避難する手筈になっている。シオンの屋敷の地下にも秘密のシェルターがあるのだ。
「そして私は………戦うよ!」
!?
「おい!いつものようにふざけている場合か!?危険なんだぞ!」
クロウは怒った様にシオンに言ったが、クロウの両親がそれを止めた。
「何だよ!親父!止めるな!!!」
「シオンちゃんの決意は固そうだ。ごめんね!クロウもシオンちゃんの事が心配だから怒ってるんだ」
「親父は余計な事は言わなくていいんだよ!」
クロウの様子から心配してくれてる事がわかるので気にしていなかった。
「クロウ、心配してくれてありがとうね!」
視線を反らしながらクロウはまぁな、と答えた。
「でもシオンちゃんが戦うって事は………聞いたんだね?」
真顔になったクロウの両親を見て、シオンも頷いたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
???
「はぁはぁ!なんとか間に合ったみたい………盗賊団は明日やって来る。まずはここで誰も死なせないようにしないと………でもフィールは救えない。フィールの死でシオンを強くしないと…………ごめんね」
薄暗い森の中を駆け足で移動していた人物は、また闇の中へと消えていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんか書いていて狩人って何だろう?ってなった」
シオン
「普通に冒険者でも良いかも知れないですね」
愚者の声
「魔物が蔓延る中、食糧になる動物と魔物をメインで狩るのが【狩人】にしようか?」
シオン
「妥当ですわね」
愚者の声
「今後は定番の冒険者ランクの話も載せますね」
シオン
「私は最高のSランクですわよね?」
愚者の声
「それは後々の楽しみと言うことで」
(´・ω・`)
『よろしければ感想、お気に入り、よろしくお願いします!』
最初は些細な事からで、怪我をした時にシオンが元気になるように唄うと傷が治ったのだ。次に薬草採集など、なかなか探すのが難しい時に、気分転換に早く見付かるように唄うと視野が広くなり、感覚が研ぎ澄まされて普段は見落とし勝ちな物も、見付けやすくなっていたのだ。(シオンは気付いてない)
普通の歌人は、特別な【魔詞】を唄って力を発揮するが、シオンはどんな歌詞でも自分の気持ちによって【魔詞】を唄えるのでは?と結論に至ったのだ。今までは遊び半分で唄っていたが、ちゃんとした魔詞を唄わせたら?と実験を行った所、威力は想像以上だったという訳でした。
今後は自分で魔詞を作れるのか確認していく事になったが、今は目の前の問題に対応することにしよう。
「シオン、今唄わせた魔詞は【護りの唄】といって周囲の者達の防御力を2倍にする唄だ。しかし、シオンが唄うと3倍の効果があるみたいだね」
「おおっ!凄いぞ!私!?」
無邪気にはしゃぐシオンに頭を痛めつつ話を続ける。
「この唄は、一度聞かせれば1時間は持つ。盗賊団が襲ってくるときに皆に聞かせて欲しい。その後はすぐに避難だ!」
「もちろん!皆は私が守るよ!」
「はぁ~聞き分けが良いのか悪いのか…………本当に危険なんだよ?死人も出るだろう。本当にわかっているのかい?」
ギルマスが心配になって尋ねた。
「………大丈夫です。私が頑張れば犠牲を減らせるんですよね?」
その言葉にギルマスはやっと気付いた。シオンは理解した上で手伝ってくれるという事に………
「流石はカイン殿の娘さんだな。すまなかった!改めてお願いする。よろしく頼む!」
「はい!わかりました!」
こうして辺境にも関わらず、強力な【歌人】を手に入れたシルフィード領は盗賊団がいつ来ても大丈夫なように万全の態勢を築いていくのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
村が慌ただしく動いている時に、クロウが戻ってきた。クロウの両親も一緒だ。
「クロウ!戻ってきたのね!」
「シオンも大丈夫そうだな!」
数時間ぶりに会ったクロウにホッと胸を撫で下ろす。
「森まで冒険者が連絡に来てくれたんだ。ヤバい盗賊団が村を狙ってるってな」
「そうなんだ………」
クロウの家族は森にいて盗賊団の事を知らなかったから危なかったね!クロウの両親にも挨拶をした。
「急に戻って来てくれてすみません!」
森での活動を止めて戻って来てくれたクロウの両親に頭を下げるシオン。
「シオンちゃんのせいではないだろう?大丈夫だよ。愚息が来るまでに大物を仕留めたからね。でも小屋に置いておく備蓄の物資だけ運んでくれて、助かったよ」
クロウ達の両親は場合によっては何日も森の小屋で過ごす場合もあるので色々な物資の備蓄は大事なんだよね。クロウのお母さんの方は魔術師で小屋の周りを、定期的に【護りの魔法】で魔物払いをしているから小屋にゴブリンなどの魔物に悪用されないのよ。たまに冒険者ギルドに依頼もしているしね。
「シオンちゃんも大変な事になったわね。盗賊団に歌人がいるんでしょう?」
「そうみたいですね。冒険者さんが斥候を出して確認しに行ってます」
クロウがシオンの肩を叩いた。
「他の村人達は避難を始めているんだろう?お前はどうするんだ?」
クロウはシオンも避難すると思っている。しかし領主の娘である以上、なにかしらの役目を言い付けられるかもと予想したのだ。
「そだねー、まだ盗賊団が来ると決まっていないけど、足腰の弱い高齢者達は村外れの、隠れ家に移動を開始してるよ」
過去にスタンピード(魔物の大氾濫)が起きた時に、森とは反対側に外見は【物置小屋】の地下にシェルターを作ったのだ。トイレや食糧の備蓄もしてあり、村人全員は無理だが子供やお年寄りの人数なら収容出来る大きさなのだ。無論、村に来て間もない人には秘密にしてある。他の人はシオンの屋敷に避難する手筈になっている。シオンの屋敷の地下にも秘密のシェルターがあるのだ。
「そして私は………戦うよ!」
!?
「おい!いつものようにふざけている場合か!?危険なんだぞ!」
クロウは怒った様にシオンに言ったが、クロウの両親がそれを止めた。
「何だよ!親父!止めるな!!!」
「シオンちゃんの決意は固そうだ。ごめんね!クロウもシオンちゃんの事が心配だから怒ってるんだ」
「親父は余計な事は言わなくていいんだよ!」
クロウの様子から心配してくれてる事がわかるので気にしていなかった。
「クロウ、心配してくれてありがとうね!」
視線を反らしながらクロウはまぁな、と答えた。
「でもシオンちゃんが戦うって事は………聞いたんだね?」
真顔になったクロウの両親を見て、シオンも頷いたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
???
「はぁはぁ!なんとか間に合ったみたい………盗賊団は明日やって来る。まずはここで誰も死なせないようにしないと………でもフィールは救えない。フィールの死でシオンを強くしないと…………ごめんね」
薄暗い森の中を駆け足で移動していた人物は、また闇の中へと消えていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんか書いていて狩人って何だろう?ってなった」
シオン
「普通に冒険者でも良いかも知れないですね」
愚者の声
「魔物が蔓延る中、食糧になる動物と魔物をメインで狩るのが【狩人】にしようか?」
シオン
「妥当ですわね」
愚者の声
「今後は定番の冒険者ランクの話も載せますね」
シオン
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