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123,才能?
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123,
「なるほどー、バイトねぇ」
布志名さん改め、梨沙さんに私のお願いを話す。
「だめ、ですか?」
ここで断られると正直、望みがない。
「おっけー! 私に任せてっ!」
梨沙さんが指で丸を作る。
「本当ですか!? ありがとうございます!」
私は慌てて頭を下げる。
「別にいいんだよそんな、頭を下げなくても。だって私達もう友達でしょ?」
「り……梨沙さぁん!」
ひしっ! 私たちはお互いを抱き合った。
「でね、戸籍とか履歴とかは私の妹ってことでどうかな? ほら、こんな感じ」
さらさらと近くのメモ帳に色々と書いてくれた。
「えーっと、布志名 七香、十七歳。高校は市立花宮高校……うん、すっごくいい感じですね!」
なんて無理のない設定! まるでラノベのキャラクター設定みたい!
「高校の方には連絡しておくね。偽の書類とか作ってもらわないと。で、手続きとか処理とか色々かかるから、明日また来てくれる?」
「了解です! おじゃましました!」
頼もしい味方を手に入れたぞ!
「ねーえ、ご主人」
「んー? なんだよー」
私は梨沙と別れたあと、そのまま訓練終わりのご主人と合流した。で、ここはご主人の自室。無骨な部屋ですが、なかなかいいですね!
「ご主人は歌、得意ですか? もしよかったら、カラオケ行きましょうよ」
休日にご主人をカラオケに連れて行ってみたい、そんな思いで聞いてみる。
「そーだな、あんまし歌知らないんだよなぁー。ナナカがたまに歌ってるのを聞く程度かな?」
「ちぇー、せっかくご主人の歌唱力をチェックしようと思ってたのにー」
残念。せめて何曲か歌ってもらえるように私のCDを置いていこう。ワルキューレとか、ボカロとか。最初ボカロ聞いたらご主人びっくりするだろうなー。
「ごめんなー。あ、でも、ナナカの歌を聞きに行くんならついていくぜ」
もう、ご主人の歌を聞きたいんですってばー! でも、一緒にカラオケってのも悪くないですね?
「あぁ、ねみぃ……でも、寝たら夕飯が……」
睡魔と戦い始めたご主人を放置し、私はインバワルズからCDを取り出す。
「えーっと、これは外せないし、これも! あっ! これご主人好きそう!」
と、こんな調子で机に並べていたら、いつの間にかタワーを形成していた。てへ。
「もー、寝たらだめですよー?」
私はご主人の寝ているベットに飛び込む。
「このままだと襲っちゃいますよー?」
私はご主人に馬乗りになる。
「ん……む……眠い……」
そう言いながらご主人は私を引き寄せた。
「え、ちょっ」
私はバランスを崩し、ご主人に抱きしめられる。
「え? え? え?」
なにこのロマンティック展開! 少女漫画!
「ナナカも一緒に寝ようぜー、ほら、このベット、最高だろー」
寝ぼけているご主人にぎゅっと抱きしめられる。
「あわわわわわ」
か、顔から火が出そう……。
ご主人ってば、ダ・イ・タ・ン……なんてやる余裕はなく、ただひたすらに抱きしめられる。
い、意外と力、強いんですね……。
慌てて脱出を試みるも、全然脱出できる気配がない。
「か、かくなる上はっ!」
なんかだんだんとご主人の腕が胸に伸びてきている。これはマズいですよ! 全く、才能なしと言っておきながら、ラッキースケベの才能があるじゃないですかっ!
「逆に襲われちゃいますぅ!」
私は人間体を取るのを止め、妖精の姿に戻る。そうすれば私が縮むので、ご主人の束縛から逃れられるんですよ!
私の思惑通り、なんとか脱出に成功した。
「むにゃ……」
……完全に深い眠りに落ちましたね。
「もう、知らないっ! ですよ!」
私をびっくりさせた罰です! 晩ご飯抜きで、ひもじい思いをするがいいですよ!
……でも、すっごいときめいた……。
「なるほどー、バイトねぇ」
布志名さん改め、梨沙さんに私のお願いを話す。
「だめ、ですか?」
ここで断られると正直、望みがない。
「おっけー! 私に任せてっ!」
梨沙さんが指で丸を作る。
「本当ですか!? ありがとうございます!」
私は慌てて頭を下げる。
「別にいいんだよそんな、頭を下げなくても。だって私達もう友達でしょ?」
「り……梨沙さぁん!」
ひしっ! 私たちはお互いを抱き合った。
「でね、戸籍とか履歴とかは私の妹ってことでどうかな? ほら、こんな感じ」
さらさらと近くのメモ帳に色々と書いてくれた。
「えーっと、布志名 七香、十七歳。高校は市立花宮高校……うん、すっごくいい感じですね!」
なんて無理のない設定! まるでラノベのキャラクター設定みたい!
「高校の方には連絡しておくね。偽の書類とか作ってもらわないと。で、手続きとか処理とか色々かかるから、明日また来てくれる?」
「了解です! おじゃましました!」
頼もしい味方を手に入れたぞ!
「ねーえ、ご主人」
「んー? なんだよー」
私は梨沙と別れたあと、そのまま訓練終わりのご主人と合流した。で、ここはご主人の自室。無骨な部屋ですが、なかなかいいですね!
「ご主人は歌、得意ですか? もしよかったら、カラオケ行きましょうよ」
休日にご主人をカラオケに連れて行ってみたい、そんな思いで聞いてみる。
「そーだな、あんまし歌知らないんだよなぁー。ナナカがたまに歌ってるのを聞く程度かな?」
「ちぇー、せっかくご主人の歌唱力をチェックしようと思ってたのにー」
残念。せめて何曲か歌ってもらえるように私のCDを置いていこう。ワルキューレとか、ボカロとか。最初ボカロ聞いたらご主人びっくりするだろうなー。
「ごめんなー。あ、でも、ナナカの歌を聞きに行くんならついていくぜ」
もう、ご主人の歌を聞きたいんですってばー! でも、一緒にカラオケってのも悪くないですね?
「あぁ、ねみぃ……でも、寝たら夕飯が……」
睡魔と戦い始めたご主人を放置し、私はインバワルズからCDを取り出す。
「えーっと、これは外せないし、これも! あっ! これご主人好きそう!」
と、こんな調子で机に並べていたら、いつの間にかタワーを形成していた。てへ。
「もー、寝たらだめですよー?」
私はご主人の寝ているベットに飛び込む。
「このままだと襲っちゃいますよー?」
私はご主人に馬乗りになる。
「ん……む……眠い……」
そう言いながらご主人は私を引き寄せた。
「え、ちょっ」
私はバランスを崩し、ご主人に抱きしめられる。
「え? え? え?」
なにこのロマンティック展開! 少女漫画!
「ナナカも一緒に寝ようぜー、ほら、このベット、最高だろー」
寝ぼけているご主人にぎゅっと抱きしめられる。
「あわわわわわ」
か、顔から火が出そう……。
ご主人ってば、ダ・イ・タ・ン……なんてやる余裕はなく、ただひたすらに抱きしめられる。
い、意外と力、強いんですね……。
慌てて脱出を試みるも、全然脱出できる気配がない。
「か、かくなる上はっ!」
なんかだんだんとご主人の腕が胸に伸びてきている。これはマズいですよ! 全く、才能なしと言っておきながら、ラッキースケベの才能があるじゃないですかっ!
「逆に襲われちゃいますぅ!」
私は人間体を取るのを止め、妖精の姿に戻る。そうすれば私が縮むので、ご主人の束縛から逃れられるんですよ!
私の思惑通り、なんとか脱出に成功した。
「むにゃ……」
……完全に深い眠りに落ちましたね。
「もう、知らないっ! ですよ!」
私をびっくりさせた罰です! 晩ご飯抜きで、ひもじい思いをするがいいですよ!
……でも、すっごいときめいた……。
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