63 / 160
5月 交流戦前
狙いうち
しおりを挟む
白石はストレートを待っている。
アルバラードが2球目を投げた。
シンカー気味に沈むチェンジアップが低めいっぱいに決まる。
「ストライクワン!」
「また変化球だ」
「何だ、あの外人は!さっさとストレート投げろっつーの!」
「まさか、コッチの作戦がバレてるのでは…」
それは無いだろう。
カウントはワンナッシング。
「私わかります(^ ^)
次はストレート投げてきますち!」
「…そんな気がしてきた」
果たしてどうか。
ここまでランナーがいるのにもかかわらず、一度も牽制球を投げてない。
それどころか、クイックモーションさえもせずにバッターオンリーのピッチングだ。
要は抑えればいいって考えなのか。
そして3球目を投げた。
(ストレートだ!)
外角低め、152 km/hのストレートだ。
白石は流れるようなスイングでライト方向へ狙いうちした。
「こりゃ行ったろ!」
Glanzベンチは総立ちで打球の行方を追った。
ライト室井は追うのを止めて打球を見上げる。
「入ったぁ~っ!」
ライトスタンドへ第3号の先制ツーランを放った。
「んだな(^ ^)」
「あの攻略法でホームランとは…」
ひろしの攻略法とは、アルバラードはストレートを投げる際、テイクバック時にグラブが下向きになるのだが、モーションが速いせいで打席で捕らえる事は至難の業だ。
そこでひろしは別の方法として、リリースの瞬間、アルバラードの上体が少し低くなる事に気付き、外野フェンスを目印にして、顔半分がフェンスより下になればストレートとアドバイスした。
白石はそのアドバイス通り、ストレートに的を絞り、狙いうちしたのだ。
打たれたアルバラードはグラブを叩きつけ悔しがっている。
白石は無表情でベースを回り、今ホームイン。
Glanzが初回で2点を先制した。
「アルバラードのストレートを狙いうちとは…天才と呼ばれる白石君でも、あの球をライトスタンドへ放り込むのは難しい。
それが出来たのは、ただ一つ…」
櫻井は榊にヘッドロックを掛けられているひろしを見た。
「宇棚ひろし…あの人を何とかしなければ、ウチに勝ち目は無い」
櫻井にとって、ひろしは目の上のたんこぶに等しい。
落ち着きを取り戻したアルバラードだが、白石の一発で頭に血が上っている。
「ヨシ、攻略するなら今のうちだ!」
榊の号令でGlanz打線がアルバラードに襲いかかる。
4番徳川に対してはストレートのフォアボールで塁に出してしまい、続く森高の打席で二盗を許してしまう。
顔を真っ赤にしてエキサイトするアルバラード、もはや冷静さを取り戻す事は不可能だった。
森高は左中間を深々と破るタイムリーツーベースヒットで3点目を追加。
そして6番麻生は初球のストレートをセンターバックスクリーンへ今シーズン第1号ソロを放ち、これで4点目。
その後もアルバラードはめった打ちに遭い、初回6失点でKO。
終わってみれば、9-2でGlanzの圧勝。
二刀流の麻生は6イニングを無失点に抑え、プロ初勝利を飾った。
明後日からインターカンファレンス 交流戦がスタートする。
Glanzの初戦は敵地大阪にてドルフィンズとの二連戦を皮切りに、約1か月に及ぶ戦いが待っている。
アルバラードが2球目を投げた。
シンカー気味に沈むチェンジアップが低めいっぱいに決まる。
「ストライクワン!」
「また変化球だ」
「何だ、あの外人は!さっさとストレート投げろっつーの!」
「まさか、コッチの作戦がバレてるのでは…」
それは無いだろう。
カウントはワンナッシング。
「私わかります(^ ^)
次はストレート投げてきますち!」
「…そんな気がしてきた」
果たしてどうか。
ここまでランナーがいるのにもかかわらず、一度も牽制球を投げてない。
それどころか、クイックモーションさえもせずにバッターオンリーのピッチングだ。
要は抑えればいいって考えなのか。
そして3球目を投げた。
(ストレートだ!)
外角低め、152 km/hのストレートだ。
白石は流れるようなスイングでライト方向へ狙いうちした。
「こりゃ行ったろ!」
Glanzベンチは総立ちで打球の行方を追った。
ライト室井は追うのを止めて打球を見上げる。
「入ったぁ~っ!」
ライトスタンドへ第3号の先制ツーランを放った。
「んだな(^ ^)」
「あの攻略法でホームランとは…」
ひろしの攻略法とは、アルバラードはストレートを投げる際、テイクバック時にグラブが下向きになるのだが、モーションが速いせいで打席で捕らえる事は至難の業だ。
そこでひろしは別の方法として、リリースの瞬間、アルバラードの上体が少し低くなる事に気付き、外野フェンスを目印にして、顔半分がフェンスより下になればストレートとアドバイスした。
白石はそのアドバイス通り、ストレートに的を絞り、狙いうちしたのだ。
打たれたアルバラードはグラブを叩きつけ悔しがっている。
白石は無表情でベースを回り、今ホームイン。
Glanzが初回で2点を先制した。
「アルバラードのストレートを狙いうちとは…天才と呼ばれる白石君でも、あの球をライトスタンドへ放り込むのは難しい。
それが出来たのは、ただ一つ…」
櫻井は榊にヘッドロックを掛けられているひろしを見た。
「宇棚ひろし…あの人を何とかしなければ、ウチに勝ち目は無い」
櫻井にとって、ひろしは目の上のたんこぶに等しい。
落ち着きを取り戻したアルバラードだが、白石の一発で頭に血が上っている。
「ヨシ、攻略するなら今のうちだ!」
榊の号令でGlanz打線がアルバラードに襲いかかる。
4番徳川に対してはストレートのフォアボールで塁に出してしまい、続く森高の打席で二盗を許してしまう。
顔を真っ赤にしてエキサイトするアルバラード、もはや冷静さを取り戻す事は不可能だった。
森高は左中間を深々と破るタイムリーツーベースヒットで3点目を追加。
そして6番麻生は初球のストレートをセンターバックスクリーンへ今シーズン第1号ソロを放ち、これで4点目。
その後もアルバラードはめった打ちに遭い、初回6失点でKO。
終わってみれば、9-2でGlanzの圧勝。
二刀流の麻生は6イニングを無失点に抑え、プロ初勝利を飾った。
明後日からインターカンファレンス 交流戦がスタートする。
Glanzの初戦は敵地大阪にてドルフィンズとの二連戦を皮切りに、約1か月に及ぶ戦いが待っている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる