かっこいいヤギさん

バナナの人

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ライオンになりたい

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「うーん、ライオンさんみたいになるにはどうしたらいいだろう

 トボトボ。トボトボ。ヤギさんは山の中を歩いていました。
 あれからずっとヤギさんは考えました。どうやったらライオンさんみたいにかっこよくなるんだろうって。
 けどヤギさんは分かりませんでした。

「そうだ。みんなに聞いてみよう」

 そこで、ヤギさんは森でいちばんかしこいフクロウさんに聞いてみました。

「フクロウさん。ぼくはライオンになりたいんだ。どうすればライオンになれるの?」
「ホーホー。そんなのムリだホー」

 フクロウさんは困った顔で言いました。

「ヤギさんはヤギだホー。ライオンにはなれないホー」
「でもどうしてもなりたいんだ! どうしたらいいの!?」
「ホーホー。困ったホー」

 フクロウさんはもっと困ってしまいました。

「じゃあ、ライオンさんのモノマネをしたらいいホー。もしかしたらライオンになれるかもしれないホー」
「わかった、ありがとうフクロウさん!」

 ヤギさんはライオンのモノマネをしてみました。
 ライオンさんといえばあのなき声です。ヤギさんはライオンさんの声をマネしました。

「めー! めー!」

 でもヤギさんの鳴き声はメーメーです。とってもかわいい声です。でもぜんぜんかっこよくありません。

「なにしてるモー?」
「あ、牛さん。ライオンさんになろうと鳴き声のれんしゅうをしてるんだよ。

 ヤギさんが言うと牛さんは笑いました。

「おかしいモー! ライオンの鳴き声はガオーだモー。
 ライオンさんはもっとこわいモー。そんなかわいい声じゃないモー」

 牛さんは笑いながら帰りました。

「バカにして~! こうなったら声を変えてやる!」

 ヤギさんは声を変える石を見つける冒険に行きました。
 声を変える石はけわしい山の頂上にあります。
 登るのは無理そうです。鳥さんみたいに飛ぶしかありません。

 けどヤギさんには関係ありません。

 ヤギさんはどんなにけわしい崖でも登れます。だからこれぐらいへっちゃらでした。

「ガオー! ガオー!」

 ヤギさんは石で声を変えることが出来ました。
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