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バラエティに富んだ人種
圧倒的な女尊男卑
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「ほらぁ、アンタたちもいつまで鼻の下伸ばしてないで、サッサと練習しなさいっ!!」
ミリアの不機嫌な声が響く。
「へ~い」
「あぁ~あ、おっかねぇ」
「お~い、キャッチボールしようぜ」
選手たちはゆっくりと腰を上げ、バットやグラブを手にしグラウンドに出た。
「おい、何でオレらの対戦相手が女なんだよ」
「女だろうが、男だろうが、戦うのよ!」
「オレには予備知識ってモンが無いんだよ、詳しく教えてくれたっていいじゃないか!」
「そんなの、仲のいい選手に聞けばいいでしょ!」
「いいから、早く教えろよっ!勝つには先ず、敵を知ることだろ!」
「ったく、面倒臭いわね…」
ミリアは渋々ながら説明をした。
ミリアの話によると、バレット国の男女の比率は1:9で圧倒的に女性の数が多い。
バレット国は女人社会で、おまけに超が付くほどの女尊男卑の世界だ。
国のトップは勿論、表立って活躍するのは全て女性で、男性は陰に隠れて女性の身の回りを世話する奴隷の様な存在に過ぎない。
唯一男性が活躍する機会は子孫繁栄の為の種付け行為のみで、行為が終わると強制的に国から出ていかねばならない。
それ故に、女性の数が多い。
「ウソだろ、男ってだけで酷い扱い受けるのかよっ?」
「まぁ、早い話が人生詰んだって事ね」
「でもさぁ、産まれてくるのが必ず女とは限らないじゃん?男が産まれたらどうすんだよ?」
「聞いた話だと、国が認可する占い師が赤ん坊を選別するみたい」
「選別?」
何だか嫌な話だ。
「優秀だと判断した男子は育てて、そうじゃない男子は他の国に売り飛ばされるみたいね」
「人身売買かよ」
恐ろしい国だ。
「そんな事より、この話を聞いて勝てそうなの?」
「だって、相手は女だぜ!楽勝じゃん」
「言っとくけど、去年の対戦成績は2勝18敗だけど」
「…エッ、2勝って…向こうが2勝だろ?」
「ウチのチームが2勝なのよ!」
信じ難い話だ。
「はァ?何で、2勝しかしないんだよ!しかも、18敗って…」
この世界では、男女の身体能力の差は殆ど無い。
むしろ、女性の方が好成績を挙げる事も多い。
「それとね」
ミリアの顔つきが神妙になった。
「ここに来て、ずーっと甘い匂いがするでしょ?これはね、バレット国の女性特有のフェロモンなの」
「フェロモン?…」
「そう、フェロモン。この国はウェヌスという女神が創ったの。
だから、女性は生まれつきこの甘い匂いをしているの」
異世界ならではの特異体質だ。
「ってことは、あの匂いにやられてコテンパンに敗けてるって事?」
「正々堂々と戦って敗けるならまだしも、ああいう格好で誘惑してくるでしょ?」
「確かに」
破廉恥極まりないユニフォームで挑発してくるのだから、男はたまったもんじゃない。
「あのユニフォームは反則じゃないのかよ」
どう考えてもあのユニフォームはおかしい。
「それがね、この国ではこれが正装みたいなもんだって主張してくるから、エキサイティングリーグのコミッショナーも首を縦に振るしかないんだって」
「意味が分からねぇよ」
確かに。
「そう言えば、カツヤはアマゾーンの選手にそれ程興味無いみたいね」
近衛は他の選手と違い、アマゾーンの選手に対してデレっとしていない。
「だって、あんなの肉の塊じゃないか」
近衛はアマゾーンの逞しく、豊満な肉体に興味が無い。
近衛の好みは、スレンダーで華奢なタイプだ。
「ふ~ん、男にしては珍しいわね」
「そんな事ないよ、オレはああいうタイプが好きじゃないだけさ」
そして試合はスタートした。
ミリアの不機嫌な声が響く。
「へ~い」
「あぁ~あ、おっかねぇ」
「お~い、キャッチボールしようぜ」
選手たちはゆっくりと腰を上げ、バットやグラブを手にしグラウンドに出た。
「おい、何でオレらの対戦相手が女なんだよ」
「女だろうが、男だろうが、戦うのよ!」
「オレには予備知識ってモンが無いんだよ、詳しく教えてくれたっていいじゃないか!」
「そんなの、仲のいい選手に聞けばいいでしょ!」
「いいから、早く教えろよっ!勝つには先ず、敵を知ることだろ!」
「ったく、面倒臭いわね…」
ミリアは渋々ながら説明をした。
ミリアの話によると、バレット国の男女の比率は1:9で圧倒的に女性の数が多い。
バレット国は女人社会で、おまけに超が付くほどの女尊男卑の世界だ。
国のトップは勿論、表立って活躍するのは全て女性で、男性は陰に隠れて女性の身の回りを世話する奴隷の様な存在に過ぎない。
唯一男性が活躍する機会は子孫繁栄の為の種付け行為のみで、行為が終わると強制的に国から出ていかねばならない。
それ故に、女性の数が多い。
「ウソだろ、男ってだけで酷い扱い受けるのかよっ?」
「まぁ、早い話が人生詰んだって事ね」
「でもさぁ、産まれてくるのが必ず女とは限らないじゃん?男が産まれたらどうすんだよ?」
「聞いた話だと、国が認可する占い師が赤ん坊を選別するみたい」
「選別?」
何だか嫌な話だ。
「優秀だと判断した男子は育てて、そうじゃない男子は他の国に売り飛ばされるみたいね」
「人身売買かよ」
恐ろしい国だ。
「そんな事より、この話を聞いて勝てそうなの?」
「だって、相手は女だぜ!楽勝じゃん」
「言っとくけど、去年の対戦成績は2勝18敗だけど」
「…エッ、2勝って…向こうが2勝だろ?」
「ウチのチームが2勝なのよ!」
信じ難い話だ。
「はァ?何で、2勝しかしないんだよ!しかも、18敗って…」
この世界では、男女の身体能力の差は殆ど無い。
むしろ、女性の方が好成績を挙げる事も多い。
「それとね」
ミリアの顔つきが神妙になった。
「ここに来て、ずーっと甘い匂いがするでしょ?これはね、バレット国の女性特有のフェロモンなの」
「フェロモン?…」
「そう、フェロモン。この国はウェヌスという女神が創ったの。
だから、女性は生まれつきこの甘い匂いをしているの」
異世界ならではの特異体質だ。
「ってことは、あの匂いにやられてコテンパンに敗けてるって事?」
「正々堂々と戦って敗けるならまだしも、ああいう格好で誘惑してくるでしょ?」
「確かに」
破廉恥極まりないユニフォームで挑発してくるのだから、男はたまったもんじゃない。
「あのユニフォームは反則じゃないのかよ」
どう考えてもあのユニフォームはおかしい。
「それがね、この国ではこれが正装みたいなもんだって主張してくるから、エキサイティングリーグのコミッショナーも首を縦に振るしかないんだって」
「意味が分からねぇよ」
確かに。
「そう言えば、カツヤはアマゾーンの選手にそれ程興味無いみたいね」
近衛は他の選手と違い、アマゾーンの選手に対してデレっとしていない。
「だって、あんなの肉の塊じゃないか」
近衛はアマゾーンの逞しく、豊満な肉体に興味が無い。
近衛の好みは、スレンダーで華奢なタイプだ。
「ふ~ん、男にしては珍しいわね」
「そんな事ないよ、オレはああいうタイプが好きじゃないだけさ」
そして試合はスタートした。
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