Baseball Love 主砲の一振り

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ペナントレース中盤

キャプテンのスランプと、弄られる元エース

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北陸ホワイトソックスとの三連戦の初戦はピストルズが小倉、ホワイトソックスが山崎の先発と発表された。

スタメンでは4番の高梨が外され、ドラフト2位で入団した山下 直哉(やました なおや)が7番スタメンで起用された。

高梨はここ数試合、打撃不振に喘ぎ、ことごとくチャンスで凡退していた。

三連戦の後に控えたオールスター戦に三塁手部門での投票は浅野に次ぐ2位で選ばれたのだが、深刻なスランプにより出場を辞退した。


ベンチ裏で鏡に向かい真剣な眼差しで何度もフォームをチェックしながら素振りを行う。

額からは玉のような汗が滴り落ちる。

どうもタイミングが掴めない。どこでズレが生じたのか。

バッティングとは奥深いもので、好調な時もあれば不調な時もある。

3割を打てば一流と呼ばれるがその3割が中々届かない。

高梨の通算打率は 287
3割を越えたシーズンは過去に2回しかない。

打率にこだわるつもりはないが、それなりの率を残さないとチームに貢献出来ない。

現在の成績は
打率 257 ホームラン8 打点27

開幕して3ヶ月近く経つが4番打者の成績としては物足りない。

スランプから早く脱出したいが、もがけばもがく程、深みにハマる。

キャプテンとしてチームの4番として何も貢献出来ていないじゃないかと自分を追い詰めてしまう。

高梨は真面目な選手だが、真面目な故にスランプに入るとその長いトンネルから抜け出す事が難しい。


ピストルズの打順は、4番にトーマスが座り、3番は櫻井が入り2番は中田が入った。


試合は小倉が好投したが、8回に捕まりツーアウトランナー満塁の場面で6番香坂にストレートを右中間に運ばれ、2点を失う。

そしてまたマウンド上では外野手を含めた8選手が集まり
「また打たれたのかテメーは!」

「学習能力のねぇヤツだな、オメーは!」

「やる気あんのか、コラッ!」

「また毛むしるぞオラッ!」

「辞めちまえ、下手くそ!」

「Fuck you!!(このクソヤローが!!)」
とピストルズ名物のおヅラいじりが始まった。

挙げ句には、新人の山下にまで「テメー、ホント使えねぇヤツだなったく!」

と詰られ、号泣した。

これを観たさに、ビジターでも小倉が登板する日は満員になる。

逆に小倉が勝利投手になれば、敵味方からもブーイングが浴びせられる。

ピストルズは小倉が観客動員数での貢献が高い為、成績の割には年棒が高い。

阿佐オーナーからも
「おヅラくんは打たれても、あれだけ客を湧かせるのだからそれなりのマネーは払うぬ、ムヒョヒョヒョヒョヒョ」

と評価をしている。



ヤマオカがマウンドに向かい、ドラゴンスリーパーで締め上げ投手交代を告げた。

結局、高梨の出番は無く、1対2でピストルズが初戦を落とした。

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