【R18】タルタロスの姫は魔族の騎士に溺愛される

麦飯 太郎

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出征前夜 *

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 その夜の部屋は、マリアとフロスト。そしてアランとイザベラとミーナの二部屋に分かれて寝ることになった。
 モルタール王国の王族である三人はティアブール国には同行できないため、ロックフェルト国で待機してもらうことになっている。
 男女で部屋を分けようとイザベラが提案をしたが、出立の際に起こしてしまうからと分けてもらった。イザベラは見送るから関係ないと文句を言いつつ、ゆっくり休んでもらおうとアランに説得されて部屋に戻っていった。
 全てが解決し落ち着いたら、イザベラとミーナ、それにルーンも誘って一つの部屋で夜を過ごすのも楽しそうだ。
 いつかそれが叶うように、全ては明日以降にかかっている。

「緊張してるか?」

 ベッドの中で眠れずに何度も寝返りをしていたので、フロストが気遣うように頭を撫でてくれる。

「えぇ、少しだけ。戦場に向かう時でもこんなことは無かったのだけど」
「……危ない目に、合わせたくない」

 絞り出すような声に、思わず手を伸ばしフロストの身体を抱き締める。

「本当は、どこか田舎でひっそりと二人で暮らしたい」
「でもそれだと、フロストはまた魂を集めないといけないでしょう?」

 それが魔王アルフレッドとの約束だ。今まで集めていた分で、少しだけ猶予があるかもしれない。けれど、この作戦が失敗すればきっとフロストが人間に戻ることは無いだろう。
 永遠と私が死んだ後も、フロストは一人でまた戦場で魂を集めるようなる。
 そんな寂しい未来には、絶対にさせない。

「俺は、マリアがいればいい」
「その私はいつか、おばあちゃんになって死ぬのよ? そしたら魂の回収でもしてくれるのかしら?」
「そうだな、その魂をずっと愛でて生きるのも悪くない」

 そんな冗談に冗談で返され、頬を膨らませると軽やかに笑われた。

「嫌よ。私は死んで、また生まれて、今度は最初からフロストと幸せに暮すの」
「兄妹か?」
「うーん……。それはダメね。今度は幼馴染みとかどうかしら? 家が隣同士で。そしたら結婚もできるでしょう?」

 ふと、今も結婚していないのに、既に結婚した気になっている発言に恥ずかしくなり顔を俯かせる。

「あなたが良ければ、何度でも出会って、恋をしたいわ」

 抱き締める力を強めれば、撫でていた手がスルリと顔に滑り落ち頬をしっかりと包んだ。そのまま流れるようにキスをされ、先程とは違う濃厚な互いを確認し合うように口腔を舐め合った。
 身体が火照り、求めるように背に爪を立てれば、触れているフロストの下半身が昂ぶっているのが伝わってくる。
 求められることの喜びがじわじわと溢れ、太ももでそれを撫でれば反応を示してくれる。目の前のフロストの表情も目を細め、快楽を感じ始めている様子が見てとれた。

「マリア、明日は朝が早いから」
「やめましょうか?」

 止める気がないのに、その言葉を出してみる。すると、眉間に皺を寄せ黙り込んでしまった。
 本当に止めるのだろうか。
 こんなに昂っていて、隆々とした肉棒は収まるのだろうか。

「はぁーーーーーー。ごめん、一回だけさせて。本当はしないつもりだったけど」

 苦しい決断をしたような様子に、思わずキスをして抱き締める。

「ごめんなさい。私がシて欲しかったのに、意地悪しました」
「……うん。この意地悪の仕返しはまた今度にする。だから、今日は優しく一回にしような」

 横向きに抱き合っていた身体を押し倒され、仰ぎ見る。息を吐いて心を落ち着かせるが、それでも目の前の美しさに胸が高鳴ってしまう。
 借り物のネグリジェを脱がされ、フロストも裸になる。肌寒さに身体が少しだけ震えると、温めるようにしっかりとフロストの身体が覆い被さった。
 胸の鼓動、身体の熱さ、息遣い。全てが溶け合うような時間だ。
 その時間を進めるために、ゆったりと味わうようにキスをする。

「フロストは甘いですね」
「そうか? うーん、マリアは濃厚なハチミツみたいだな」

 そうかしらと首を傾げると、フロストの指先が頬から首筋を伝い、乳房の丸みを確かめ、細い腰を滑り、恥骨を撫で、薄い下生えをかき分け、まだ閉じている割れ目に到達した。

「キスだけで濡れてる」

 そう言うと、指先に力を込めはいりこむ。滑る蜜がトロリと溢れ出し、身体が受け入れることを期待していると知られてしまった。
 恥ずかしいけれど、今は素直にフロストを求めたい。

「フロストと抱き合うのもキスも大好きだから……全部、気持ち良いの」

 ピクッと肩を揺らしたフロストは、肩に顔を埋め首筋に舌を這わせる。無言で何度も何度も味わうようにされれば、そこから溶けてしまいそうだ。
 だが、そこでふとアルフレッドの言葉を思い出す。

「あ……の、血を飲みたいですか?」
「え?」
「アルフレッドが、一度飲めばその味を忘れられないって。飲んでも構わないですよ?」
「はぁ?」

 苛ついた返事をしたが、フロストは無言で再び首筋に吸い付いた。強く、角度を変え、何度も何度も。
 しばらくすると満足したらしく、首から離れる。

「マリアが血を流すのは、たとえ俺が相手でも嫌だ。あの時は……そうしないと回復しない気がしたけど。今は血を飲むよりも、マリアの全身全て、髪の一本も俺のだからって印をつけたい」
「印……――ッ!!」

 思わず首を手で押さえたが、くくくと笑ったフロストは もう遅いよ と満足気な笑みを浮かべた。
 きっと首筋は、いくつもの花弁が散ったようにフロストの証が刻まれているのだろう。嫌ではないけれど、明日は出征するのだ。共に出征する兵団になんと思われるだろうか。

「虫除け」

 虫なんて付くはずがない。いつだって、フロストだけを見ているのだから。
 それを伝える前に、フロストの止まっていた指先がツルリと割れ目をなぞり、陰核を引っ掻いた。

「ンぁッ!」
「クリトリス大好きだよね。俺も好き。コレを弄るだけで、乱れて愛液垂れ流しちゃう姿は淫らで最高だ。……でも今日は無し。今日はゆっくりだから」

 指先が蜜口に添えられ、柔らかくほぐすように円を描きながら動く。ツプツプとほんの僅かに入り込んだりはするが、決して中までは侵入をしてこない。
 それがもどかしく、腰を揺らすと太ももに当たる肉棒の先からしっかりと先走りが垂れ流れているのを感じた。
 その先走りを塗り込むように太ももを動かせば、竿が何度も動く。

「挿れるぞ」
「はい――ァツ!!」
「んッ、さすがにキツイな……。大丈夫か、マリア」

 まだきっと半分も入っていないのだろう。異物感が腹の底に響いているが、今はもっとしっかりとフロストと密着したい。
 広い背中に手を回し、身体を引き寄せる。

「だいじょ、ぶッ、だから、全部挿れて」
「わかった」

 額にキスをしたフロストが腰をグッと落とす。その動きと共に亀頭が中を開いていくのを感じた。
 ゆっくりと、ゆっくりと中に熱が埋まってくる。
 腰と腰がぴったりと密着し、火照る身体が重なりあう。全てを受け入れたのだと思うと、どうしようもない幸福感を感じた。

「フロストを独り占めです」

 ふにゃりと笑みを浮かべると、同じように微笑み頭を抱えられた。
 普段はあまり意識しないけれど、こうして覆い被さる体位だとフロストの体格の良さを改めて認識してしまう。
 すっぽりと包まれ、このまま守られていたいような……そんなに気にさせられる。

「マリア、中をしっかり感じて」
「え? こ、こうですか?」
「――ッちが、いや、良いんだけど――締めるんじゃなくて、俺のペニスの形とか熱さとか、浮かんだ血管も分かるように」
「? やってみる」

 目を瞑り、柔壁が包み込む肉棒に意識を向ける。
 亀頭はツルリと滑らかで柔らかいのに、適度な硬さで奥を突いてくれる。最近はポルチオとフロストが呼んでいる最奥の膨らみに、亀頭が遠慮なくぶつかるとすぐに達してしまう。
 その下のカリ首は高く、その差で中を引っ掻かれると堪らない。柔壁を引きずり出すように激しく掻き回す動きが、フロストの好みのようだ。
 そして竿。軍学校や戦場で兵士が話す猥談によれば太さも長さも人それぞれらしい。他者のソレは見たことないけれど、フロストの肉棒は間違いなく大きいはずだ。もし、そうでなかったとしても、私にぴったりと合うのであれば、それが最高なのだから問題ない。
 その柔壁を圧迫する竿から浮かび上がる血管…………気付くまでに時間はかかるけれど、気が付くと今度はその血管がトクトクと脈打っていることさえ分かる。
 堪らない。フロストの全てが愛していると、大切だと言ってくれているようだ。

「きも、ちぃ」

 思わず呟くと、そっと頭を撫でられ 分かったか? と聞かれ、ゆっくりと頷く。

「なら、そのまま集中して」
「ン……んッ! あっ!!」

 中で肉棒が大きく跳ねた。
 柔壁が腹側に引き上げられ、奥の膨らみを撫でるように亀頭が擦る。

「――っ、ひぁッ、アッ、んッ」

 腰は動かず密着しているのに、中の肉棒だけが別の生き物のように跳ねる。その動きは不規則だけれど、的確に絶頂まで押し上げられていくようだ。

「わかる? ……気持ち良さそう、キュンキュン締めてくる」
「アッ、わかる――わかる、すごいの、激しくないのに、こんな――イきそうで」
「気に入った? 俺もすごい良い。マリアに包まれて熱くて、動かせば嬉しそうに沢山締めてくれる。ウッカリ出しちゃいそうだ」

 そう言ってフロストはまた、ピクッピクピクッと肉棒が跳ねさせる。
 先程より強めに最奥を引っ掻かれ、身体が跳ねて軽い絶頂を迎えた。

「――ッんァァッ! ぁ、あぅ、んっ」
「イッちゃったな。可愛い。中が痙攣してる。ほら、続けるぞ? 今、亀頭がコリコリしてるのがポルチオだ。わかるか? マリアがいつも悦ぶだろ? あぁ、その顔が大好きなんだ」

 瞑ってた瞼を持ち上げると、恍惚とした表情で見下ろしているフロストと視線が絡む。すると、笑みを浮かべて声に出さず きもちいい と口を動かした。
 その光景があまりにも卑猥で子宮や柔壁が勝手に蠢き始めてしまった。

「あっ、アッ、――どうし、らめ、イク、フロスト、こんな、私ッ――んんッ!!」
「こら、締め付けるな。――おい、マリア、ダメだってバカ!! 止め、止めてくれ搾り取ろうとするな――ッグッ!!」

 そんなこと言われても、自分の意思ではなく身体が勝手にフロストを求めているので止められない。それに、そんな中でもしっかりと肉棒が跳ね続けているのだ。

「イクっ、ちがっ、イッ――イッてりゅ、ずっと、アッんグッ――んッイッてるの、すご、ダメ、も、らめ、アッアッアッくるっ――ンゥゥッ!!」

 ビクンッと大きく身体が跳ね、目の前が白くなる。いつもの絶頂とは違い、緩く押し寄せた波がいつまでも引かないような、永遠に続くような絶頂だ。
 ようやく視界が戻り始めるが、中のうねりが止まらない。登りつめたままの快楽の中、フロストを見ると、目の前の美しい顔が、眉間に皺を寄せてキツく目を瞑っていた。

「フロ、ストォ」

 甘えるような声が出てしまい、自分でも驚いていると、フロストもハッと目を開きキスを落としてくれた。

「悪い。少しだけ出た……と思う……情けないな」
「な、んで? 気持ち良かったからでしょう? 私もその……とても、とても良かったから」
「――ッあのな、マリア。お前のその表情、絶対他では見せるなよ? 貪りたくなる……が、今日はこのまま、少しだけ動くぞ」
「――ッ!」

 中に埋まった肉棒がほんの少し引きずり出され、そしてまたピッタリと埋まる。
 合わさった身体に、手を差し込んだフロストは腹をグッと押してきた。

「ここ。ほら、マリアの腹が薄いから俺のペニスが出入りしてるのが感じられるぞ」

 そう言うと手を引き抜き、こちらの手を握って自身の腹部に手のひらをあてさせられる。その上からフロストの手が覆い、さらに身体ごと密着した。
 押し付けた手のひらから、中でゆっくりと動く肉棒をしっかりと感じ取れた。
 全てが埋まりきり、奥で腰を回され先程のようにピクピクッと動かされると、最奥はここなのだと意識してしまう。

「あ、入ってる、フロストの、おっきい――」
「はぁ、ん――そうやって無意識に煽るの凄いよな」
「煽ってないです、本当に、熱くて硬くて大きくて……大好きです」
「俺も好き。マリアを、愛してる。お前だけしかいらない」

 再び動き始めたフロストの腰は、ゆっくり確実に互いを絶頂まで登らせていく。
 一段一段踏みしめるように、固めるように、確かめるように。
 背に回した手に力を入れる。もっと近付きたい。もっともっと――。

「――ッアッ!! ――アァッ!!」
「はぁ、――、っんッ――イッ――くっ!!」

 共に迎えた絶頂で、跳ねようとする身体はフロストに抑え込まれる。と、同時に中で同じように跳ねている肉棒の先……亀頭から大量の精が勢いよく飛び出し、ポルチオを濡らし子宮を犯しているのを感じた。
 その熱で再び達してしまい、くったりと身体を弛緩させた。

「大丈夫か?」
「えぇ、その、なんかいつもと全然違って……」
「時間があれば挿れたまま何時間も繋がっていると、二人の境目が溶けあうらしいぞ」
「そ、そうなの……?」

 それはそれでとても幸せだろう。今日はもう明日のために寝るべきなのだろうけれど、いつか時間がたっぷりと取れるようになれば……。
 フロストと繋がり、愛を囁き、見つめあい……それだけで幸せだ。

「ニヤニヤしてる。想像したか?」
「えっ、あっ、――はい」

 両手で頬を抑えて、表情を整えようとしたがどうにも上手くいかない。

「良かった。……リラックスできたみたいだな」

 ヌルリと熱が引き抜かれ、フロストが枕元から布を取り出し後処理をしてくれる。
 しないつもり……と言いつつ、随分と準備が良いなと思うけれど、そんなフロストが愛しくて堪らない。
 手際良く処理を終え、ベッドに戻りネグリジェを着せてくれるフロストを見ていて、ふと、気になったことを口にしてみた。

「あの、なんで私以外の前では口数が少ないのかしら?」
「え??」
「何人かで集まっている時、フロストはほとんど黙ってますよね? 私の前だとよく話すタイプなので、なぜかしらって」

 そうか? と首を捻ったフロストの様子から、どうやら無意識だったようだ。
 アレンやアランとは話しているようだが、女性と二人で話すことは殆どない。例外はミーナくらいではないだろうか。
 ……ミーナとは話というか、言い合いに近いが。
 街で女性に声をかけられても、二人きりのときは一言二言で要件だけ伝えていたとミーナから聞いている。

「うーん……」
「そんなに悩まなくて良いですよ。なんとなく聞いただけなの」
「いや、理由がある気がする」

 唸りながらネグリジェを着せ終え、自らもシャツと緩いズボンを履き、ベッドに潜り込んだフロストはこちらを抱き締めながらもまだ唸る。
 もういいと言おうとした時、納得したように大きめに あぁ、そっか と声をあげた。

「分かったの?」
「あぁ。凄く単純だ。俺はマリア以外と会話する時、その言葉を吐くことすら面倒だと思っている」

 ……。何を言っているんだ。

「マリアとなら、いつまでも言葉を紡いでいたい。でも、他の有象無象と会話するのは時間も空気も無駄だな。そうだろ? あぁー、スッキリした」

 良かった良かったと頷き、フロストは大きなあくびをした。つられてあくびをすると、頭にキスを落としてくれた。

「さ、寝よう。明日からは馬に乗り続けることになるからな」

 茶化すようにクスクスと笑い、フロストは瞼を閉じた。
 先程の酷く重い執着の言葉に驚いているが、嬉しくもある。フロストのように他の人との会話を億劫に思うことはないけれど、いつまでも話していたいのはフロストだけだ。

「おやすみ、大好きよ」

 もう眠っていると思って呟くと、薄ら目を開き 俺も と微笑んでくれたのだった。
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