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ストーブリーグ
FAと契約更改、そして新GMの発表
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北陸レッズの主砲、浅倉修司がFAを行使した。
リーグを代表する外野手とあって、他球団は早速獲得へ動いた。
「ヒロト、浅倉がFA宣言したぞ」
「浅倉くんですか…確かに彼は走攻守三拍子揃ったプレイヤーだけど、ウチはもう外野の枠が埋まってますし、スカイウォーカーズよりも他のチームに行った方が良いと思うんですよね」
櫻井は浅倉獲得に興味を示さない。
「そんな事はねぇだろ、浅倉をレフトにして鬼束を指名打者にすれば、鉄壁の外野陣になるぜ」
中田は浅倉獲得に興味を示す。
「鬼束くんは指名打者向きでは無いですよ」
「そんな事はねぇよ、ニックスの時でも何試合か指名打者をやってたぐらいだ、問題ねぇよ」
「いいえ、鬼束くんは守備についてじゃないと打てないタイプです。
打つだけの選手になれば、バッティングのリズムが狂ってしまいます」
櫻井は指名打者を誰にするのか既に決めてる。
「マーリンズとキングダムが獲得に乗り出してるみたいだぞ…キングダムはともかく、マーリンズに獲られたら、とんでもねぇ打線になるぞ」
タダでさえリーグ1の破壊力を誇る打線が更にパワーアップする。
「そう計算通りにはいかないですって」
浅倉を仮に獲得したとして、レッズは金銭補償か人的補償どちらを選ぶとなれば、人的補償を選ぶだろう。
その際、誰を放出するのか?
プロテクトから外れた選手はレッズに移籍となる。
櫻井はそれを避ける為に敢えて獲得に乗り出さない。
浅倉はプロ10年目の28才。
今が一番脂が乗り切ってる時期だ。
タイトル獲得は無いものの、毎年ゴールデングラブ賞とベストナインの常連。
通算打率0.302 293本塁打 307盗塁。
3割 300本 300盗塁の【トリプルスリー】目前の万能プレイヤーだ。
(欲しい事は欲しいけど…誰かを放出してまで獲得したいとは思わない…それより、今いる戦力で更なるレベルアップをすれば自ずと優勝に近づける)
櫻井は今の戦力でも十分やっていけると信じる。
球界では恒例の契約更改がスタートした。
昨年は日本一に輝き、大半の選手が大幅な年俸アップだったスカイウォーカーズだが、今年は優勝を逃したせいか、ダウンの選手が多い。
今年は4番から6番、更には5番を打った鬼束は推定4億5000万から5000万ダウンの4億でサイン。
シーズン途中から1番バッターとして、打率0.303 22本塁打 83打点 19盗塁の成績を残した唐澤は、2年連続全試合出場という点が評価され、1億8000万から2000万アップの2億でサイン。
ルーキーながら開幕戦から一軍に定着、新人王を獲得した森高は1500万から一気に3800万でサイン。
昨年本塁打王を輝いた毒島は、本塁打の数は40から26に落ちたが、打率3割を打った事を考慮して1億1000万の現状維持でサイン。
スカイウォーカーズのエースとして期待された中邑は、12勝7敗 防御率3.84と昨年を下回る成績で、9200万から8600万のダウンでサイン。
チームの勝ち頭として、マーリンズの天海と最多勝を受賞した真咲は、2億4000万の現状維持でサイン。
中継ぎとしてリーグトップの34ホールドを挙げたアクーニャは、700万から5倍の3500万でサイン。
そして、球界ナンバーワンの年俸を誇る結城は、今年途中から4番を打ち、打率0.297 21本塁打 93打点という成績。
昨年は首位打者、打点王、盗塁王にMVPと大活躍に比べると物足りない成績という事で、8億から大幅ダウンの6億5000万でサイン。
アップをしたのが唐澤、森高、アクーニャの3人のみで、殆どの選手はダウンか現状維持でサインした。
そしてゴールドグラブ賞とベストナインが発表された。
スカイウォーカーズでは、真咲、結城、鬼束、唐澤、財前がゴールドグラブ賞とベストナインを獲得。
森高はゴールドグラブ賞を獲得した。
一方、ドラフトで1位指名した冴島との交渉は無事入団を決め、契約金1億5000万、年俸1500万、背番号16でサインした。
2位の滝沢は当初交渉が難航だったが、櫻井が直接交渉に出向き、入団発表となった。
背番号は9、契約金1億 年俸1200万でサインした。
スカイウォーカーズが獲得を見送った浅倉の去就だが、マーリンズとキングダムの争奪戦の末、浅倉が選んだのはキングダムだった。
年俸3億5000万、背番号はレッズの時と同じ8に決まる。
師走を迎え、クリスマスを目前に控えた頃、スカイウォーカーズは新GMの就任を発表した。
会見の場に現れたのは、今年限りでユニフォームを脱いだ榊だった。
「え~、この度スカイウォーカーズのゼネラルマネージャーに就任した、榊恭輔です!
ついこの前まで監督としてユニフォームを着ていましたが、来年からはGMとして全ての権限を委託され、スカイウォーカーズをより強いチームに作り上げる事に邁進致します!
…以上!」
「榊さん、監督からGMに昇進したって事ですか?」
記者の問いに榊は答える。
「本来ならば、少し外の空気を吸って英気を養うつもりでいましたが、前GMの高梨氏からの要請もあって、GMになる事を決めました」
「榊さんはGMとして、まず初めに何を行う予定でしょうか?」
「とりあえず、初めにやる事はパチンコだろ、それからスロット…あぁ、有馬記念も買うし、それから…とにかく、やりたい事がいっぱいあるし…何からやろうかなぁ」
【…】
会見の場がシーンと静まり返る。
「オホン!そんな事はさておき、まず手始めにコンバート、そしてピッチャーの起用法、そして打順の変更に着手していきたいと思います」
「ソレって、櫻井監督が考えたプランですよね?
榊GMが独自で考えたプランは無いのですか?」
「う…それは、、」
全くのノープランだ。
「と、とにかく…スカイウォーカーズを再度日本一に輝くよう、今まで以上にパワーアップするので、乞うご期待!
では、失礼する!」
勝手に会見を切り上げた。
「おい…何だよ、GMって?
これじゃ、今年と大して変わらないだろうが!」
テレビで会見を観ていた財前が画面に思わず突っ込んだ。
リーグを代表する外野手とあって、他球団は早速獲得へ動いた。
「ヒロト、浅倉がFA宣言したぞ」
「浅倉くんですか…確かに彼は走攻守三拍子揃ったプレイヤーだけど、ウチはもう外野の枠が埋まってますし、スカイウォーカーズよりも他のチームに行った方が良いと思うんですよね」
櫻井は浅倉獲得に興味を示さない。
「そんな事はねぇだろ、浅倉をレフトにして鬼束を指名打者にすれば、鉄壁の外野陣になるぜ」
中田は浅倉獲得に興味を示す。
「鬼束くんは指名打者向きでは無いですよ」
「そんな事はねぇよ、ニックスの時でも何試合か指名打者をやってたぐらいだ、問題ねぇよ」
「いいえ、鬼束くんは守備についてじゃないと打てないタイプです。
打つだけの選手になれば、バッティングのリズムが狂ってしまいます」
櫻井は指名打者を誰にするのか既に決めてる。
「マーリンズとキングダムが獲得に乗り出してるみたいだぞ…キングダムはともかく、マーリンズに獲られたら、とんでもねぇ打線になるぞ」
タダでさえリーグ1の破壊力を誇る打線が更にパワーアップする。
「そう計算通りにはいかないですって」
浅倉を仮に獲得したとして、レッズは金銭補償か人的補償どちらを選ぶとなれば、人的補償を選ぶだろう。
その際、誰を放出するのか?
プロテクトから外れた選手はレッズに移籍となる。
櫻井はそれを避ける為に敢えて獲得に乗り出さない。
浅倉はプロ10年目の28才。
今が一番脂が乗り切ってる時期だ。
タイトル獲得は無いものの、毎年ゴールデングラブ賞とベストナインの常連。
通算打率0.302 293本塁打 307盗塁。
3割 300本 300盗塁の【トリプルスリー】目前の万能プレイヤーだ。
(欲しい事は欲しいけど…誰かを放出してまで獲得したいとは思わない…それより、今いる戦力で更なるレベルアップをすれば自ずと優勝に近づける)
櫻井は今の戦力でも十分やっていけると信じる。
球界では恒例の契約更改がスタートした。
昨年は日本一に輝き、大半の選手が大幅な年俸アップだったスカイウォーカーズだが、今年は優勝を逃したせいか、ダウンの選手が多い。
今年は4番から6番、更には5番を打った鬼束は推定4億5000万から5000万ダウンの4億でサイン。
シーズン途中から1番バッターとして、打率0.303 22本塁打 83打点 19盗塁の成績を残した唐澤は、2年連続全試合出場という点が評価され、1億8000万から2000万アップの2億でサイン。
ルーキーながら開幕戦から一軍に定着、新人王を獲得した森高は1500万から一気に3800万でサイン。
昨年本塁打王を輝いた毒島は、本塁打の数は40から26に落ちたが、打率3割を打った事を考慮して1億1000万の現状維持でサイン。
スカイウォーカーズのエースとして期待された中邑は、12勝7敗 防御率3.84と昨年を下回る成績で、9200万から8600万のダウンでサイン。
チームの勝ち頭として、マーリンズの天海と最多勝を受賞した真咲は、2億4000万の現状維持でサイン。
中継ぎとしてリーグトップの34ホールドを挙げたアクーニャは、700万から5倍の3500万でサイン。
そして、球界ナンバーワンの年俸を誇る結城は、今年途中から4番を打ち、打率0.297 21本塁打 93打点という成績。
昨年は首位打者、打点王、盗塁王にMVPと大活躍に比べると物足りない成績という事で、8億から大幅ダウンの6億5000万でサイン。
アップをしたのが唐澤、森高、アクーニャの3人のみで、殆どの選手はダウンか現状維持でサインした。
そしてゴールドグラブ賞とベストナインが発表された。
スカイウォーカーズでは、真咲、結城、鬼束、唐澤、財前がゴールドグラブ賞とベストナインを獲得。
森高はゴールドグラブ賞を獲得した。
一方、ドラフトで1位指名した冴島との交渉は無事入団を決め、契約金1億5000万、年俸1500万、背番号16でサインした。
2位の滝沢は当初交渉が難航だったが、櫻井が直接交渉に出向き、入団発表となった。
背番号は9、契約金1億 年俸1200万でサインした。
スカイウォーカーズが獲得を見送った浅倉の去就だが、マーリンズとキングダムの争奪戦の末、浅倉が選んだのはキングダムだった。
年俸3億5000万、背番号はレッズの時と同じ8に決まる。
師走を迎え、クリスマスを目前に控えた頃、スカイウォーカーズは新GMの就任を発表した。
会見の場に現れたのは、今年限りでユニフォームを脱いだ榊だった。
「え~、この度スカイウォーカーズのゼネラルマネージャーに就任した、榊恭輔です!
ついこの前まで監督としてユニフォームを着ていましたが、来年からはGMとして全ての権限を委託され、スカイウォーカーズをより強いチームに作り上げる事に邁進致します!
…以上!」
「榊さん、監督からGMに昇進したって事ですか?」
記者の問いに榊は答える。
「本来ならば、少し外の空気を吸って英気を養うつもりでいましたが、前GMの高梨氏からの要請もあって、GMになる事を決めました」
「榊さんはGMとして、まず初めに何を行う予定でしょうか?」
「とりあえず、初めにやる事はパチンコだろ、それからスロット…あぁ、有馬記念も買うし、それから…とにかく、やりたい事がいっぱいあるし…何からやろうかなぁ」
【…】
会見の場がシーンと静まり返る。
「オホン!そんな事はさておき、まず手始めにコンバート、そしてピッチャーの起用法、そして打順の変更に着手していきたいと思います」
「ソレって、櫻井監督が考えたプランですよね?
榊GMが独自で考えたプランは無いのですか?」
「う…それは、、」
全くのノープランだ。
「と、とにかく…スカイウォーカーズを再度日本一に輝くよう、今まで以上にパワーアップするので、乞うご期待!
では、失礼する!」
勝手に会見を切り上げた。
「おい…何だよ、GMって?
これじゃ、今年と大して変わらないだろうが!」
テレビで会見を観ていた財前が画面に思わず突っ込んだ。
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