中途半端な俺が異世界で全部覚えました

黒田さん信者

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163,行動開始!

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俺の呼びかけに応じてくれたリーヴァが、今、顕現する!
「ご主人様、お呼びですか?」
 隠密の結界内でないと、確実に気づかれてしまうレベルの轟音を立て、召喚されたリーヴァ。
「ああ。この状況、一人でも戦力が欲しい」
 相手は六人。梨沙と俺で、二対六とか洒落にならない。
「察しました。つまり、あの人質の方たちを救出するのですね?」
「正解。察しが良くて助かるぜ」
 梨沙もマルバスを召喚できたようだ。
「主よ、話はだいたいわかった。どうやって突撃する? 我の真の姿なら、瞬殺が可能だが」
「ダメダメ! こんな公の場で! しかも相手は銃を持ってるから、人質が撃たれちゃうよ!」
「むぅ……無念」
 残念そうに首を横に振るマルバス。
「あー、そうだ! クロスユニゾンならどうだ?」
 俺は残念ながらまだ、クロスユニゾンを習得していないが、梨沙なら!
「うーん……厳しいと思う。私とまーくんのクロスユニゾンはスピードタイプじゃ無いから、この結界から出てすぐに攻撃に移れない。それに、本当に人質を取られたのが厄介! せめてあの銃を無効化出来たら……」
 ……ダメか……。
「あの手に持っているものを、無効化できればよろしいのですか?」
 リーヴァがおずおずと手を挙げる。
「うん、出来たらかなり楽になるけどできるの?」
「はい。あの方たちの手から、あの黒いものを落とさせることなら可能ですが、十秒程度の時間稼ぎにしかなりません」
「おっけーおっけー! 十分! それなら十分勝機はある! ただ」
 ちらりと、俺を申し訳なさそうに見る。
「そうすると、ネリア君の負担がかなり大きいの。というより、ネリア君一人が危険に晒される」
「……なるほどね」
 一人の危険で、みんなを救えるなら、俺はそれに賭けたい。
「ネリア君一人で、六人全員を相手しなくちゃいけなくなるんだけど、流石に厳しいよね……銃もあるし……」
「……いや、大丈夫だ」
 俺は自然と口を開いていた。
「師匠に、ソアさんに鍛えてもらった。自衛隊で鍛えた。梨沙とも鍛えた。超一流の教官様がたに教わってきたんだ、この程度乗り越えてみせる!」
 少し虚勢を張ったものの、俺は行けると思っている。
「でも、銃があるんだよ? 流石に無理じゃない?」
「それは……」
 確かに銃は怖い。
「まあでも、見た感じ、奥の男以外、みんな武器に慣れていない。多分、撃ったことも無いんじゃ無いかな? しかも、奥の男は銃を所持していない。最初の突撃で、三人倒せれば、行けるかもしれない」
 梨沙は持っていたハンドバックから、口紅と、メモ用紙を取り出し、そのメモ用紙に口紅で何かをつらつら書き始めた。
「三発。三発だけ防げるようにしてあげる」
 梨沙は指を三本立てた。
「撃たれないっていうのを前提条件とするけど、撃たれたらこの作戦は失敗。ネリアくんは多分撃ち殺される。それを防ぐために……よし、一枚完成!」
 そして、そのメモ用紙を俺の背中に貼る。
「これは鉄鋼符。強い衝撃を感じた瞬間、自動発動するから」
「鉄鋼符?」
「そう、鉄鋼符。この護符は、体を硬化させる。並大抵の銃弾じゃ貫通できない。でも、衝撃は殺せないから注意して」
 す、すげえ……。
 その後も梨沙は着々と鉄鋼符を書いていき、俺の背中に貼った。
「これ以上は、口紅が無いから作れない。まあでも、これだけでも安心でしょ?」
「ああ、ありがとう!」
 一発も喰らいたくはないが、これで少しは無茶ができる!
「……無茶はしないこと。そして、死なないこと」
 梨沙の真剣な目。しかし俺はその願いに応えることは出来ない。
「ごめん。それは無理だ」
「ッ!? どうして!?」
「……ヴィーオも無い今、あの奥の男は俺よりも確実に格上だ。無茶しないと勝てない」
「…………わかった。無茶はしてもいいから、でも、ぜーったいに死なないで!」
「おうよ。ささっと片付けるから」
 負けてたまるか。




「じゃあ、作戦を始めるわよ」
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