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生死の間の町
005
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「なんつーか、ふっつーの街だな」
文弘は煙草を咥えながら呟く。
「田舎って感じ」
「田舎ですよ。コンビニなんてありませんし、こっちの方は。繁華街の方に二店舗くらいありますが」
理緒は繁華街のある方を指す。
「あっちはメイン通りみたいな感じで、ここの市長がやっている社会復帰施設があります」
「市長が? へえ……」
「うちの市長は凄いですよ。色々な問題を抱えている人たちを支えていますからね」
「ほぅ。それは凄いな。そんな凄い人、一度は見てみたいもんだ」
「先生にも会ってほしいです。が、この時期は市長はいつも忙しくて街にあまりいないんですよね」
「ふうん」
「そのうち会えると思いますから、話をしてみてください。是非」
「ん」
文弘は頷き、先の方にある大きな屋敷を見る。
「あの屋敷は?」
「あれは南条家。この街の地主というか、この街の持ち主です」
「持ち主?」
「ここは南条家の土地なんです。全部」
「マジか」
「マジです。そこの当主が僕の友人の南条由一。アホです」
「アホなんだ」
「アホです。というかデリカシーのない男です」
行ってみますか? と、理緒が訊くと。
行ってみる、と文弘は頷く。
「何かしら得られそうだ」
文弘は煙草を咥えながら呟く。
「田舎って感じ」
「田舎ですよ。コンビニなんてありませんし、こっちの方は。繁華街の方に二店舗くらいありますが」
理緒は繁華街のある方を指す。
「あっちはメイン通りみたいな感じで、ここの市長がやっている社会復帰施設があります」
「市長が? へえ……」
「うちの市長は凄いですよ。色々な問題を抱えている人たちを支えていますからね」
「ほぅ。それは凄いな。そんな凄い人、一度は見てみたいもんだ」
「先生にも会ってほしいです。が、この時期は市長はいつも忙しくて街にあまりいないんですよね」
「ふうん」
「そのうち会えると思いますから、話をしてみてください。是非」
「ん」
文弘は頷き、先の方にある大きな屋敷を見る。
「あの屋敷は?」
「あれは南条家。この街の地主というか、この街の持ち主です」
「持ち主?」
「ここは南条家の土地なんです。全部」
「マジか」
「マジです。そこの当主が僕の友人の南条由一。アホです」
「アホなんだ」
「アホです。というかデリカシーのない男です」
行ってみますか? と、理緒が訊くと。
行ってみる、と文弘は頷く。
「何かしら得られそうだ」
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