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1984年、中3

こんなバカとは卒業しておさらばだっ!

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僕らは放課後、職員室に呼び出された。

何の用だろう?と思いながら職員室の扉を開けた。

するといきなり先生が、僕らの持ち物をチェックした。

「お前ら、タバコ吸ってるだろ!」

ヤベッ!何で、バレたんだ?

幸い、僕らは学校にタバコを持って来なかった。

だが、僕らは普段からキャスターだの、キャビン等と呼び合っていたから、バレるのは当然だった。

受験を目の前にして、僕らは延々と説教を食らい、帰る頃には空が真っ暗になっていた。

翌日また職員室に呼び出され、反省文を書かされるハメとなる。

その後校長室で正座させられ、何人もの先生に怒られまくった。

ただ、タバコを吸っていたという現場も見つかっておらず、僕らも吸ってませんと言い張った為か、シロでもクロでもなく、グレーな感じだったが、最終的にはうやむやで終わった。

教室に戻ると皆から

「お前ら、タバコ吸ってたのかよ!」とか

「何バレてんだよ、ダッセーな」

等と散々言われた。

「テメーだって吸ってただろ、今から反省文書いてこい!」

そんな事を言い合い、席に着き授業を受けた。

前に座る波多野は、僕の方に振り向き

「小野っち、ホントに吸ってたの?」

と真剣な顔で聞いてきた。

「いや、遊びでちょっと吹かしてた程度だよ」

ホントはガッツリ吸ってたけど。

「絶対やったらダメだからね!高校入れなくなるよ!もうちょっとなんだから、頑張って同じ学校に行こうよ」

説教なのか、励ましてくれるのかよくわからないが、波多野なりの気遣いだったのだろう。

波多野からしてみれば、僕は危なっかしい同級生で、話もよくする。

せめて危ない橋を渡らせないようにと、僕らを止めるような役割にも思えた。

コイツには迷惑かけたなぁと、改めて痛感し、何が何でも波多野と同じ高校に合格しなきゃならないと思い、真面目に勉強をやるようになった。

仲間で集まっても勉強どころか、女の話に脱線するから一人で勉強しようと思い、家で深夜まで勉強をするようになる。

得意科目と苦手科目がある。

苦手な科目に時間を費やすより、得意な科目で高得点を出せばいいと思い、数学や理科などは最低限のとこしか勉強をせず、英語な社会、国語で高得点を上げて、合格ラインに達すれば良いと考えて、得意科目をとことん勉強した。

ちょっと勉強しただけで、こんなに点数が上がるなら大丈夫だろう!
そう思い、更に得意科目ばかりを勉強した。

そんなある日、康司がウチに来た。

僕は「何だ?」って感じでドアを開けたのだが、康司は下半身は丸出しで苦悶の表情を浮かべていた。

「ブハハハハ!お前何やってんだ!何でフルチンなんだよ!」

僕はその姿を見て大爆笑した。

「だってさ、皮が剥けないから輪ゴムで止めたんだけど、ゴムが食い込んでなかなか抜けないんだよ…痛っ、ゴム外してくんないかな、イテテテ、痛っ!」

コイツは普段から、皮が剥けない事に悩んで、どうやったら皮が剥けるか考え、輪ゴムで余った皮を止めていた。

しかしゴムが食い込み、先端がうっ血して紫色になっている。

「お前、これオレに取れっていうのか?何で、テメーのポコチン触んなきゃなんないんだよ!」

「他に頼むのがいねーんだよ…頼むから外してくれよ…」

苦痛の表情を浮かべ、輪ゴムを外して欲しいと頼む。

だけど、コイツのポコチンなんか触りたくもない!

「じゃあちょっと待ってろ、オレだけじゃ無理だから、何人か呼ぶから部屋で待っててろよ!後から行くから」

康司は股間を押さえながら階段を上り、部屋で待った。

僕は何人かに電話を掛けた。

「今来てみ!あのバカチンポの皮、輪ゴムで止めて取れなくなって泣きべそかいてるぞ、ギャハハハハハ!あー、腹痛ぇー!」

すると3人集まり、僕を入れた4人で康司の部屋に行った。

「バッカじゃねーの!お前、何やってんだよアハハハハ」

「スゲー、チョー笑える!ダメだ、笑いすぎて腹痛えー」


康司のマヌケな格好を見て大爆笑した。

「そんなことより、早く取ってくれよ…マジで痛いんだよ」

先っちょが完全にうっ血している。

「お前自分で取れないのかよ、オレらお前のチンチンなんて触りたくねーよ」

「取れねえんだよ、なかなか…うー、痛い」

「じゃあ皆で、広場のとこ行って外してみようよ」

皆で康司を拉致する様に、ウチの前にある広場に連れてきた。

とりあえず水で濡らして、ゴムが取れるかどうかやってみた。

しかし取れない!

「お前、どんだけキツく縛ったんだよ!取れねえじゃねーか!」

公園の広場でフルチンのヤツが、必死に輪ゴムを取ろうとしているのは、端から見たらかなりマヌケだ。

「お前もういいよ。砂場に連れてこうぜ」

僕らは両手両足を持つと、康司を砂場に放り込んだ。

「お前なんか、ポコチン使えないように砂かけてやる!」

僕らは康司に砂をかけ、笑っていた。

「痛い痛い!砂入るだろ!止めろおいっ!」

「うるせー!この、輪ゴムヤローが」

そんな事をしているうちに、輪ゴムが取れた。

「あ!輪ゴム取れた、やったー」

「どれ、見せてみ…ガハハハハ、ゴムの跡がくっきり残ってんじゃないか、バカでー(笑)」

康司のポコチンは、先っちょがうっ血したままで、輪ゴムが食い込んだ跡がクッキリと分かる。

輪ゴムが取れたので、更に砂をかけまくった。

「止めろよ!だから、止めろって」

砂まみれになった康司を見て大爆笑した。

その半面、何でこんな事やってんだろ?
バカバカしくなり、怒りさえ感じる。

(さっさと卒業して、こんなバカとは2度と関わらないように、オレはもっとレベルの高いヤツと付き合う!)

あまりのバカバカしさに、率先して砂をかけてる自分に腹が立った。

もっと上のやつらと付き合うんだ!

高校に入ったら、コイツとは縁を切る!

こんな現状から、1日でも早く抜け出したかった。
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