58 / 96
第2章
演技する必要は無い
しおりを挟む
他の連中の配役も決まり、これから本格的に劇の練習が始まる。
「じゃあ、配役も決まったから、今日はこの辺で終わりにしましょう」
佐伯の号令で解散した。
さて、役も決まったことだし。後は練習するしかないだろう。
でも、片野の演技指導って厳しいのかな?
イヤだな~っ、有名演出家みたいに、灰皿とか投げつけるんじゃないのか?
「蜷川幸雄じゃないんだから!」
あっ、梅!
今日は出てこないと思ったら、出てきたのかよ!
って言うか、お前少し影薄くないかw
「うるさいわねっ!影が薄いんじゃなく、あなたの自主性に任せるって言ったでしょ!」
なら、しばらく出てくるなよ!
「ねぇねぇ、これから演技の練習とかするの?」
「知らんよ。今日はこのまま解散だろ」
さて、帰って何しようかな。
「あの…」
ん?
デザイアーか。何だ?
「私…出来るかな?」
んー…解らん!
「片野が選んだんだから、自信もってやれば大丈夫だよ!」
でも、よりによってデザイアーを主役って…
そもそもデザイアーがセリフを言えるのかよ?
見ての通りコミュ障だし、人前で演技なんて無理だろう。
何を考えてんだ、片野は。
「恵、これから少し芝居の勉強しよう。そうだ、金澤くん達も一緒に来る?」
早速、演技指導かよ?
「まぁ、別に用事も無いからいいけど」
「オレも」
「じゃあ、オレも」
「うん、了解」
「じゃ、私も!」
優季まで?
「それじゃ、何処で集まろうか?」
「オレん家は狭いからダメだぜ」
「ウチもちょっとなぁ…」
この人数じゃ、広い所じゃないと無理だろ。
「じゃあ、ウチに来いよ。ウチの母ちゃんこの時間はいないし」
龍也のウチか。
「じゃあ、龍也のウチに集合しよう」
「わかった!」
オレたちは一旦帰り、着替えてから龍也のウチに集合した。
「さてと、皆集まったのはいいんだが、片野。どういう風に芝居をすればいいんだ?」
芝居なんて出来るかな、オレたちが…
「私の演技指導なんだけど…アドバイスするのは1つだけ」
1つだけ?
「で、それは何なんだよ?」
泰彦はマネージャーの役だったか。
「それはね、皆は演技なんかしなくていいの。今のままで十分」
『何だって?』
そりゃ、一斉に言うわな。
しかも、演技するな、とは…?
片野は話を続けた。
「だって、今から演技するったって、所詮は付け焼き刃なんだし、それなら、演技なんかしない方がいいの」
「でも、それじゃ役を演じる事は出来ないだろ!」
「そうだよ、謙司の言う通りだよ」
「悠、どういう事なの?」
優季もどうすりゃいいのか、解らないみたいだ。
「そりゃ、セリフは言わなきゃならないけど、必要以上に演技をする事は無いの。いい?皆は自分のやりたいようにやればいいの」
「言ってる事がよく解んねえんだけど、自分らしく普段通りにやれってか?」
「そう、金澤くんの言う通り、演技にこだわらないで、自由にやればいいの。後の事は私に任せて」
何だか…片野が物凄い、頼り甲斐のある人物に思えてくるんだが…
「悠、私普段通りにしろって言われても…舞台に立つんだよ?キンチョーするじゃない!」
優季だけじゃない、オレたちだってキンチョーする。
「大丈夫だって!皆心配し過ぎ!」
「はぁ…」
ふと、隣のデザイアーを見た。
「ゲッ!デザイアー、既にガッチガチにキンチョーしてるじゃん!」
デザイアーはカチコチに固まっていた。
これで大丈夫なのだろうか?
「じゃあ、配役も決まったから、今日はこの辺で終わりにしましょう」
佐伯の号令で解散した。
さて、役も決まったことだし。後は練習するしかないだろう。
でも、片野の演技指導って厳しいのかな?
イヤだな~っ、有名演出家みたいに、灰皿とか投げつけるんじゃないのか?
「蜷川幸雄じゃないんだから!」
あっ、梅!
今日は出てこないと思ったら、出てきたのかよ!
って言うか、お前少し影薄くないかw
「うるさいわねっ!影が薄いんじゃなく、あなたの自主性に任せるって言ったでしょ!」
なら、しばらく出てくるなよ!
「ねぇねぇ、これから演技の練習とかするの?」
「知らんよ。今日はこのまま解散だろ」
さて、帰って何しようかな。
「あの…」
ん?
デザイアーか。何だ?
「私…出来るかな?」
んー…解らん!
「片野が選んだんだから、自信もってやれば大丈夫だよ!」
でも、よりによってデザイアーを主役って…
そもそもデザイアーがセリフを言えるのかよ?
見ての通りコミュ障だし、人前で演技なんて無理だろう。
何を考えてんだ、片野は。
「恵、これから少し芝居の勉強しよう。そうだ、金澤くん達も一緒に来る?」
早速、演技指導かよ?
「まぁ、別に用事も無いからいいけど」
「オレも」
「じゃあ、オレも」
「うん、了解」
「じゃ、私も!」
優季まで?
「それじゃ、何処で集まろうか?」
「オレん家は狭いからダメだぜ」
「ウチもちょっとなぁ…」
この人数じゃ、広い所じゃないと無理だろ。
「じゃあ、ウチに来いよ。ウチの母ちゃんこの時間はいないし」
龍也のウチか。
「じゃあ、龍也のウチに集合しよう」
「わかった!」
オレたちは一旦帰り、着替えてから龍也のウチに集合した。
「さてと、皆集まったのはいいんだが、片野。どういう風に芝居をすればいいんだ?」
芝居なんて出来るかな、オレたちが…
「私の演技指導なんだけど…アドバイスするのは1つだけ」
1つだけ?
「で、それは何なんだよ?」
泰彦はマネージャーの役だったか。
「それはね、皆は演技なんかしなくていいの。今のままで十分」
『何だって?』
そりゃ、一斉に言うわな。
しかも、演技するな、とは…?
片野は話を続けた。
「だって、今から演技するったって、所詮は付け焼き刃なんだし、それなら、演技なんかしない方がいいの」
「でも、それじゃ役を演じる事は出来ないだろ!」
「そうだよ、謙司の言う通りだよ」
「悠、どういう事なの?」
優季もどうすりゃいいのか、解らないみたいだ。
「そりゃ、セリフは言わなきゃならないけど、必要以上に演技をする事は無いの。いい?皆は自分のやりたいようにやればいいの」
「言ってる事がよく解んねえんだけど、自分らしく普段通りにやれってか?」
「そう、金澤くんの言う通り、演技にこだわらないで、自由にやればいいの。後の事は私に任せて」
何だか…片野が物凄い、頼り甲斐のある人物に思えてくるんだが…
「悠、私普段通りにしろって言われても…舞台に立つんだよ?キンチョーするじゃない!」
優季だけじゃない、オレたちだってキンチョーする。
「大丈夫だって!皆心配し過ぎ!」
「はぁ…」
ふと、隣のデザイアーを見た。
「ゲッ!デザイアー、既にガッチガチにキンチョーしてるじゃん!」
デザイアーはカチコチに固まっていた。
これで大丈夫なのだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる