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142,ガーディアンズプロトコル
しおりを挟む「ガーディアンズプロトコル?」
私が聞いたことのない名前が出てきた。
「魔法、及び、異能に関する事件、しかも危険度が高いときに発令される緊急オペレーションです。この件に関しては、まだ情報が少ないので、第一セクションとして、対異能部隊『ミストファング』の招集を開始します」
そう言って布志名さんは忙しそうに電話をあちこちにかけ始めた。
「あ、失礼します、私、自衛隊の布志名です、はい、お久しぶりです。あの、実は、MFの招集をお願いしたいのですが……はい、わかりました。よろしくお願いします、では」
どうやらさっき言っていた部隊のメンバー集めを開始したようだ。
「ナナカさん、あなたにもお願いしたいことがあるのですが」
電話を終えた布志名さんが自衛隊の大きなジープから、パソコンを取り出した。
「MFは戦いを目的とした部隊ではありません。主に、主力となるストライカーたちの支援が目的です。で、そのストライカーなのですが」
薄型のパソコンを開き、あるファイルを開く。
「我々側のストライカーは最大で四人です。ソア・クラナド・レイズ、布志名 梨沙、布志名 美沙、そして――ネリア・ハラベスト」
布志名さんが開いたファイルには、しっかりとご主人が記載されていた。
「ご主人も入っているんですか!?」
私はご主人の名前が入っていた事に驚き、目を見開く。
「ええ。この世界の魔術要員は二人だけ。私の母と、私。それに、ソアがいるけれど、これでは足りない。今は、猫の手も借りたいほどなのです」
で、でもご主人にこんな大役果たせるのかな――?
「大丈夫ですよナナカさん。これは最悪のケースになったときだけ。ストライカーは基本動員しません」
柔和な笑みで私を安心させてくれる布志名さん。
「さ、では、私たちは私達で仕事をしましょうか!」
急に笑顔になり、口調が変わった布志名さん。
「何事もまずは行動を起こさなきゃね! ということで!」
「こ、ここが布志名さんのお部屋……」
連れてこられたのは、自衛隊の基地にある布志名さんの私室でした。
「今お茶を入れるからねー」
「あ、お構いなく……」
凄い……この部屋、女子力の塊だよ! ルームフレグランスも気にならない程度の控えめな香りだし、壁紙の色も、落ち着きのある水色。センスがある部屋というのは、こういう部屋なんでしょうねー。
「ハーブティーだけど、ミルクを淹れて飲むと美味しいよ」
布志名さんはすでに仕事着の制服から着替え、ゆったりとしたルームウェアに着替えている。
「あ、おいしい……」
ほんのりと甘く、爽やかなハーブの香りが鼻を抜ける。渋みやエグみなどの雑味を感じさせず、かつ、ハーブの少しピリッとした刺激を楽しめる。
「よかったー、これ、私がブレンドしたの」
「これをですか?」
「そー、調合したら、奇跡的に美味しくなったの」
はぅ、女子力の塊……いつものできる女の姿からは想像もできなかった。
「で、私がなぜここに戻って来たかというと」
ごそごそとベッドの近くの棚を漁る。
「あったあった。これを見て」
布志名さんの手にあったのは、DVDだった。
「今から再生するね」
ガーッとDVDプレイヤーに白い円盤が吸い込まれていく。
「それじゃ再生! ぽちっ!」
「……あー、あー、映っとるか? わしじゃ、ソアじゃ」
「ソ、ソア様!?」
なんとそのDVDに映っていたのは、ソア様だった。
「リサ、久しぶりじゃな。元気にしとるか? わしは元気じゃ。まあ、変な病を患っておるが……ええい! そんなことはどうでも良い! リサよ、ついにわしらが数年前に交わした約束が果たされるときが来た。いや、来てしまったというのが正しいのかもしれん。とにかく、弟子の指導を頼む。徹底的にしごいて、短期間で強くしてくれ。名前はネリア・ハラベスト。最弱の才能無しじゃ。なんの才能もあやつからは感じられん。いや、一つあっ……た……なんでもない。まあ、お主の魔術と、自衛隊仕込みの体術やら射撃やらを教えてやってくれ。そしてもう一つ」
ふいに、ソア様の目が私のいる方向を向いた気がした。
「わしの生み出した娘、ナナカのナンバーズ習得を手伝ってくれ。末っ子のナナカだけ、まだナンバーズを習得出来ていないのじゃ。じゃが、習得したら、確実に戦力になる。ナンバーズの中で最強じゃ。本人はそんな自覚ないと思うのじゃがの。では、また会おうぞ!」
布志名さんが映像を停止させた。
「はい、これがソアからのお願い、ナンバーズの習得。それを私がサポートします!」
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