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41、単純なお二方

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「さあ、決着を付けましょう…」
「そうですね…」
 睨み合う二人。
 …一体どうしてこうなった?
 事の発端は、三時間前。




「来たぜ来たぜ、ブルーライドォォォォ!」
 俺がデート? の場所に選択したのは、空飛ぶ島、ブルーライド。そこは、観光名所としては穴場だが、かなり綺麗なところだ。本当は、結構値段の高い飛行船に乗って行くのだが、生憎俺達にはフィールがいる。
「ピューイ!」
 そう、今俺たちは空の上なのだ!
「うおぉぉぉぉぉ! 高くて気持ちィィィィィィ!」
「高い高い高いィィィィィ!」
「いやっはァァァァァァァ!」
 俺、フェイウ、セブンの順番ね。
 飛行船なら一時間かかるところを、俺たちは十分で到着した。
「はぁ、はぁ、し、死ぬかと思った…」
 飛行中ひたすら叫び続けていたフェイウ。心なしか、老けて見える。
「いやー、いつもじゃ体感できない速さでしたねー」
 ここで、ナナカ…じゃない、セブンが失言をしてしまった。
「…いつもじゃ体感できない速さって何?」
 コ、コイツ、いつもより鋭いところを突いてきやがるっ…!
「い、いや、実はコイツ、飛行の魔法使えるみたいなんだよっ…」
 話を合わせろとセブンにアイコンタクトを取った。するとセブンは――
「いやん、そんなに見つめられると照れちゃいますぅ〜」
 …コ、コイツ、しばき倒したろか…ッ。
「ええ、私は飛行の魔法、フェアリーフライが使えますよ」
 なんとか俺のアイコンタクトの意味を理解したようだ。
「へぇー、凄いんだね、セブンちゃん」
 フェイウは、単純だからか、完全に騙されている。
「い、いや〜、照れますねー」
 お前も単純だったか…。
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