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狼少女編
森の異変
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「……今日は収穫なしか」
弓の練習を終えて帰路につく。
もう夕刻の頃合い。子供ならば帰って然るべき時間だ。
俺は魔力強化で脚力を上げて森の中を駆け巡る。ここは比較的家から近場だ。故に少し飛ばせばすぐに着く。まして魔力強化しているのだからあと数分で家にたどり着くはずだ。
だが、ある気配がしたので俺は足を止めた。
「……やはり湧いて出てきやがったか」
俺は腰に隠してあったナイフを引き抜き、10mほど離れた茂みに投げる。すると甲高い悲鳴と共に液体が噴き出た。
普通ならば誤って子供か動物かに当たってしまったと思うであろう。……噴き出る血液が緑色でなければ。
「ギャッ!」
もう一匹もすぐに殺す。
ゴブリンを見たらすぐ殺せ。一匹いたらあと10匹はいると思え。この格言に従って俺はゴブリンを抹殺した。
茂みから3匹のゴブリンが飛び出した。
一匹目は鉄製の剣を、2匹目は鎖付き鉄球を、三匹目はボウガンを持っている。
大方冒険者などから奪ったのだろうがこんな所に武器を持つ人なんて来るのか?
疑問を抱きながらも俺は戦闘態勢に入る。魔力を身体と木刀に流して強化し、一気に走った。
「ギィ!」
「ギャァ!」
ゴブリンがボウガンの矢と鉄球を放つ。
俺は木刀で矢を弾き、返しの剣で鉄球の鎖部分を叩いて遠心力を打ち消した。
続いて剣を持つゴブリンが俺に剣を振りかざす。
俺は剣を横から木刀で叩いて弾き、返しの剣でゴブリンの首を切り飛ばした。
魔力で強化してるおかげが、木刀でありながら俺の剣は切れる。切った後は若干剣に込めている魔力が乱れるが、それもすぐに治った。
横から矢が飛んできたので屈んで避け、立ち上がりながら鉄球の鎖を掴んだ。
「オッラア!!」
「「ギィ!?」」
鎖を力いっぱい振り回し、鉄球ゴブリンの身体ごとボウガンゴブリンに叩きつける。
これで2匹の体勢は崩れた。今のうちに反撃に出る!
「らあ!」
「「グギィィィィィ!!?」」
ゴブリンの剣を奪い、逆手に持って飛びかかる。
倒れて負ぶさっているゴブリンごと串刺しにして動きを止め、ナイフでトドメを刺した。
「……まだまだいるな」
魔力ソナーを発すると、既にゴブリンが20匹ほど集まっていた。
仲間の仇か、それとも単に人殺しが好きなのか。全員何かしらの武装をしており、俺を殺す気マンマンでいる。
改めてゴブリンから奪った剣を構える。
同じ背丈のおかげか持ちやすい。これからはこの剣をしばらく愛用しよう。
魔力を通して耐久力と切れ味を高める。
キラリと刃が輝く。血が付着しているせいか、それとも俺が高揚しているせいか。その剣が獲物を斬るの今か今かと楽しみにしているように見えた。
「はあ!!」
「ギィ!?」
まずは一番最初に飛び出したバカゴブリンを袈裟斬りにする。
刃が右肩から入って左脇から抜ける。完全に両断。緑色の血液を割れた水風船のようにぶちまけた。
「ギャア!?」
もう一匹を返しの剣で切り裂く。
下から上に持ち上げるように、今度は逆に刃が入る。これもまた最初のゴブリンと同じ末路を迎えた。
「ギギィ!?」
また一匹切り裂く。
剣を上に構え直した垂直斬り。左肩筋から真っ二つに切り裂き、心臓も綺麗に二つに割った。
「グギャア!?」
今度は心臓を一突き。
肋骨の間を抜けて貫通。そのまま串刺しになって声も上げずに死んだ。
もちろんゴブリンも黙ってちゃいない。複数の敵が弓矢を射ってきた。
なのでゴブリンの死体を盾にして防ぐ。そして盾を構えながら接近し、十分な距離まで近づいたとこで剣に引っ付いているゴミをゴブリン共に放り投げた。
「「「「ギャギィィィィィィ!!?」」」」
斬る斬る斬る。ひたすら剣を振るってゴブリンを切り裂いて死体に変えた。
緑色の血で服がベットリ汚れる。臓物が飛び散って身体にかかる。肉を切り裂き、骨を切断して、次々と死体を量産した。
魔力強化しているとはいえ、なんて威力なんだ。面白いぐらいにゴブリンが斬れるじゃないか。
「……本当に数が多いな」
魔力ソナーで周囲の敵を調べる。……残りだけでも10以上いるぞ。
だが開けた場所から襲ってきているから対処は楽そうだ。
居合の構えを取って魔力を込める。全身の魔力が剣に集中、増幅と収束を繰り返し、準備を始めた。
「流動する刃」
剣が赤色のオーラを纏い、光の鞭となってゴブリにへ伸びる。鞭は蛇のようにしなり、ゴブリンの群れを切り裂いた。
名前通りこの技は魔力で延長した鞭のような刃で切り裂く技だ。広い場所では使い勝手が良いのでよく多様する。
魔力を回収して身体に戻す。……よし、この5年で体外の魔力操作も大分うまくなった。
「しかし最近本当に多いな…‥」
最近よくゴブリンやオークなどの魔物をよく見る。
魔物は通常魔境から出て行くことはない。だが、強い魔物に追い出されたり、魔境から発せられる魔力よりも強大な魔力を感じたりなど。実は魔物が魔境から出て行く要因は限られているとは言え意外と多いのだ。
「…‥つまり魔境に何かあったということか」
これは一度調査する必要があるな。
弓の練習を終えて帰路につく。
もう夕刻の頃合い。子供ならば帰って然るべき時間だ。
俺は魔力強化で脚力を上げて森の中を駆け巡る。ここは比較的家から近場だ。故に少し飛ばせばすぐに着く。まして魔力強化しているのだからあと数分で家にたどり着くはずだ。
だが、ある気配がしたので俺は足を止めた。
「……やはり湧いて出てきやがったか」
俺は腰に隠してあったナイフを引き抜き、10mほど離れた茂みに投げる。すると甲高い悲鳴と共に液体が噴き出た。
普通ならば誤って子供か動物かに当たってしまったと思うであろう。……噴き出る血液が緑色でなければ。
「ギャッ!」
もう一匹もすぐに殺す。
ゴブリンを見たらすぐ殺せ。一匹いたらあと10匹はいると思え。この格言に従って俺はゴブリンを抹殺した。
茂みから3匹のゴブリンが飛び出した。
一匹目は鉄製の剣を、2匹目は鎖付き鉄球を、三匹目はボウガンを持っている。
大方冒険者などから奪ったのだろうがこんな所に武器を持つ人なんて来るのか?
疑問を抱きながらも俺は戦闘態勢に入る。魔力を身体と木刀に流して強化し、一気に走った。
「ギィ!」
「ギャァ!」
ゴブリンがボウガンの矢と鉄球を放つ。
俺は木刀で矢を弾き、返しの剣で鉄球の鎖部分を叩いて遠心力を打ち消した。
続いて剣を持つゴブリンが俺に剣を振りかざす。
俺は剣を横から木刀で叩いて弾き、返しの剣でゴブリンの首を切り飛ばした。
魔力で強化してるおかげが、木刀でありながら俺の剣は切れる。切った後は若干剣に込めている魔力が乱れるが、それもすぐに治った。
横から矢が飛んできたので屈んで避け、立ち上がりながら鉄球の鎖を掴んだ。
「オッラア!!」
「「ギィ!?」」
鎖を力いっぱい振り回し、鉄球ゴブリンの身体ごとボウガンゴブリンに叩きつける。
これで2匹の体勢は崩れた。今のうちに反撃に出る!
「らあ!」
「「グギィィィィィ!!?」」
ゴブリンの剣を奪い、逆手に持って飛びかかる。
倒れて負ぶさっているゴブリンごと串刺しにして動きを止め、ナイフでトドメを刺した。
「……まだまだいるな」
魔力ソナーを発すると、既にゴブリンが20匹ほど集まっていた。
仲間の仇か、それとも単に人殺しが好きなのか。全員何かしらの武装をしており、俺を殺す気マンマンでいる。
改めてゴブリンから奪った剣を構える。
同じ背丈のおかげか持ちやすい。これからはこの剣をしばらく愛用しよう。
魔力を通して耐久力と切れ味を高める。
キラリと刃が輝く。血が付着しているせいか、それとも俺が高揚しているせいか。その剣が獲物を斬るの今か今かと楽しみにしているように見えた。
「はあ!!」
「ギィ!?」
まずは一番最初に飛び出したバカゴブリンを袈裟斬りにする。
刃が右肩から入って左脇から抜ける。完全に両断。緑色の血液を割れた水風船のようにぶちまけた。
「ギャア!?」
もう一匹を返しの剣で切り裂く。
下から上に持ち上げるように、今度は逆に刃が入る。これもまた最初のゴブリンと同じ末路を迎えた。
「ギギィ!?」
また一匹切り裂く。
剣を上に構え直した垂直斬り。左肩筋から真っ二つに切り裂き、心臓も綺麗に二つに割った。
「グギャア!?」
今度は心臓を一突き。
肋骨の間を抜けて貫通。そのまま串刺しになって声も上げずに死んだ。
もちろんゴブリンも黙ってちゃいない。複数の敵が弓矢を射ってきた。
なのでゴブリンの死体を盾にして防ぐ。そして盾を構えながら接近し、十分な距離まで近づいたとこで剣に引っ付いているゴミをゴブリン共に放り投げた。
「「「「ギャギィィィィィィ!!?」」」」
斬る斬る斬る。ひたすら剣を振るってゴブリンを切り裂いて死体に変えた。
緑色の血で服がベットリ汚れる。臓物が飛び散って身体にかかる。肉を切り裂き、骨を切断して、次々と死体を量産した。
魔力強化しているとはいえ、なんて威力なんだ。面白いぐらいにゴブリンが斬れるじゃないか。
「……本当に数が多いな」
魔力ソナーで周囲の敵を調べる。……残りだけでも10以上いるぞ。
だが開けた場所から襲ってきているから対処は楽そうだ。
居合の構えを取って魔力を込める。全身の魔力が剣に集中、増幅と収束を繰り返し、準備を始めた。
「流動する刃」
剣が赤色のオーラを纏い、光の鞭となってゴブリにへ伸びる。鞭は蛇のようにしなり、ゴブリンの群れを切り裂いた。
名前通りこの技は魔力で延長した鞭のような刃で切り裂く技だ。広い場所では使い勝手が良いのでよく多様する。
魔力を回収して身体に戻す。……よし、この5年で体外の魔力操作も大分うまくなった。
「しかし最近本当に多いな…‥」
最近よくゴブリンやオークなどの魔物をよく見る。
魔物は通常魔境から出て行くことはない。だが、強い魔物に追い出されたり、魔境から発せられる魔力よりも強大な魔力を感じたりなど。実は魔物が魔境から出て行く要因は限られているとは言え意外と多いのだ。
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これは一度調査する必要があるな。
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