Baseball Freak 主砲の一振り 7

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インターカンファレンス前半

めんそーれ沖縄っ!

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ここは沖縄県那覇市にあるシーサードーム。

琉球マシンガンズの本拠地だ。


今日からマシンガンズとの二連戦がスタートする。


ここの球場はドームにもかかわらず、湿気に覆われ蒸し暑い。

しかも、この時期は梅雨入りのせいで余計蒸し暑く感じる。


空調設備は万全なのだが、イマイチ効果が無いような。


この日の先発はGlanzが二刀流麻生、マシンガンズはエース猪木。


猪木と言えば、本格派のサウスポーとして知られるが、試合中何度もタイムをかけてはトイレに駆け込んだり、水分補給したり、はたまた天気予報が知りたいからスマホチェックをするなど、迷惑を省みず試合を中断する事で有名。


エースと呼ばれる程の成績を残しているのだが、空気が全く読めない人物だ。


猪木が先発すると、敵も味方も嫌な表情を浮かべる。


タイムをかける時間が長くなるし、当然試合時間もいつもより長くなる。


早々に滅多打ちに遭ってマウンドから引きずり下ろすしかないのだが、シーサードームでの勝率は通算で.831と高い。



「イヤだなぁ、あの人が投げると打席で待たされるのが長いんだよな」


こんな声をよく聞く。



どうにかルール改正で時間短縮出来ないものか、そんな事を思っている。



気を取り直して、Glanzのスターティングメンバー


1(二) 石川 8
2(中) クロフォード24
3(遊) 白石 5
4(一) 徳川 23
5(右) 森高 7
6(指) 城戸 6
7(左) 南方 1
8(三) 吉岡 2
9(補) 比村 27

(投)  麻生 22


Glanzはほぼベストメンバー。

城戸は足の影響もあるが、シーサードームでの成績が良く、本塁打も多い。


先発麻生は3試合目の登板。


前回はプロ初勝利をマークし、2勝目に挑む。



マシンガンズのスターティングメンバー


1(遊) 照屋 2
2(補) 新垣 8
3(一) 金城 55
4(指) バティスタ 88
5(中) 島袋 3
6(二) 平良 6
7(三) 渡久地 0
8(左) 赤嶺 1
9(右) 宮城 5

(投) 猪木 14


マシンガンズ打線で要注意なのは、俊足のトップバッター照屋とクリーンアップの金城、バティスタ、島袋の三人。


照屋はリードオフマンながら、パンチ力もあってかなり厄介なバッター。

3番金城はバットコントロールの良いヒットメーカー。

4番バティスタは打率は低いが、パワーでスタンドに運ぶ典型的なプルヒッター。


5番島袋は21歳ながら、打率と長打を兼ね備えたマシンガンズ期待の選手。


他にも、守備力抜群の渡久地や強肩の宮城等、バランスのとれた手強いチームだ。



投手陣ではエース猪木を筆頭に、中継ぎの大城、抑えの上原と充実している。




「あ”ぁ~!蒸し暑いなぁ、ここは!」


榊はベンチで団扇を扇いでいる。


まだ5月なのに、気温は28℃。

しかも湿度が高く、かなり蒸し暑く不快指数はハンパない。


「私わかります(^^)」


「うるせぇ、今日は喋るんじゃねぇ!」


蒸し暑いせいで、ひろしの一言一句が余計に苛立つ。

しかも猪木が先発とあって、タイム地獄で苛立ちもMAXになる事間違いない。



「猪木選手はタイムばかりかけるので、逆にコッチがタイムをかけて集中力を無くすのが一番効果的ですち!」


「何だ、そりゃ?目には目を歯には歯をってヤツか?」


「んだな(^_^)」


「オイオイ、そんな事したら、何時に終わるんだよ」


普段の倍以上時間が掛かりそうだ。


「大丈夫です(^^)
これで早い回で降板出来ます(^ ^)
朝の朝食にゴーヤチャンプルー、島豆腐、海ぶどうにアオサの味噌汁ありですか?」


「今日はまともなメニューじゃねえか」


「後、ソーキそばとイラブー汁ありですか?」


小柄だが、食べる量はフードファイター並みだ。


「勝手に食ってろ!」


どうしてこうも、食事のメニューばかり気になるんだろうか。


そんな中、試合はスタートした。
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