34 / 140
交流戦
チャラ男の復活
しおりを挟む
前置きが長くなってしまったが、ここバーチーヤンキースタジアムでは試合前ヤンキースの選手達がフリーバッティングで快音を響かせている。
バッティングゲージの後方では、守山と陳がその様子を見る。
時には選手に身振り手振りでアドバイスする。
すると
「よぉ~っ、ボス猿にチャイナ!元気だったかぁ~?」
と陽気な声が。
「アァっ!!」
「是誰?(誰だ?)」
2人が振り向いた。
「おいっす!久しぶりだな、おいっ!」
榊だった。
「何の用だ、えーっ!」
「コイツか…顔も見たくないネ」
「何だよ、何だよ!久しぶりだってのに、随分と冷たいじゃねぇかよ!」
守山と陳にこんなに馴れ馴れしく話し掛ける事が出来るのは榊ぐらいだ。
現役を引退したとはいえ、守山の迫力は全く変わらない。
下手な事でも言えば、ぶっ飛ばされるんじゃないかという、恐ろしいオーラを身に纏っている。
「お前とダチになった覚えは無い!馴れ馴れしく話し掛けるなっ!」
「到那邊去吧(あっち行け)」
この2人、四六時中ピリピリしている。
真面目な選手だったら萎縮してしまうのだが、ヤンキー揃いの面々はそんな事お構い無しだ。
「そんな事言うなよ、こうして旧友がこんなへんぴな場所まで会いに来たんだからさぁ~」
現役時代、榊はヤンキースキラーとして知られ、ビジターでもあるバーチーヤンキースタジアムでは実に八割の勝率を誇る。
守山と陳にとっては、忌々しい人物だ。
「何だとっ!バーチーの文句はオレに言え!」
守山の口癖だ。
断っておくが、守山はバカではない。
ただ、これが口癖なだけだ。
「朋友(ポンヨウ※陳は守山をそう呼ぶ)こんなヤツ、相手にする必要は無いネ」
「分かってるよ、青幇(チンパン※守山は陳をそう呼ぶ。しかし、陳は台湾出身で青幇とは無関係)」
このやり取りを見て、榊は腹を抱えて笑った。
「ギャハハハハハハハwww相変わらずだな、おいっ!オマエらサイコーのバカコンビだなw」
「何ぃ!」
「揍你一頓!(ぶっ飛ばすぞ!)」
「おぉ、おっかねぇ!とにかく、今日はオレの為に敗けてくれよなぁ~」
そう言うと、榊はベンチに戻った。
「あのヤロー!ナメやがって!」
「滅多打ちにしてやるネ!」
グランドが整理され、いよいよ試合開始だ。
インターカンファレンスは、アポロリーグの本拠地では指名打者制で、ネプチューンリーグでは投手が打席に立つ。
この試合は指名打者制で行われる。
ヤンキースの先発は右の横田。
対するスカイウォーカーズの先発は左の佐藤。
佐藤はプロ13年目の35才。投手では最年長だ。
左の軟投派で140kmに満たない直球だが、カーブ、スライダー、そしてウイニングショットのスクリューボールで打たせて取る投球が持ち味だ。
打順は大幅な変更は無いが、ケガから復帰した17年目のベテラン、34才の畑中 拓哉(はたなかたくや)が6番指名打者に。
畑中はスカイウォーカーズ一筋の外野手で、走攻守三拍子揃った中距離ヒッターだ。
去年の開幕戦で右アキレス腱を断裂するというアクシデントに見舞われ、昨シーズンは治療に専念した。
過去には新人王、首位打者、トリプルスリー(3割 30本塁打 30盗塁)を達成。
弱小スカイウォーカーズを牽引した。
しかし私生活は飲む打つ買うの、これまた三拍子揃った遊び人。
朝方までクラブで派手に遊び、二日酔いでしかもお持ち帰りした女性同伴で球場入り。
酒臭い息を吐きながら、5打数5安打という離れ業をやってのける。
茶髪にあご髭、ピアスにシルバーアクセのチョーカーにブレスレットという、チャラいスタイル。
徹底した自己管理をする選手が多い今の野球界で、昭和の匂いがする天才プレイヤーだ。
このチャラ男がどんな活躍をするのか。
間もなくプレイボールだ。
バッティングゲージの後方では、守山と陳がその様子を見る。
時には選手に身振り手振りでアドバイスする。
すると
「よぉ~っ、ボス猿にチャイナ!元気だったかぁ~?」
と陽気な声が。
「アァっ!!」
「是誰?(誰だ?)」
2人が振り向いた。
「おいっす!久しぶりだな、おいっ!」
榊だった。
「何の用だ、えーっ!」
「コイツか…顔も見たくないネ」
「何だよ、何だよ!久しぶりだってのに、随分と冷たいじゃねぇかよ!」
守山と陳にこんなに馴れ馴れしく話し掛ける事が出来るのは榊ぐらいだ。
現役を引退したとはいえ、守山の迫力は全く変わらない。
下手な事でも言えば、ぶっ飛ばされるんじゃないかという、恐ろしいオーラを身に纏っている。
「お前とダチになった覚えは無い!馴れ馴れしく話し掛けるなっ!」
「到那邊去吧(あっち行け)」
この2人、四六時中ピリピリしている。
真面目な選手だったら萎縮してしまうのだが、ヤンキー揃いの面々はそんな事お構い無しだ。
「そんな事言うなよ、こうして旧友がこんなへんぴな場所まで会いに来たんだからさぁ~」
現役時代、榊はヤンキースキラーとして知られ、ビジターでもあるバーチーヤンキースタジアムでは実に八割の勝率を誇る。
守山と陳にとっては、忌々しい人物だ。
「何だとっ!バーチーの文句はオレに言え!」
守山の口癖だ。
断っておくが、守山はバカではない。
ただ、これが口癖なだけだ。
「朋友(ポンヨウ※陳は守山をそう呼ぶ)こんなヤツ、相手にする必要は無いネ」
「分かってるよ、青幇(チンパン※守山は陳をそう呼ぶ。しかし、陳は台湾出身で青幇とは無関係)」
このやり取りを見て、榊は腹を抱えて笑った。
「ギャハハハハハハハwww相変わらずだな、おいっ!オマエらサイコーのバカコンビだなw」
「何ぃ!」
「揍你一頓!(ぶっ飛ばすぞ!)」
「おぉ、おっかねぇ!とにかく、今日はオレの為に敗けてくれよなぁ~」
そう言うと、榊はベンチに戻った。
「あのヤロー!ナメやがって!」
「滅多打ちにしてやるネ!」
グランドが整理され、いよいよ試合開始だ。
インターカンファレンスは、アポロリーグの本拠地では指名打者制で、ネプチューンリーグでは投手が打席に立つ。
この試合は指名打者制で行われる。
ヤンキースの先発は右の横田。
対するスカイウォーカーズの先発は左の佐藤。
佐藤はプロ13年目の35才。投手では最年長だ。
左の軟投派で140kmに満たない直球だが、カーブ、スライダー、そしてウイニングショットのスクリューボールで打たせて取る投球が持ち味だ。
打順は大幅な変更は無いが、ケガから復帰した17年目のベテラン、34才の畑中 拓哉(はたなかたくや)が6番指名打者に。
畑中はスカイウォーカーズ一筋の外野手で、走攻守三拍子揃った中距離ヒッターだ。
去年の開幕戦で右アキレス腱を断裂するというアクシデントに見舞われ、昨シーズンは治療に専念した。
過去には新人王、首位打者、トリプルスリー(3割 30本塁打 30盗塁)を達成。
弱小スカイウォーカーズを牽引した。
しかし私生活は飲む打つ買うの、これまた三拍子揃った遊び人。
朝方までクラブで派手に遊び、二日酔いでしかもお持ち帰りした女性同伴で球場入り。
酒臭い息を吐きながら、5打数5安打という離れ業をやってのける。
茶髪にあご髭、ピアスにシルバーアクセのチョーカーにブレスレットという、チャラいスタイル。
徹底した自己管理をする選手が多い今の野球界で、昭和の匂いがする天才プレイヤーだ。
このチャラ男がどんな活躍をするのか。
間もなくプレイボールだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる