26 / 124
1984年、中3
【IF】もしもまだ中学生でいたなら
しおりを挟む
波多野が二次募集で受けた高校に合格した。
授業中、僕は波多野の背中をシャーペンで突ついた。
「痛っ」
…やべ、芯で突っついちゃった。
「痛いよ…」
背中を押さえ、後ろを振り返る波多野に僕は
「どうだった?」と聞くと
「うん、受かったよ」
とだけ返事してすぐに前を向いた。
そうか、受かったか…
僕は安心した。
卒業まで後数日。
僕は波多野に告白しようか、どうしようか迷っていた。
(でも、何て言えばいいんだ?好きです、高校が違うけど付き合って下さい!って言うのか?
いや、それよりも波多野はオレの事どう思ってるのか…
ただのクラスメートにしか思ってないんじゃないか?)
そんな事をウジウジ考えて、結局いい言葉が浮かばなく、言い出せないでいた。
根がチキンで、女と話し慣れてないってのが理由なんだけど。
恥ずかしいのは勿論だし、もしフラれたらかなり凹むだろうと想定してるから、言い出せないままで、僕は悶々としていた。
校内ではこんな純情な事を考えてながら、
校舎から一歩外に出ればタバコは吸う 酒も飲む バイクにも乗るで、やってる事は不良の真似事だし、尾崎豊の歌の中にあるような事を意識してやってたのか、いずれにせよ猿まねなんだけどね。
この頃は悪い事してたヤツなんていっぱいいたから、僕のやってることは不良の枠には入らない、どっち付かずの中途半端モンだった。
夜は麻雀やりながら、ビートたけしのオールナイトニッポンを聴いて、翌朝は起きれなくて学校を休む。
この自堕落した生活を、もっと早くにスッパリと手を切って勉強に勤しんでいたら、違った高校にも入れたし、もう少しまともな日々を送っていたに違いない。
今さらだけど、後悔した…
1学期の頃のような成績をキープしてりゃ、こんな事にはならなかったはず…
あくまでも【IF】という事で、過ぎ去った頃を振り返っても、元には戻らないし…
何だかんだで、中学校生活は後数日で終わるんだ。
一体、何をやって来たんだオレは?何故、もっと前から勉強しなかったのか?
つくづく自分がイヤになってくる。
もっと充実した学校生活を送りたかった。
今までやってきた事の愚かさが、自業自得という形で返ってきた感じだ。
悪いのは全て僕だ。
この時ばかりは、ウチに帰っても部屋から一歩も出ずにブルーな気分でいた…
何をするワケでもなく、ただ1日が過ぎていくのをぼんやりとしていた。
でも、この現実を受け入れなければならない。
…流石に当時の僕じゃ無理だ。
卒業の日が近づくにつれ、ナーバスな気分になっていた。
もう戻れない、それは解っている。
あれだけ「つまんねえな」と思っていた中学校生活はもう、終わりを告げる。
今更、何悪あがきしてんだ?と思うのだが、この時思っていたのは
「卒業したくない」
心の底から思った。
薔薇色の高校生活を夢見て、こんなクソつまんねー3年間は、とっとと終わりにしてぇ!なんて思っていたのに、いざ卒業間近になれば、まだ中学生でいたい…
相当なワガママで自分勝手なヤツだよね、僕は。
授業中、僕は波多野の背中をシャーペンで突ついた。
「痛っ」
…やべ、芯で突っついちゃった。
「痛いよ…」
背中を押さえ、後ろを振り返る波多野に僕は
「どうだった?」と聞くと
「うん、受かったよ」
とだけ返事してすぐに前を向いた。
そうか、受かったか…
僕は安心した。
卒業まで後数日。
僕は波多野に告白しようか、どうしようか迷っていた。
(でも、何て言えばいいんだ?好きです、高校が違うけど付き合って下さい!って言うのか?
いや、それよりも波多野はオレの事どう思ってるのか…
ただのクラスメートにしか思ってないんじゃないか?)
そんな事をウジウジ考えて、結局いい言葉が浮かばなく、言い出せないでいた。
根がチキンで、女と話し慣れてないってのが理由なんだけど。
恥ずかしいのは勿論だし、もしフラれたらかなり凹むだろうと想定してるから、言い出せないままで、僕は悶々としていた。
校内ではこんな純情な事を考えてながら、
校舎から一歩外に出ればタバコは吸う 酒も飲む バイクにも乗るで、やってる事は不良の真似事だし、尾崎豊の歌の中にあるような事を意識してやってたのか、いずれにせよ猿まねなんだけどね。
この頃は悪い事してたヤツなんていっぱいいたから、僕のやってることは不良の枠には入らない、どっち付かずの中途半端モンだった。
夜は麻雀やりながら、ビートたけしのオールナイトニッポンを聴いて、翌朝は起きれなくて学校を休む。
この自堕落した生活を、もっと早くにスッパリと手を切って勉強に勤しんでいたら、違った高校にも入れたし、もう少しまともな日々を送っていたに違いない。
今さらだけど、後悔した…
1学期の頃のような成績をキープしてりゃ、こんな事にはならなかったはず…
あくまでも【IF】という事で、過ぎ去った頃を振り返っても、元には戻らないし…
何だかんだで、中学校生活は後数日で終わるんだ。
一体、何をやって来たんだオレは?何故、もっと前から勉強しなかったのか?
つくづく自分がイヤになってくる。
もっと充実した学校生活を送りたかった。
今までやってきた事の愚かさが、自業自得という形で返ってきた感じだ。
悪いのは全て僕だ。
この時ばかりは、ウチに帰っても部屋から一歩も出ずにブルーな気分でいた…
何をするワケでもなく、ただ1日が過ぎていくのをぼんやりとしていた。
でも、この現実を受け入れなければならない。
…流石に当時の僕じゃ無理だ。
卒業の日が近づくにつれ、ナーバスな気分になっていた。
もう戻れない、それは解っている。
あれだけ「つまんねえな」と思っていた中学校生活はもう、終わりを告げる。
今更、何悪あがきしてんだ?と思うのだが、この時思っていたのは
「卒業したくない」
心の底から思った。
薔薇色の高校生活を夢見て、こんなクソつまんねー3年間は、とっとと終わりにしてぇ!なんて思っていたのに、いざ卒業間近になれば、まだ中学生でいたい…
相当なワガママで自分勝手なヤツだよね、僕は。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる