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第4章:動乱の予感!
交渉は得意ですわ!………お兄様が(挿絵あり
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ビャクヤ族長に案内されて王宮の中を歩いて行く。
「ねぇ、気付いている?」
「ああ、すごい睨んでいる子がいるね」
ビャクヤを先頭に、シオン達の後ろをぞろぞろと兵士達も付いてきている。その中に、先ほどの歌人がすごく睨んで来ているのだ。
「私はまだ貴方達を信用していませんから!」
目が合ったとたんに、こんな事を言われました。
はぁ~幸先が不安です。
(いえ!自業自得ですから!)
お城の頂上近くまで登り謁見の間に着きました!ってか遠いよ!階段を登るのが疲れたよ!!!!永遠と螺旋階段を登って行く謁見の間って何よ!?
従来なら1階か、せめて2階ぐらいにあるのが普通でしょ!?
私がハァハァと息を切らせて登っているのに、お兄様はケロッと普通に歩いているのよ!?まったく、チート持ちはこれだからっ!
(あれ?チートってなんだろう?)
「さぁ、どうぞ!」
中に入るとお城の謁見の間と言うより、細長い楕円形のテーブルが置いてあり、会議室という感じだ。
「良くいらっしゃいました。亜人国の議長を務めますエルメスと言います」
「ワシは見ての通りドワーフの族長ガルムじゃ!」
「そして先ほど軽く挨拶したが、獣人族の族長ビャクヤだ」
三人に挨拶されて初めてトップが三人いることを知ったシオン達だった。
「突然の訪問でさぞ驚かせてしまい、申し訳ありませんでした。エルネシア王国のシルフィード辺境領の領主カイン・シルフィードの娘シオン・シルフィードです!こちらは兄で次期当主であるレイン・シルフィードでございます」
おおっ!いつものおちゃらけたシオンがまともな貴族の挨拶をしている!?だから台風が来るんだよ!!!
(後で愚者の声のやつシメる!)
するとレインも一歩前に出て挨拶をした。
「妹からご紹介頂いたレイン・シルフィードでございます」
「ほぅ、年齢の割にはしっかりした風貌ですな」
レインは、はにかんで要件を話した。
「………にわかに信じがたい事ですね」
「ダンジョン・マスターになって好きなダンジョンを構成、構築が出来るとは夢のような話しじゃな!?」
「食糧生産、鉱山鉱石、薬草類、全て自由に生産が出来るとは……確かに夢のような話しだ!」
急に言われても信じがたい話しである。
「それで、シルフィード家からの要望は技術者の斡旋なんですね?」
「はい、目の前に大量の鉱石などあるのですがそれを加工出来る職人が不足しております。当面の対応と、その後任を育てる技術者を融通して欲しいのです」
「ふむ……ワシらドワーフとしての意見でいえば受けても良いと思うのじゃが?」
「そうだな獣人族としても、まず確認をして安全なら受けても良いだろう」
「そうですね。確かにお話しが【本当】であればお受けしても良いと思いますわ。それで、報酬はいかほどなのですか?」
まだ話が決まっていない内から報酬の話を切り出したエルメス、それには訳があった。現在の亜人国の情勢は決して良いとは言えないのだ。
地図を見るとわかるが、亜人国は帝国と隣接している。そして帝国と亜人国は仲が悪い!帝国は獣人族を労働力としての奴隷としか思っておらず、エルフは性奴隷、ドワーフは優れた武具を安く買い叩けれる職人と考えられている。
度々、帝国から戦争を仕掛けられて、住民や兵士達が連れ去られる事件が起こっている。
ロード聖剣国は、名前の通り騎士国であり剣術だけで言えば周辺国随一だろう。スキルにより遠距離攻撃すら出来るのだ。
しかし、中立を貫いており敵でも無ければ味方でもない。ドワーフの武具のお得意様ぐらいしかない。
国力差から近年、段々と疲弊してきていた。故に、この提案は渡りに船だったのだ。
技術者の派遣で収入を得て、更に帝国の逆隣に同盟国が出来る事によって帝国に圧力も掛けられるだろう。
エルメスはこの時、知らなかったのだ。
帝国も神国などの大国がこぞってシオンを手に入れようとしている事を!そして、喉から手が出るほど国としての繋がりを欲している事を知らなかった………
「はい、本日は使者として来たので準備出来ませんでしたが、報酬は金銭でまずこれくらいを予定しています。正式に決まった後はより煮詰めていく予定ですので最低限は、と思って下さい」
ペラッと用意してあった用紙をエルメスに渡す
「えっ!?こんなに!………ですか?」
予想の金額より2倍は多かったので、声が高くなってしまった。
「多分、これよりもう少し出せると思いますよ?ただ、現在シルフィード領で港を急遽建設中でして………今後は貿易で、免税と希少鉱石の優先輸出を検討しています」
!?
「それは……!?」
「魅力的な提案ですな!」
最初は少し高めで提案し、最後の一押しに更に魅力的な提案をすることで交渉を上手くいくようにするテクニックを使い、シオン達の交渉はスムーズに進もうとした。そんな時、後方で声が上がった。
「待って下さい!こんな奴らの言うことを信じてはいけません!!!」
あの歌人のシルクと呼ばれた少女でした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「レイン君は腹黒だなぁ~」
シオン
「素晴らしいですわ♪」
愚者の声
「シオンには腹芸は無理だしなぁ~」
シオン
「何ですって!?」
愚者の声
「だってそうじゃんかよー」
シオン
「私にだって出来ますわ!」
愚者の声
「………へぇースゴイネ」
シオン
「むきぃーーーいですわ!!!!」
「ねぇ、気付いている?」
「ああ、すごい睨んでいる子がいるね」
ビャクヤを先頭に、シオン達の後ろをぞろぞろと兵士達も付いてきている。その中に、先ほどの歌人がすごく睨んで来ているのだ。
「私はまだ貴方達を信用していませんから!」
目が合ったとたんに、こんな事を言われました。
はぁ~幸先が不安です。
(いえ!自業自得ですから!)
お城の頂上近くまで登り謁見の間に着きました!ってか遠いよ!階段を登るのが疲れたよ!!!!永遠と螺旋階段を登って行く謁見の間って何よ!?
従来なら1階か、せめて2階ぐらいにあるのが普通でしょ!?
私がハァハァと息を切らせて登っているのに、お兄様はケロッと普通に歩いているのよ!?まったく、チート持ちはこれだからっ!
(あれ?チートってなんだろう?)
「さぁ、どうぞ!」
中に入るとお城の謁見の間と言うより、細長い楕円形のテーブルが置いてあり、会議室という感じだ。
「良くいらっしゃいました。亜人国の議長を務めますエルメスと言います」
「ワシは見ての通りドワーフの族長ガルムじゃ!」
「そして先ほど軽く挨拶したが、獣人族の族長ビャクヤだ」
三人に挨拶されて初めてトップが三人いることを知ったシオン達だった。
「突然の訪問でさぞ驚かせてしまい、申し訳ありませんでした。エルネシア王国のシルフィード辺境領の領主カイン・シルフィードの娘シオン・シルフィードです!こちらは兄で次期当主であるレイン・シルフィードでございます」
おおっ!いつものおちゃらけたシオンがまともな貴族の挨拶をしている!?だから台風が来るんだよ!!!
(後で愚者の声のやつシメる!)
するとレインも一歩前に出て挨拶をした。
「妹からご紹介頂いたレイン・シルフィードでございます」
「ほぅ、年齢の割にはしっかりした風貌ですな」
レインは、はにかんで要件を話した。
「………にわかに信じがたい事ですね」
「ダンジョン・マスターになって好きなダンジョンを構成、構築が出来るとは夢のような話しじゃな!?」
「食糧生産、鉱山鉱石、薬草類、全て自由に生産が出来るとは……確かに夢のような話しだ!」
急に言われても信じがたい話しである。
「それで、シルフィード家からの要望は技術者の斡旋なんですね?」
「はい、目の前に大量の鉱石などあるのですがそれを加工出来る職人が不足しております。当面の対応と、その後任を育てる技術者を融通して欲しいのです」
「ふむ……ワシらドワーフとしての意見でいえば受けても良いと思うのじゃが?」
「そうだな獣人族としても、まず確認をして安全なら受けても良いだろう」
「そうですね。確かにお話しが【本当】であればお受けしても良いと思いますわ。それで、報酬はいかほどなのですか?」
まだ話が決まっていない内から報酬の話を切り出したエルメス、それには訳があった。現在の亜人国の情勢は決して良いとは言えないのだ。
地図を見るとわかるが、亜人国は帝国と隣接している。そして帝国と亜人国は仲が悪い!帝国は獣人族を労働力としての奴隷としか思っておらず、エルフは性奴隷、ドワーフは優れた武具を安く買い叩けれる職人と考えられている。
度々、帝国から戦争を仕掛けられて、住民や兵士達が連れ去られる事件が起こっている。
ロード聖剣国は、名前の通り騎士国であり剣術だけで言えば周辺国随一だろう。スキルにより遠距離攻撃すら出来るのだ。
しかし、中立を貫いており敵でも無ければ味方でもない。ドワーフの武具のお得意様ぐらいしかない。
国力差から近年、段々と疲弊してきていた。故に、この提案は渡りに船だったのだ。
技術者の派遣で収入を得て、更に帝国の逆隣に同盟国が出来る事によって帝国に圧力も掛けられるだろう。
エルメスはこの時、知らなかったのだ。
帝国も神国などの大国がこぞってシオンを手に入れようとしている事を!そして、喉から手が出るほど国としての繋がりを欲している事を知らなかった………
「はい、本日は使者として来たので準備出来ませんでしたが、報酬は金銭でまずこれくらいを予定しています。正式に決まった後はより煮詰めていく予定ですので最低限は、と思って下さい」
ペラッと用意してあった用紙をエルメスに渡す
「えっ!?こんなに!………ですか?」
予想の金額より2倍は多かったので、声が高くなってしまった。
「多分、これよりもう少し出せると思いますよ?ただ、現在シルフィード領で港を急遽建設中でして………今後は貿易で、免税と希少鉱石の優先輸出を検討しています」
!?
「それは……!?」
「魅力的な提案ですな!」
最初は少し高めで提案し、最後の一押しに更に魅力的な提案をすることで交渉を上手くいくようにするテクニックを使い、シオン達の交渉はスムーズに進もうとした。そんな時、後方で声が上がった。
「待って下さい!こんな奴らの言うことを信じてはいけません!!!」
あの歌人のシルクと呼ばれた少女でした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「レイン君は腹黒だなぁ~」
シオン
「素晴らしいですわ♪」
愚者の声
「シオンには腹芸は無理だしなぁ~」
シオン
「何ですって!?」
愚者の声
「だってそうじゃんかよー」
シオン
「私にだって出来ますわ!」
愚者の声
「………へぇースゴイネ」
シオン
「むきぃーーーいですわ!!!!」
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