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彼が勇者を目指す訳Ⅰ
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『ゴブリンでも勇者になれますか?』
答えは否である。
勇者とは絶対的な力と信頼と実績を兼ね備えた騎士にのみ与えられる称号である。
そして、騎士になる為には厳しい入団試験に合格しなければならない。
人々は己が鍛え上げた肉体や魔法を駆使してその試験に臨んでいる。
そんな中で魔法も使えず、身体能力も人間に劣るゴブリンが入団試験に合格など出来るわけがない。
……はずだった。
彼が現れるまでは。
――十年前
星暦二〇一四年。八月八日。
大陸の西の端。
そこには法はなく、秩序もない。
無法地帯。
弱肉強食の世界。
弱者が常に虐げられる魔境。
人はこの場所を未開域と呼んだ。
そんな危険な場所にローブを羽織った老人の影が1つ。
「これは悲惨な有様じゃの……」
老人はフードを外し、周囲を見渡す。
そこは小さな村のような体をなしていた。
だが、住人の姿はすでになく、あるのは破壊された住居に、床や壁に飛び散った血のみ。
「血の渇き具合から見て、ここが襲われたのは随分前のようじゃが。はて、死体はどこへ行ったのかのう?」
村を散策する老人は村の奥に立ててある墓標を見つけた。
一メートルほどの高さまで積まれた土の上に小枝が一本刺さっていた。
お世辞にも墓標と呼ぶには簡素すぎると老人は思った。
「誰が立てたのか分からぬがここはひとまず……」
老人は両の手を合わせ、黙祷する。
しばらくして、老人はその荒れた村を後にしようとした。
だが、村に出る一歩手前で足を止めた。
「……ん。今のは悲鳴?」
それは常人ではまず聞き取れないほどかすかなものであったが、老人の耳には届いていたようだ。
「!」
老人はそれが助けを求める声だと思い、真っすぐに悲鳴のあった方へと駆ける。
明らかに年老いているとは思えない速度で走る老人。さらには森の中に入ると同時に木の枝に乗り、枝から枝へとピョンピョン跳ねて進んでいく。
「着いた。ここか」
木の上から下を眺めると、そこには小さな少女が一人と、それを囲むように体の大きなオークが三体。
「あの少女……」
よく見るとオークに襲われている少女は角が生えており、肌も赤褐色に染まっていた。
「きゃ、やめてください……」
オークに突き飛ばされた少女は涙を流して、許しを請う。
「見逃すわけないだろうが! 貴様ら鬼人(オーガ)が俺たちに何をしたか。忘れたとは言わせんぞ!」
「そうだ。お前らのせいで俺たちの村は半壊状態。そして、多くの命が奪われた」
「てめぇみたいなガキ一人の命で、仲間が生き返るわけでもない。だが、てめぇを殺さねぇとこっちの気は収まんねぇんだよ!」
オークたちの言葉を聞いて、老人は大体の事情を察した。
「やはり、あの少女はオーガの子供か。……はぁ、まったく。子供に八つ当たりしたところで何かが変わるわけでもあるまいに」
老人にオーガの娘を見殺しにするという選択肢はなかった。
怪我を負う前に助けに入ろうとした、その時。
「……ん、誰か来る」
こちらに向かってくる者の気配を感じ取り、老人は足を止めた。
「てめぇら! 何してんだ!!!!!!」
そんな叫び声と共にオーガの少女とオーク達の間に割って入る小さな影があった。
「あれは……!」
その姿を見た老人は目を見張った。
オーガの少女を助けようと馳せ参じたのは、全身緑色の小さな生物。
恐らくこの未開域中で最も弱い部類に入る種族。
「なんだ、貴様は!」
三倍以上身長差があるオークに怒鳴りつけられても一切怯むことなく、背中にある身の丈もある剣を抜き、構える。
「俺はゼル! ゴブリンだ!」
「は? ゴブリンだと? なんだって、劣等種族のゴブリンがここで出てくる!」
「お前じゃ役者不足だ。さっさと失せろ!」
「いいや、失せない。だって、助けを求める声がしたから」
ゼルと名乗った少年はそう言って、後ろで震えるオーガの娘に笑いかけた。
「大丈夫。君は俺が守って見せる」
「おいおい、調子乗るなよ? 俺たちを前にして勝てる気でいるわけ……」
ザシュ……。
オークの男の言葉が途絶えた。
「ごふっ!」
そして、その後、口から血を吐いた。
「な、んだ。何が起きた!?」
時間にして僅か一秒。
その場にいた者たちは何が起きたのか分からず狼狽えていた。
ただ一人。少し離れたところから見ていた老人以外は。
「あのゴブリン。一瞬で間合いを詰めて、身の丈以上もある剣を振るい、オーガの一人を斬った。恐らく独学だろうが、戦うのが上手い。というよりも、体の使い方が上手い」
ゴブリンは魔法を使えない。
それだけで、多くの種族と天と地ほどの力量の差が出る。
だが、もう一つゴブリンが劣等種族と呼ばれる理由がある。
それは身体能力。
魔法に長けている妖精(エルフ)はそれ故に他の種族と比べて身体能力が低い。この世界で平均的だと言われる人間(ヒューマン)よりも身体能力は劣っている。
そして、ゴブリンはそんなエルフよりも弱い。
魔力なしで戦えば間違いなくエルフが勝つだろうと言われている。
そう、それがこの世界の常識。
なのに……。
「今の間合いの詰め方、特別早く動いたわけじゃない。油断していたオークの隙を上手くついて、早く動いたように見せていた。だけど、一つ不可解なことがある。彼の攻撃でオークの一人が血を吐くほどのダメージを受けている。見たところ外傷はそこまで大きいものではない。と、なると、あの剣が怪しいかのう」
老人の目に留まったのはゼルが持つ不思議な形をした剣。
作りはほとんど剣と言って差し支えない形状をしているが、その刀身には不自然な穴が七つ空いていた。
「気になることが多々あるが、どうやら状況はそれどころではなさそうじゃのう」
老人が思考している間にゼルとオーク達の戦況は大きく変わっていた。
「はぁはぁ……くっ」
やはりと言うべきか、三人のオーガから集中攻撃を受けたゼルは血だらけになりながら、膝をついていた。
「あ、あの……」
心配したオーガの少女はゼルに声をかけようとするが、彼はそれを手で制した。
「お前はさっさと逃げろ」
「で、でも……」
「大丈夫だ。お前が逃げられるだけの時間は稼いで見せる」
しかし、それでもオーガの少女はそこから逃げようとしなかった。
「いいから! いけぇ!」
「っ!」
ゼルに怒鳴られ、ようやくオーガの少女は逃げることを決意した。
「逃がすかよ!」
必死で逃げるオーガの少女の後を追うように一人のオークが前に出た。
「いかせねぇよ!」
当然、ゼルはその間に割って入り、剣を振りかざし迎撃する。
「雑魚が! 邪魔するな!」
オークはゼルの頭を掴み、そのまま地面にたたきつけた。
「ぐは!」
「っち、無駄な時間使わせやがって」
「おい、さっさとあのガキ追うぞ」
ゼルはもう立てないと判断したオーク達はゼルを放置して、オーガの少女の後を追おうとした。
だが……。
ズドン!
ものすごい音を立てて、オーク達の目の前に何かが落下してきた。
「ゴホゴホ。なんだ。何が起きた! 土埃で何も見えねぇ!」
「こんなもの! おりゃ! そりゃ!」
オークは両の腕を大きく振って土埃を払う。
「んだこれ……石?」
オーク達の目の前には小さなクレーターが出来ており、その中央には小石が一つ転がっていた。
「こっちじゃこっち」
「誰だ!」
挑発する声が聞こえ、オーク達はそちらの方を向く。
「じじい? てめぇか!?」
「悪いね。君らをそのままいかせることは出来ない」
「はっ! ヒューマンのじじいが粋がってんじゃねぇぞ! ここじゃ力が全てなんだ。死んでけ!」
挑発に乗ったオークの一人が老人に向かって走っていく。
ヒュン!
瞬間、顔の横に何かが飛んで行ったのが見えた。
「っ!」
それに怯んだオークは足を止める。
すると、それと同時に背後で爆発したような音が鳴り響いた。
オークがゆっくりと振り返ると、木々が数本へし折れていた。
「な!」
それと同時に先ほど、クレーターを作った小石を思い出した。
こちらを見て笑っている老人の手には無数の小石。
「こ、今回だけだ! 今回だけは見逃してやる!」
老人に勝てないと直感的に判断したオーク達は尻尾を巻いて逃げ去った。
「さて、行ったかのう。後は彼だけじゃのう」
老人の視線の先にはオークに敗れた小さなゴブリンの姿があった。
倒れたゼルを担ぎ、老人はさっきまでいた廃村へと向かった。
答えは否である。
勇者とは絶対的な力と信頼と実績を兼ね備えた騎士にのみ与えられる称号である。
そして、騎士になる為には厳しい入団試験に合格しなければならない。
人々は己が鍛え上げた肉体や魔法を駆使してその試験に臨んでいる。
そんな中で魔法も使えず、身体能力も人間に劣るゴブリンが入団試験に合格など出来るわけがない。
……はずだった。
彼が現れるまでは。
――十年前
星暦二〇一四年。八月八日。
大陸の西の端。
そこには法はなく、秩序もない。
無法地帯。
弱肉強食の世界。
弱者が常に虐げられる魔境。
人はこの場所を未開域と呼んだ。
そんな危険な場所にローブを羽織った老人の影が1つ。
「これは悲惨な有様じゃの……」
老人はフードを外し、周囲を見渡す。
そこは小さな村のような体をなしていた。
だが、住人の姿はすでになく、あるのは破壊された住居に、床や壁に飛び散った血のみ。
「血の渇き具合から見て、ここが襲われたのは随分前のようじゃが。はて、死体はどこへ行ったのかのう?」
村を散策する老人は村の奥に立ててある墓標を見つけた。
一メートルほどの高さまで積まれた土の上に小枝が一本刺さっていた。
お世辞にも墓標と呼ぶには簡素すぎると老人は思った。
「誰が立てたのか分からぬがここはひとまず……」
老人は両の手を合わせ、黙祷する。
しばらくして、老人はその荒れた村を後にしようとした。
だが、村に出る一歩手前で足を止めた。
「……ん。今のは悲鳴?」
それは常人ではまず聞き取れないほどかすかなものであったが、老人の耳には届いていたようだ。
「!」
老人はそれが助けを求める声だと思い、真っすぐに悲鳴のあった方へと駆ける。
明らかに年老いているとは思えない速度で走る老人。さらには森の中に入ると同時に木の枝に乗り、枝から枝へとピョンピョン跳ねて進んでいく。
「着いた。ここか」
木の上から下を眺めると、そこには小さな少女が一人と、それを囲むように体の大きなオークが三体。
「あの少女……」
よく見るとオークに襲われている少女は角が生えており、肌も赤褐色に染まっていた。
「きゃ、やめてください……」
オークに突き飛ばされた少女は涙を流して、許しを請う。
「見逃すわけないだろうが! 貴様ら鬼人(オーガ)が俺たちに何をしたか。忘れたとは言わせんぞ!」
「そうだ。お前らのせいで俺たちの村は半壊状態。そして、多くの命が奪われた」
「てめぇみたいなガキ一人の命で、仲間が生き返るわけでもない。だが、てめぇを殺さねぇとこっちの気は収まんねぇんだよ!」
オークたちの言葉を聞いて、老人は大体の事情を察した。
「やはり、あの少女はオーガの子供か。……はぁ、まったく。子供に八つ当たりしたところで何かが変わるわけでもあるまいに」
老人にオーガの娘を見殺しにするという選択肢はなかった。
怪我を負う前に助けに入ろうとした、その時。
「……ん、誰か来る」
こちらに向かってくる者の気配を感じ取り、老人は足を止めた。
「てめぇら! 何してんだ!!!!!!」
そんな叫び声と共にオーガの少女とオーク達の間に割って入る小さな影があった。
「あれは……!」
その姿を見た老人は目を見張った。
オーガの少女を助けようと馳せ参じたのは、全身緑色の小さな生物。
恐らくこの未開域中で最も弱い部類に入る種族。
「なんだ、貴様は!」
三倍以上身長差があるオークに怒鳴りつけられても一切怯むことなく、背中にある身の丈もある剣を抜き、構える。
「俺はゼル! ゴブリンだ!」
「は? ゴブリンだと? なんだって、劣等種族のゴブリンがここで出てくる!」
「お前じゃ役者不足だ。さっさと失せろ!」
「いいや、失せない。だって、助けを求める声がしたから」
ゼルと名乗った少年はそう言って、後ろで震えるオーガの娘に笑いかけた。
「大丈夫。君は俺が守って見せる」
「おいおい、調子乗るなよ? 俺たちを前にして勝てる気でいるわけ……」
ザシュ……。
オークの男の言葉が途絶えた。
「ごふっ!」
そして、その後、口から血を吐いた。
「な、んだ。何が起きた!?」
時間にして僅か一秒。
その場にいた者たちは何が起きたのか分からず狼狽えていた。
ただ一人。少し離れたところから見ていた老人以外は。
「あのゴブリン。一瞬で間合いを詰めて、身の丈以上もある剣を振るい、オーガの一人を斬った。恐らく独学だろうが、戦うのが上手い。というよりも、体の使い方が上手い」
ゴブリンは魔法を使えない。
それだけで、多くの種族と天と地ほどの力量の差が出る。
だが、もう一つゴブリンが劣等種族と呼ばれる理由がある。
それは身体能力。
魔法に長けている妖精(エルフ)はそれ故に他の種族と比べて身体能力が低い。この世界で平均的だと言われる人間(ヒューマン)よりも身体能力は劣っている。
そして、ゴブリンはそんなエルフよりも弱い。
魔力なしで戦えば間違いなくエルフが勝つだろうと言われている。
そう、それがこの世界の常識。
なのに……。
「今の間合いの詰め方、特別早く動いたわけじゃない。油断していたオークの隙を上手くついて、早く動いたように見せていた。だけど、一つ不可解なことがある。彼の攻撃でオークの一人が血を吐くほどのダメージを受けている。見たところ外傷はそこまで大きいものではない。と、なると、あの剣が怪しいかのう」
老人の目に留まったのはゼルが持つ不思議な形をした剣。
作りはほとんど剣と言って差し支えない形状をしているが、その刀身には不自然な穴が七つ空いていた。
「気になることが多々あるが、どうやら状況はそれどころではなさそうじゃのう」
老人が思考している間にゼルとオーク達の戦況は大きく変わっていた。
「はぁはぁ……くっ」
やはりと言うべきか、三人のオーガから集中攻撃を受けたゼルは血だらけになりながら、膝をついていた。
「あ、あの……」
心配したオーガの少女はゼルに声をかけようとするが、彼はそれを手で制した。
「お前はさっさと逃げろ」
「で、でも……」
「大丈夫だ。お前が逃げられるだけの時間は稼いで見せる」
しかし、それでもオーガの少女はそこから逃げようとしなかった。
「いいから! いけぇ!」
「っ!」
ゼルに怒鳴られ、ようやくオーガの少女は逃げることを決意した。
「逃がすかよ!」
必死で逃げるオーガの少女の後を追うように一人のオークが前に出た。
「いかせねぇよ!」
当然、ゼルはその間に割って入り、剣を振りかざし迎撃する。
「雑魚が! 邪魔するな!」
オークはゼルの頭を掴み、そのまま地面にたたきつけた。
「ぐは!」
「っち、無駄な時間使わせやがって」
「おい、さっさとあのガキ追うぞ」
ゼルはもう立てないと判断したオーク達はゼルを放置して、オーガの少女の後を追おうとした。
だが……。
ズドン!
ものすごい音を立てて、オーク達の目の前に何かが落下してきた。
「ゴホゴホ。なんだ。何が起きた! 土埃で何も見えねぇ!」
「こんなもの! おりゃ! そりゃ!」
オークは両の腕を大きく振って土埃を払う。
「んだこれ……石?」
オーク達の目の前には小さなクレーターが出来ており、その中央には小石が一つ転がっていた。
「こっちじゃこっち」
「誰だ!」
挑発する声が聞こえ、オーク達はそちらの方を向く。
「じじい? てめぇか!?」
「悪いね。君らをそのままいかせることは出来ない」
「はっ! ヒューマンのじじいが粋がってんじゃねぇぞ! ここじゃ力が全てなんだ。死んでけ!」
挑発に乗ったオークの一人が老人に向かって走っていく。
ヒュン!
瞬間、顔の横に何かが飛んで行ったのが見えた。
「っ!」
それに怯んだオークは足を止める。
すると、それと同時に背後で爆発したような音が鳴り響いた。
オークがゆっくりと振り返ると、木々が数本へし折れていた。
「な!」
それと同時に先ほど、クレーターを作った小石を思い出した。
こちらを見て笑っている老人の手には無数の小石。
「こ、今回だけだ! 今回だけは見逃してやる!」
老人に勝てないと直感的に判断したオーク達は尻尾を巻いて逃げ去った。
「さて、行ったかのう。後は彼だけじゃのう」
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