奴隷勇者の転生物語

KeyBow

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第三章 リブート編

第84話 極大魔法

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 ジークが放ったその玉は、キュイーンと奇妙な音を立てながら、とてつもない速度でサイクロプスに向かっていった。

 ほぼ音速であるので、バリバリバリと空気が悲鳴を上げていた。音速の為、音から何かが飛んでくる気配を感じる前に到着する。たまたま視界に入っていれば別だが、サイクロプスが気が付かないまま、その玉はサイクロプスの胸に直撃した。

 しかしその直後には何も起こらなかったが、次第にサイクロプスは苦しみだし、手で胸を押さえた。その腕は胸に押し付けられるようになり、首がすぼまった。そして足が妙な角度に折れ曲がり、ありえない角度で足首が胸元にある状態だ。

 サイクロプスはグエ!グガ!グボっと唸っていた。

 そう、体が無理やり球体になっていく感じだ 。バキッ! ギャグ!ギシャ!どガン!バキボキ!バキバキ!と奇妙な音を立てながら、やがてサイクロプスは丸い肉の塊になり、ポンっ!と弾けた。

 魔石等のドロップが発生したが、それらドロップ品もそのまま玉に取り込まれていった。そしてバリバリバリバリと触手を伸ばすかのようにその玉から電気か触手のような何かがジリジリと迸り、近くにいた魔物を次々と捉えて行く。

 そしてそれらの魔物は、サイクロプスと同じように体が中心部に折り畳まれ、そして弾けると小さな玉になり、やがて最初の玉に吸収され、玉は少しずつ大きくなっていく。

 ジークが攻撃目標に定めたのは、今皆が戦っている防壁に取り付いている第1陣ではなく、その後ろの第2陣だ。

 更にその後ろに足の遅い本体がいると思われる。第2陣は約500匹の魔物がいるがその後ろの本体は2000匹以上だろうと思われる。

 今現在その玉は直径1m程にまで成長している。そう、約2000匹の第2陣を全て飲み込んだのだ。そして右腕をクイッと上向きにし、手首を前にしていたのを上の方に折り曲げた。 

 そうすると玉が上に上がっていき、またもや右手で弓を引き絞る動作をし、左手で狙いを定めた。そして第3陣、つまり本体と思われるところの中心に向かって押し出す仕草をした。


 するとその玉は第3陣の中心部に向かって勢いよく飛んでいく。やはりバリバリバリと空気を切り裂き、みなのちゅうもくを浴びたが、それは漆黒で、ただ黑かった。

 そしてその黒い玉は第3陣の中心部に着弾した。

 すると眩い光とともに爆裂し、石や岩を撒き散らせながら巨大な炎の柱を発生させた。

 中心部に直径100m位のクレーターができただろうか。周囲に土や木等の破片が飛び散り、周辺にいた魔物のほとんどが魔石や素材、アイテム等のドロップ品等に化け、クレーターの中心部にそれらドロップ品が大量に残っている状態だ。

 だが、辛うじて指揮官と思われる魔人のみが生きてその場にいた。

 先程の炎によりかなりの火傷を負っているが、それでも健在である。そう、魔物ではなく、魔族である。この魔法は魔族に対しては効き目が薄く、魔物特化型であり、スタンピードに対処するのに向いた魔法の一種である。

 また、爆裂した時の衝撃波や熱風が物凄い事になっており、1km程離れた先にいる防壁の上にいる者も皆吹き飛ばされたり、尻餅をついたりしていた。ただ、ジークが使った別の魔法により、防壁から落下をした者はいない。

 またジークは己に対し大量の経験値が入ってきており、レベルも一気にかなり上がっているのが理解できた。

 ただし、レベルが極端に上がったが、ステータスは、一気には上がらない。徐々に上がるのだ。その為にレベルが上がった最終的なステータスに追いついてくるのには数日を要する。

 だが、少し身体能力が上がったと理解できた。レベルが100上がったとしても、上がった直後はレベルが1とか2上がった分のステータスしか反映されない。

 残りはゆっくり、ゆっくりと数日掛て身体に馴染むように取り込まれていく感じだ。

 そしてジークは防壁から外に降りる為の足場を魔法で作り、ジークが行くぞと言った。するとシリウス、ステージア、アイシア、トライミー、リースティア、ギャレッジが咄嗟に防壁から地上に降り、生き残った敵の指揮官と思われる奴の所に急ぎ向かっていったのであった。
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