異世界でハズレスキル【安全地帯】を得た俺が最強になるまで〜俺だけにしか出来ない体重操作でモテ期が来た件〜

KeyBow

文字の大きさ
25 / 49

第26話 平手打ち

 俺はステータスをかなり上げているが、まともに戦闘訓練などしたこともなく、戦闘に役に立ちそうな技術を持たない。そんな俺は、ステータスに頼った強引で無様な戦いを繰り広げていたに違いない。

 幸いなことに満月のようで、月明かりに照らされた魔物の姿はよく見え、周囲の状況もよく見えた。逆を言えば向こうもこちらがよく見えることを意味する。また、新鮮な空気を吸ったからか意識がはっきりしてきており、更に感覚が研ぎ澄まされる。

 馬のようなものや、カエルと猫を足して割ったようなもの、それに豚顔で二足歩行するオークのような魔物たちが、散発的に襲いかかってくる。

 魔物は俺が倒した魔物の血の匂いに引き寄せられているのか、それとも俺や2人の汗、いやフェロモンに惹きつけられたのか?

 変なことを一瞬考えたが、そんなことはどうでも良かった。
 魔物の強さは正直なところ大したことはなく、俺1人なら何とでもなる程度だった。それにいざとなれば魔物から距離を取ることもできるからだ。

 しかし、意識のない2人を守りながらの戦いは、想像以上にきつかった。次々と押し寄せる魔物を相手に、必死で剣を振るい、盾で防御したり、時には蹴りを入れたりしながら、俺は守るための戦いをしていた。

「うりゃー!経験値になれ!」

 俺はそんな叫び声をあげながら魔物たちを次々と倒していった。

 剣を振り下ろすたびに魔物の体が真っ二つになり、蹴り飛ばしたのは吹き飛んで行き、木の幹に激突すると幹が折れる音が響いた。

 しかし、ついに魔物の角に剣の腹が当たった瞬間、剣の方が根元付近から折れてしまった。

「くそっ!」

 俺は握りしめていた柄をその魔物の目に叩き込むと、次に盾で魔物の攻撃を受け止めて蹴り飛ばし、時には盾で殴ったりもした。
 だがその盾も魔物の突進を受け止めた時についに割れてしまった。

 そこから俺は素手で魔物たちと戦うしかなくなった。

 戦いに没頭していると、ふと気絶しているミカとカナエの方に向かう魔物の存在に気が付いた。

「そんなことさせるかよ!」

 そう叫び、目の前の魔物に背中を向けてそいつを倒しに行ったが、その隙に背後からの攻撃をくらい鋭い痛みが走った。

 振り向くと、魔物の爪が俺の背中を深く切り裂いていた。

「残念だったな!俺のほうが速いぞ!」

 痛みに耐えながらも、そいつと2人の間に割って入り、殴り飛ばした。そうやって俺は必死でミカとカナエを守るために戦い続けた。

「うおおおお!」

 叫びながら魔物の攻撃をかわし、逆に拳を叩き込むと、魔物は吹き飛ばされて木の幹に激突し、幹が折れてバキバキと音をたてながら倒れていった。

 どれだけの時間が過ぎたのか分からないが、やがて空が白み始め、朝日が顔を出すとともに、魔物の数が減り始めた。ハアハアと荒い息を整えながら辺りを見渡すと、おびただしい数の魔物の死体が転がっており、いつの間にか魔物を全滅させていた。

 ようやく戦いが終わり、俺は安堵の息をついた。
 そんな中、2人が目を覚ましたようで、ううっと唸っており、意識を取り戻そうとしているようでほっとした。

 まだ、2人の服を整える余裕がなく、前は完全に開けており下着が見えている。

「直してやらないとな」

 呟きながら近付いていった。

 手を伸ばし始めたところで意識を取り戻したようで真っ赤になり、必死に服を整えようとしている2人が声を上げた。

「このむっつりスケベ!」
「見損ないました!」

 2人は俺に向かって叫んだかと思うと、次の瞬間、俺の両頬に強烈な平手打ちが飛んできた。「なんで?」と困惑しつつも、疲労の限界に達していた俺は2人に覆いかぶさるようにして倒れ込んだ。いや、実際問題として意図してではないが押し倒した形だ。

 そして、彼女たちの悲鳴を聞きながら俺は覆いかぶさったまま意識を手放したのだった。

感想 20

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!