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愛しさにサヨナラ

あとがき

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1985年を舞台にしたこの作品は、私の経験した事を踏まえて綴ったもので、以前書き上げたものをもう少しリアルに、そして後になってから思い出した出来事を付け加えた改訂版にしました。

フィクションとノンフィクションを半々にして書いてましたが、よりリアリティーに仕上げようとして、8:2いや9:1の割合でノンフィクション作品として書き直しました。

読んでみてみればおわかりでしょうが、当時は自分が何の努力もせず、何の行動も起こさないで、口を開けば、学校が悪い、社会が悪い等とブーブー文句ばかり言ってた高校生でした。

無気力 無関心 覚めた今どきの高校生ってヤツでした。

当時はまだ学ランが主流の高校が多く、どうしても学ランじゃない学校に行きたかった。

あの詰め襟がどうもむち打ち症になった患者みたいなイメージで好きになれませんでした。
当時はまだヤンキースタイルの制服が多く、学ランも短ランや中ラン、長ラン。下もボンタンというダボダボのズボンを履いていた連中がいた時代です。

今みたいなブレザーの制服が羨ましい限りです。


中学の頃、さほど勉強もしなかったのに成績は良く、自分は天才なんじゃないか?
というアホな錯覚をして、受験が近づいても全く勉強をせず、楽ショー楽ショー!と意気込んで受けた高校が落ち、滑り止めの男子校に入学する事になったけど、すっかりヤル気が失せ、入学早々休んでばかり日々。
おまけに色気の無い男子校だから、ただ毎日電車に揺られ夢遊病者の如くフラフラと教室の席に座り居眠りをする毎日。

ほんの少しだけのスリルを味わいたいが、ぬるま湯に浸かってこのぐらいがちょうどいい感じという、腑抜けた学校生活を送っていました。

恋愛には臆病で、ようやく出来た彼女ともプラトニックを貫き(というよりは、その先に進むのが怖かっただけで)相手に合わせて人畜無害を装った妄想だけは一人前のチェリーボーイが慣れない場所で背伸びして結局は疲れてしまう。

今思えば何故いつも空ばかりを見上げ、あの空の彼方には何が見えるんだろうか、と果てしない妄想を繰り広げていた日々を送ってました。

一体何を考え、何を思っていたのか。
中学から高校へと環境が変わり、期待と不安をもちながら入学してみて、何も期待出来る事が無く、絶望しか感じなかったあの頃、もう少し中学の時に勉強していれば今後の人生もどうなったいたのやら…

何かにつけて反発する反面、ガラス細工と一緒で壊れやすく繊細な心を持つ10代、それは自分だけじゃなく、他の方々もそうだったと思います。

イノセントスカイというタイトルは、1985年に吉川晃司が発売したアルバムのタイトル曲で、シングルにはなっておりませんが、当時、夜のヒットスタジオだと思うのですが、この歌を聴いて、あぁ成る程、自分に当てはまる部分があるなぁと思い、よく口ずさんでました。

「理解されずに逆らう誤解」

「リズムが狂い 空が曇るツキが全て逃げたのさ」

このフレーズに自分自身が当てはまり、そのせいか、空をよく見ては、自分の心の中とは正反対に澄みきった蒼い空だった。
いや、ただ単にそう思い込んでいたのかも知れません。

そして話の前後に多少の違いがあるのかも知れません。

30年以上経った事を必死になって思い出しながら書いていたので間違いも多々あるかも知れません。

ですがどうしてもこの時代の事は書いてみたいと思いました。
自分人生の中で一番大切な時代、皆さんにもあると思います。
私はこの年が一番思い出に残る出来事が多く、悩み苦しみ、そして開き直り、最後にはもうどうでもいいやっ、て考えてしまうのを止めてしまう。

とにかく私の中でターニングポイントだった時期だとおもいます。

最後までお付き合いいただき誠にありがとう存じ上げます

もし、良かったら感想をお聞かせ願います。
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