52 / 58
ペナント再開
実況
しおりを挟む
「さぁ、先行のマーリンズのスターティングメンバーは、
1センター 高野
2ショート 白石
3ライト 仙道
4サード 羽田
5指名打者 デイトリッヒ
6ファースト 張
7セカンド 藤原
8レフト B·J·ウォーカー
9キャッチャー 川上
このところ、2番を打つ白石が好調です。
玉井尻さん、この2番の白石と3番の仙道がポイントと言いますか、軸となっていますね」
「ん?あぁ、そうだな~…その代わり羽田があまり良くないだろ?
マーリンズとしては、1番の高野が塁に出て2番白石、3番仙道で返すというパターンで得点を獲るんだが、反対にこの2人さえ抑えれば、スカイウォーカーズは勝てるという事にもなるよな」
「なる程、なる程。
そして、後攻スカイウォーカーズのスターティングメンバーは、
1レフト藤村
2ショート石川
3センター唐澤
4セカンド森高
5サード吉岡
6ライト鬼束
7ファースト結城
8指名打者ジョーンズ
9キャッチャー滝沢
スカイウォーカーズですが、誰が今日のキーマンとなりそうですか?」
「う~ん…財前は今日もスタメン落ちか?
どっか具合が悪いのか、アイツは」
財前はここ5試合スタメンを外れている。
「そういった情報は入ってこないのですが、財前は今年に入ってスタメンを外れる事が多いですね。
ベンチには入ってますし、様子を見る限りではどこも悪くなさそうな感じですが」
「去年の三冠王だぜ!調子が良くないのかどうかは知らんけど、9番に落とされてヤル気無くしたんじゃねぇのか!」
「櫻井監督は下位打線こそが真のクリーンナップと言ってますけど…やっぱりそこが解せないんでしょうかね?」
「モノは言いようだよな。いかにも下位打線が重要だって言い方するけど、所詮は下位だろ?
ホントに重要ならば、上位に置くだろ。
鬼束や結城だって、6番7番に下がってるじゃん?
アイツらに聞いてみたいよな、オマエらホントは納得してないだろ?って」
果たして本心はどうなのか。
「さて、マウンド上の片山はここまで6勝3敗の防御率は3.41
玉井尻さん、今年の片山は去年ケガで戦列を離れていただけに、復活の意味を込めての活躍だと思うのですが」
「オレァ、スカイウォーカーズの中で一番まとまってるピッチャーがコイツだと思うんだ」
「まとまってる…どういう事ですか?」
「スピード、変化球、コントロール、インサイドワークどれをとっても、非常にバランスのとれたピッチャーだって事だ!
左の正統派とも言うべきタイプだな」
珍しく玉井尻が選手を絶賛する。
「さぁ、間もなくプレイボールです!
トップバッターの高野が今ゆっくりと右打席に入ります」
「初回から高野、白石、仙道と気の抜けない打線だな」
「片山はどう攻めるのか?」
背番号1のスイッチヒッターがマウンド上の片山から視線を離さない。
「さぁ、時計の針は午後6時を回り、試合がスタートしました!」
「コイツも好調だろ。何せ、出塁率は4割超えだしな」
「え~、今シーズン高野の出塁率は0.408…
これはリーグで第2位ですね」
「ほぉ~、で、1位は誰?」
「トップは唐澤で0.426…非常に高い率ですね」
解説者のクセに全く知らないとは。
「ほー…唐澤が1位か。アイツ、スゲーんだな…」
「さぁ、片山―滝沢のバッテリーがどう攻めるか?
…サインに頷き、第1球を投げた!
インサイドへ僅かに外れたストレート、判定はボール!」
「今のはコースに外れたけど、いい球だったぜ」
「バックスクリーンのオーロラビジョンには143km/hと表示されています!
玉井尻さん、今日の片山は球が走ってるとみてよろしいでしょうか?」
「うん、まだ1球しか投げてないけど、ストレートはノビがあって球速以上に速く感じるハズだぜ」
片山のストレートは最速149km/h。
その気になれば150を超える事も可能だが、速さよりもコントロールや球のキレに拘る。
「そりゃ160km/h出せるなら、出してみたいけど、打たれたら意味無いでしょ?
例え140そこそこでも、打たれない球を投げた方がいいじゃん?
ピッチャーは球の速さを競う競技じゃないんだし」
インタビューで片山はストレートの速さについて、こうコメントした。
大切なのは球速ではない、ボールの回転数だと。
「コイツはストレートもそこそこ、決め手となる変化球もまあまあで、これと言って特徴の無いタイプだけど、絶妙なコースにズバッと球を投げるのが上手いんだよ」
玉井尻が片山の持ち味を説明する。
「なる程、急所を突く様なピッチングをするというタイプですかね?」
「そうそう、ここしかないって場所に思い切って投げる度胸の良さが最大の武器だな」
「カウントはワンボール…中腰になり、滝沢の出すサインを覗き込む…サインが決まった!
ノーワインドアップから第2球を投げた!
アウトコースギリギリに決まるツーシーム、高野バットが出ない!」
「今のは打ってもファールになるだろうな」
「玉井尻さんのご指摘通り、高野はそれを分かってバットを出さなかったのか?
これでワンボール、ワンストライクの並行カウント」
「今のツーシームも手前で小さく変化したろ?」
「えぇ、そうですね…変化は小さいですが、鋭く外に曲がりました」
「ああいう絶妙なコースへ上手く投げるんだよ、アイツは…決して目立つ様なタイプじゃないが、中澤や那須川みたいにリーグを代表する左ピッチャーだとオレは思うぜ」
そんなワケで次回に続く。
1センター 高野
2ショート 白石
3ライト 仙道
4サード 羽田
5指名打者 デイトリッヒ
6ファースト 張
7セカンド 藤原
8レフト B·J·ウォーカー
9キャッチャー 川上
このところ、2番を打つ白石が好調です。
玉井尻さん、この2番の白石と3番の仙道がポイントと言いますか、軸となっていますね」
「ん?あぁ、そうだな~…その代わり羽田があまり良くないだろ?
マーリンズとしては、1番の高野が塁に出て2番白石、3番仙道で返すというパターンで得点を獲るんだが、反対にこの2人さえ抑えれば、スカイウォーカーズは勝てるという事にもなるよな」
「なる程、なる程。
そして、後攻スカイウォーカーズのスターティングメンバーは、
1レフト藤村
2ショート石川
3センター唐澤
4セカンド森高
5サード吉岡
6ライト鬼束
7ファースト結城
8指名打者ジョーンズ
9キャッチャー滝沢
スカイウォーカーズですが、誰が今日のキーマンとなりそうですか?」
「う~ん…財前は今日もスタメン落ちか?
どっか具合が悪いのか、アイツは」
財前はここ5試合スタメンを外れている。
「そういった情報は入ってこないのですが、財前は今年に入ってスタメンを外れる事が多いですね。
ベンチには入ってますし、様子を見る限りではどこも悪くなさそうな感じですが」
「去年の三冠王だぜ!調子が良くないのかどうかは知らんけど、9番に落とされてヤル気無くしたんじゃねぇのか!」
「櫻井監督は下位打線こそが真のクリーンナップと言ってますけど…やっぱりそこが解せないんでしょうかね?」
「モノは言いようだよな。いかにも下位打線が重要だって言い方するけど、所詮は下位だろ?
ホントに重要ならば、上位に置くだろ。
鬼束や結城だって、6番7番に下がってるじゃん?
アイツらに聞いてみたいよな、オマエらホントは納得してないだろ?って」
果たして本心はどうなのか。
「さて、マウンド上の片山はここまで6勝3敗の防御率は3.41
玉井尻さん、今年の片山は去年ケガで戦列を離れていただけに、復活の意味を込めての活躍だと思うのですが」
「オレァ、スカイウォーカーズの中で一番まとまってるピッチャーがコイツだと思うんだ」
「まとまってる…どういう事ですか?」
「スピード、変化球、コントロール、インサイドワークどれをとっても、非常にバランスのとれたピッチャーだって事だ!
左の正統派とも言うべきタイプだな」
珍しく玉井尻が選手を絶賛する。
「さぁ、間もなくプレイボールです!
トップバッターの高野が今ゆっくりと右打席に入ります」
「初回から高野、白石、仙道と気の抜けない打線だな」
「片山はどう攻めるのか?」
背番号1のスイッチヒッターがマウンド上の片山から視線を離さない。
「さぁ、時計の針は午後6時を回り、試合がスタートしました!」
「コイツも好調だろ。何せ、出塁率は4割超えだしな」
「え~、今シーズン高野の出塁率は0.408…
これはリーグで第2位ですね」
「ほぉ~、で、1位は誰?」
「トップは唐澤で0.426…非常に高い率ですね」
解説者のクセに全く知らないとは。
「ほー…唐澤が1位か。アイツ、スゲーんだな…」
「さぁ、片山―滝沢のバッテリーがどう攻めるか?
…サインに頷き、第1球を投げた!
インサイドへ僅かに外れたストレート、判定はボール!」
「今のはコースに外れたけど、いい球だったぜ」
「バックスクリーンのオーロラビジョンには143km/hと表示されています!
玉井尻さん、今日の片山は球が走ってるとみてよろしいでしょうか?」
「うん、まだ1球しか投げてないけど、ストレートはノビがあって球速以上に速く感じるハズだぜ」
片山のストレートは最速149km/h。
その気になれば150を超える事も可能だが、速さよりもコントロールや球のキレに拘る。
「そりゃ160km/h出せるなら、出してみたいけど、打たれたら意味無いでしょ?
例え140そこそこでも、打たれない球を投げた方がいいじゃん?
ピッチャーは球の速さを競う競技じゃないんだし」
インタビューで片山はストレートの速さについて、こうコメントした。
大切なのは球速ではない、ボールの回転数だと。
「コイツはストレートもそこそこ、決め手となる変化球もまあまあで、これと言って特徴の無いタイプだけど、絶妙なコースにズバッと球を投げるのが上手いんだよ」
玉井尻が片山の持ち味を説明する。
「なる程、急所を突く様なピッチングをするというタイプですかね?」
「そうそう、ここしかないって場所に思い切って投げる度胸の良さが最大の武器だな」
「カウントはワンボール…中腰になり、滝沢の出すサインを覗き込む…サインが決まった!
ノーワインドアップから第2球を投げた!
アウトコースギリギリに決まるツーシーム、高野バットが出ない!」
「今のは打ってもファールになるだろうな」
「玉井尻さんのご指摘通り、高野はそれを分かってバットを出さなかったのか?
これでワンボール、ワンストライクの並行カウント」
「今のツーシームも手前で小さく変化したろ?」
「えぇ、そうですね…変化は小さいですが、鋭く外に曲がりました」
「ああいう絶妙なコースへ上手く投げるんだよ、アイツは…決して目立つ様なタイプじゃないが、中澤や那須川みたいにリーグを代表する左ピッチャーだとオレは思うぜ」
そんなワケで次回に続く。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる