41才の中学二年生(改訂版)

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1990年だと?

紛らわしい名前、森高千春

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「おぉ~いっ!誰か来てくれ~っ!助けてくれ~っ!」

何でこんな格好で、拘束されなきゃなんないんだ?

「おい、ジジイ!いるんだろ?早くこのロープをほどけっ!」

…返事が無い。
まさか、オレの揚げパン食ってるんじゃ。

「誰かっ!誰かいないのかよ!このロープほどいてくれよ~~っ!!」


シーン…

そうか…給食の時間だから、各教室で揚げパン食ってんだろな…

うぅ、揚げパン食いたかったよ~…

でも、保健の教師は何処で給食食べてるんだ?

てっきり、保健室で食ってるもんだと思ったけど、違うのか…

…それより、前が見えない!何だ、この貼り紙は!

泰彦のヤロー、キョンシーみたいにおでこに貼り付けやがって!

…オレ41才なんだぞ!バカボンのパパとタメなんだぞ!

何が悲しくて、ベッドで拘束されなきゃなんないんだよ?


ガラガラっ

おっ、誰か来た。

「誰か、このロープほどいてくれよ!」

大声で叫んだ。

「えっ、何々?誰かいるの?」

女の声がして、カーテンを開けた。

「キャッ!何、これ?」

カーテンを開けたのは保健の先生。誰だっけ?

「何、これじゃなくて!この、ロープほどいてよ~っ!」

「何なの、これは一体?」

オレの姿を見て驚いた。

そりゃ、誰だって驚くよ。


「こっちが聞きたいよ、何なんだ一体!」

声の主は貼り紙に書かれている文字を読んだ。

「何かに取り憑かれる?身体の隅々まで検査してください?…はぁ、何なのこれは?何のイタズラ?」

先生は貼り紙を一気に剥がした。

「痛っ、毛が抜けるじゃん!もうちょっと、優しく剥がせよ…って、…あっ!森高センセ~?」

保健の教師、森高千春(もりたかちはる)

紛らわしい名前は、この年にブレイクした森高千里と間違えやすい。

あくまでも、名前のみ間違いやすいだけで、容姿や年齢は全く違う。

森高千里は、ミニスカートで脚線美を披露していたが、この先生、年齢はアラフォーで、脚線美どころか、豊満過ぎて似ても似つかない!

アラフォーと言うと、オレと同世代?

…同世代ねぇ。

お世辞にも、同世代に見えない…

オレより4,5才は上に見えるぞ。

…いや、そんな事はどうでもいいから、早くロープを解けよ、ポッチャリ森高!

「何でこうなってるワケ?」

呆れた顔で腰に手を当てていた。

チャンピオンベルト巻いたら、悪役の女子プロレスラーみたいだなw

「給食すら食ってないのに、泰彦達に拉致られてここでロープで縛り付けられたんだよ。
センセー!オレ、腹減って何も食ってないんだよ」

こうなった経緯を偽森高に話した。

「給食食べてないの?」

食えるワケ無いだろ、こんな状況で!

「そうだよ、給食食おうとしたら、泰彦と龍也とチャッピーに連れられて、ここに来たんだから」

だからオレの分の揚げパン持ってきてくれ~っ!

「じゃ、ちょっと待ってなさい」

そう言って、保健室を出て行った…

「おい!まずロープを解け、偽森高!」

いつまで、この格好でいなきゃなんないんだよ…

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