8 / 8
ライオンでなくてもいいんだ
しおりを挟む
「ライオンさん! ライオンさーん!」
パカラッパカラッ。ヤギさんはとても速い足でライオンさんを探していました。
「うるさい。聞こえてるよ」
「うわっ!?」
びっくりしたヤギさんは振り向きました。
「そんな大きな声で叫ぶな。聞こえてるよ」
「ら……ライオンさん…・・・」
そこにいたのは、ヤギさんが探しているライオンさんでした。
「か……かっこいいな~」
ライオンさんはとてもかっこよかった。
風に仰がれるたてがみ。鋭い爪と牙。キリっとした目。
どれもヤギさんが持ってないものばかりです。
「ボク……ライオンになれないのかな?」
「あ? 当たり前だろ。というか、なんで俺になりたいんだ?」
ヤギさんはライオンさんに説明しました。
「アッハッハッハ! なんだソレ? だから俺のマネしてたのか!? バカじゃないのか!?」
ライオンさんは大笑いしました。
ヤギさんは傷つきました。なんだよ、あんなに努力したのに。なのになんで笑うんだよ。
けど、次の一言で全部吹っ飛んでしまいました。
「だって、お前もうかっこいいじゃん」
「………え?」
ヤギさんは信じられませんでした。もしかしたら聞き間違いかもしれない。
絶対聞き間違いだ。ヤギさんは思いました。
「お前は立派な角を持ってるじゃないか。滅茶苦茶かっこいいじゃんその角」
「で……でもこんなの重いし、あっても邪魔になるだけだし……」
「嫌味かお前!?」
ライオンは少し怒った顔で言いました。
「硬くて強い蹄も、高くジャンプできる脚もかっこいいぞ。その足でキックされたら俺も一発でたおれるぜ」
「で、でもするどいツメがないし……」
「バカ。俺の爪はするどいけどすぐ折れるんだ。研ぐのだって大変なんだぜ?」
ライオンさんはしょんぼりしているヤギさんを励ましました。
「なあ教えてくれ。
どうやったらそんな立派な角が生える?
どうやったらそんな堅いツメになれる?
どうやったらそんなに高くジャンプ出来る?
お前が聞いているのはそういうことだぞ」
ライオンさんを羨ましそうにするヤギさんみたいに、ライオンさんは言った。
「……ボクはかっこいい?」
「ああ。とってもかっこいいぜ」
「ボクが羨ましい?」
「ああ、嫉妬したぜ」
ヤギさんは震えました。
あのかっこいいライオンさんがボクをかっこいいって言ってくれた、それだけで涙が出るほどうれしかった、
「なあ、俺と友達になってくれないか?」
「……え?」
「俺はお前がかっこいいと思った。だから友達になりたいって思った。
友達になってくれるか?」
「……うん!」
ヤギさんは笑顔で友達になりました。
ライオンさんは強くてかっこいい
風に仰がれるたてがみと、鋭い爪と牙。
キリっとした目はどんな獲物も逃がしません。
ヤギさんも強くてかっこいい。
ハンマーみたいに大きな角と、石のように堅い大きな蹄。
立派な足は山をひとっとびで飛び越えてしまいそうです。さんも強くてかっこいい。
二匹ともかっこいい。どっちがいいんじゃない。二つもいいんだ。
ライオンさんにはライオンさんの、ヤギさんにはヤギさんのいいところがある。
いい所だけじゃない、悪い所もある。けどそれはみんな一緒です。
もし、お互いに一つでもかっこいいと、すごいと思え合うことが出来たら、簡単に友だちになれるかもしれませんね。
「お前そんな崖も登れるのか!?」
「うん!この蹄のおかげなんだ。その代わりライオンさんみたいにするどくないけどね」
このヤギさんとライオンさんみたいに。
パカラッパカラッ。ヤギさんはとても速い足でライオンさんを探していました。
「うるさい。聞こえてるよ」
「うわっ!?」
びっくりしたヤギさんは振り向きました。
「そんな大きな声で叫ぶな。聞こえてるよ」
「ら……ライオンさん…・・・」
そこにいたのは、ヤギさんが探しているライオンさんでした。
「か……かっこいいな~」
ライオンさんはとてもかっこよかった。
風に仰がれるたてがみ。鋭い爪と牙。キリっとした目。
どれもヤギさんが持ってないものばかりです。
「ボク……ライオンになれないのかな?」
「あ? 当たり前だろ。というか、なんで俺になりたいんだ?」
ヤギさんはライオンさんに説明しました。
「アッハッハッハ! なんだソレ? だから俺のマネしてたのか!? バカじゃないのか!?」
ライオンさんは大笑いしました。
ヤギさんは傷つきました。なんだよ、あんなに努力したのに。なのになんで笑うんだよ。
けど、次の一言で全部吹っ飛んでしまいました。
「だって、お前もうかっこいいじゃん」
「………え?」
ヤギさんは信じられませんでした。もしかしたら聞き間違いかもしれない。
絶対聞き間違いだ。ヤギさんは思いました。
「お前は立派な角を持ってるじゃないか。滅茶苦茶かっこいいじゃんその角」
「で……でもこんなの重いし、あっても邪魔になるだけだし……」
「嫌味かお前!?」
ライオンは少し怒った顔で言いました。
「硬くて強い蹄も、高くジャンプできる脚もかっこいいぞ。その足でキックされたら俺も一発でたおれるぜ」
「で、でもするどいツメがないし……」
「バカ。俺の爪はするどいけどすぐ折れるんだ。研ぐのだって大変なんだぜ?」
ライオンさんはしょんぼりしているヤギさんを励ましました。
「なあ教えてくれ。
どうやったらそんな立派な角が生える?
どうやったらそんな堅いツメになれる?
どうやったらそんなに高くジャンプ出来る?
お前が聞いているのはそういうことだぞ」
ライオンさんを羨ましそうにするヤギさんみたいに、ライオンさんは言った。
「……ボクはかっこいい?」
「ああ。とってもかっこいいぜ」
「ボクが羨ましい?」
「ああ、嫉妬したぜ」
ヤギさんは震えました。
あのかっこいいライオンさんがボクをかっこいいって言ってくれた、それだけで涙が出るほどうれしかった、
「なあ、俺と友達になってくれないか?」
「……え?」
「俺はお前がかっこいいと思った。だから友達になりたいって思った。
友達になってくれるか?」
「……うん!」
ヤギさんは笑顔で友達になりました。
ライオンさんは強くてかっこいい
風に仰がれるたてがみと、鋭い爪と牙。
キリっとした目はどんな獲物も逃がしません。
ヤギさんも強くてかっこいい。
ハンマーみたいに大きな角と、石のように堅い大きな蹄。
立派な足は山をひとっとびで飛び越えてしまいそうです。さんも強くてかっこいい。
二匹ともかっこいい。どっちがいいんじゃない。二つもいいんだ。
ライオンさんにはライオンさんの、ヤギさんにはヤギさんのいいところがある。
いい所だけじゃない、悪い所もある。けどそれはみんな一緒です。
もし、お互いに一つでもかっこいいと、すごいと思え合うことが出来たら、簡単に友だちになれるかもしれませんね。
「お前そんな崖も登れるのか!?」
「うん!この蹄のおかげなんだ。その代わりライオンさんみたいにするどくないけどね」
このヤギさんとライオンさんみたいに。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
すごく読みやすく、また展開もしっかりしていていい作品だと思いました!これからも更新楽しみにしてます。よければ自分の作品も読んでみてください。コメント失礼します🙇
ありがとうございます! 今日思い付いて書いたのでいろいろ不安だったのですは、楽しんでもらえて何よりです!