中途半端な俺が異世界で全部覚えました

黒田さん信者

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67,MAギア

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67,
「さあ、これを見てくれ」
 そう言って鷹城のおっちゃんは、銀色のケースを取り出した。
「開けてみてくれ」
 言われるがままに蓋を開けてみると――
「……なんだこれ?」
 入っていたのは赤い金属でできたモノだった。
「これぞ我々が開発した、『Magic Assist Gear』通称MAギアだ!」
「MAギア?」
 俺が首をかしげると、鷹城のおっちゃんはMAギアを取り出した。
「まあ、つけてみてくれ」
「わかった」
 どうやら左腕に装着するらしい。
「こうかな?」
 ガチャ。
「これでいいのか?」
「ああ。そんで、タッチパネルに触れてみ」
 タッチパネル……どれ? これかな?
「そう。そしたら、ネリアの世界の言語で『認証しますか?』って出てきてるだろ? そこの下の、はいを選択してくれ」
 言われるがままに俺は、はいを選択した。
「オーケーだ。これでお前は、晴れてMAギアの使用者だ」
「はあ」
 いきなりMAギアの使用者って言われてもなー、実感わかないんだよな。しかもこれの使い方とかわかんないし。
「んじゃ、機能と、使い方の説明をすんぞ。まあ、俺がするわけじゃないんだがな。というわけで、りーちゃん、よろしく」
「えー? 面倒なとこだけ私ー? まあ、いいけどねー」
 梨沙がめんどくさそうに、ホワイトボードをゴロゴロ引っ張ってきた。
「じゃー、今から説明を始めまーす。その前に、ネリアくんにもんだいです。デデデン! 一般魔術の中で、特に習得の難しい系統はなんでしょー! さあ、お答え下さい!」
「うえぇぇ? えーっと……禁断魔法?」
「ファイナルアンサー?」
「ふぁいなるあんさー」
 ふぁいなるあんさーって何?
「はい、不正解ー! そもそも、禁断魔法は、一般の系統じゃ無いでしょー! 正解は、『回復系統』だよ!」
「……あー」
 忘れていた。回復系等の魔法は、習得の条件が鬼のようなことを。
「習得条件その一。水属性魔法の習得レベルが百を超えること。その二。精霊王の祝福を受けること。その三。使役精霊がいること。これが習得条件だよ」
「あー、確かにそんな感じだったな。で? このクイズにはどんな意味があ」
「もし、回復系統の初歩である『ヒール』が、このMAギアに搭載されているって言ったらどうする?」
「なっ……! じょ、冗談だよな?」
「ほんとだよー。これの凄さわかった?」
「ま、まあ、なんとなく……」
 原理はよくわからんが、すげぇな。
「魔法のスペルをデータ化して、プログラム組んで、それをMAギアに入力。そして最適化して、ネリアくんの魔力で使えるようにしたの。解った!?」
「うん、解らないけど凄いことがわかった」
「おっけー! なら実演いってみよー!」
「実演? 俺、どこも怪我してないんだが」
「さっき拾ったナイフあるでしょ? アレで指を少しだけ切ってみて」
「うぇー? 自傷行為?」
「いいからは・や・く、は・や・く!」
 めっちゃキラキラした目で見られた。
「わかったよ……いてっ」
 ぴりっとした痛みが走った。指先に赤い筋が浮かび上がってきた。
「ん、おっけ。じゃあ、使用魔法一覧ってとこからヒールを選択してみて」
「えーっと、これ?」
「そうそれ!」
 ヒールを選択すると、「ロード完了」の文字が。
「このままヒールって言えば発動するから」
「りょーかい。ほいヒール」
 すると、俺が一度しか見たことがない緑色の光の粒が、俺の左手から溢れだした。
「やった! 成功よ!」
「うっしゃ! これで次のステップに行けるぜ!」
 二人で大はしゃぎしている。
「治ったでしょ?」
「ああ、完璧だ」
 傷跡はどこにもない。
「じゃあ、次のステップに入るか」
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