ダンジョンから始まる異世界生活〜異世界転移した勇者なのに誰も拾ってくれませんから、ダンジョン攻略しちゃいます〜へなちょこ勇者の成長記

KeyBow

文字の大きさ
21 / 195
第2章 晃編

ダンジョンへ

しおりを挟む
 晃はスマホとにらめっこをしていた。やはり引けるロトが出ていて、未契約女神との契約記念ロトと有った。魔石を11個必要とし、住居を得られるようだ。そして晃は武器を出してターニャに言われた手入れをしていた。

 それと今後に控えているロトはレベルアップ記念や住居入手記念だった。多分家具とかなんだろうと思う。

 女神のビフォーアフターの写真を観ていた。確かに面影があるが、違い過ぎたので不思議だった。喋り方も違うが、契約後は不思議な感覚があった。

 女神は力尽きて寝てしまった。晃は複雑な感情に見舞われていた。体力がなくなったのだろうが、雄として見られていないのか、襲って欲しいのか、はたまた異性として見られているが信用してくれているのか。

 ただ、晃はか弱い女性に対して寝込みを襲う性分ではない。信頼に応えようとし、明日の事を考えてやがて眠くなり床で寝る。自分を信じられないからだ。間違いを犯しかねないから服を枕にして眠る事にした。

 ただ、葛藤は有った。晃も年頃の男の子だ。据え膳食わねばの状態で、目の前の美し女神を裸にし、自らの欲望のはけ口にしようと思えば出来るのだ。

少し手を伸ばせば魅力的な男心を燻る素敵な胸が有る。勿論そう言う事に興味があり、機会があれば初体験を済ませたい思いも人一倍有る。しかし欲望より理性と自制が勝った。

 そして朝を迎えたがだがどうしてこうなった??
 いつの間にかベッドで寝ていて、イザベラの胸に頭を埋める形で抱きかかえられていた。しかも既に起きていてわざと胸に押し付けてグリグリとしているのだ。

 晃は目覚めると訳が分からないないが苦しい。なのでよく分からない顔にある柔らかな物体を引き離そうとそれを押したが、手には柔らかな感触が有った。なんだろうとモミモミすると圧迫していた物が少し離れた。そしてその手にあったのがイザベラの双丘だと分かると顔を青くし、ジャピング土下座をした

「女神様ご、ごめんなさい。そのわざとではないのですが、む、胸を触ってしまいました」

「ふふふ。晃くんは積極的だネ!。私の胸の感触はどうだった?」

「はい、柔らかく、至高の感触でした。女の人の胸を初めて触りましたが、柔らかいんですね!って、何を言わせるんですか?」

「ふふふ。君は紳士だね。床で寝ているのを見たのと、私の純潔がまだ保たれていたから驚いたよ。大抵の女神は初契約者が男の場合、契約した夜に純潔を散らされると聞いていたのに。犯さないでいてくれてありがとう。それとも私には魅力がなかったのかな?」

「いえいえ、魅力的過ぎて、一緒の布団に入って寝たら絶対襲っちゃいそうだったから床で寝てたんです」

「うん。分かっているよ。君が何故私を抱けたのに抱かなかったのかを。3大ダンジョンの攻略だよね?元の世界に帰る為だよね。帰ると別れなきゃだから、私を奇麗な体のままにしてくれたんでしょ?何年先の事になるかは分からないけど、君の選択は尊重するよ。出来たらこの世界に残って貰いたいけどね。絶対絶対、女神様を愛してるから帰るのは辞めますって言わせるんだからね。私は君が求めてくるならいつでも受け入れよ。それより今日はどうするの?」

「はい。あの、僕にある加護が何かわからないのですが、転移前からロトがあり、それが実は今日の夜までの限定なのですが、未契約女神との契約記念ロトがあり、どうやら住居を得られるようなんです。但し魔石が11個、それも自分で倒したのが必要なので、早速ダンジョンに行ってきます。なので許可が欲しいのと、ギルドに申し込みと、アシスタントさんに女神様を紹介しに行きます」

「無理をしないでね。君はまだ一般人程度の力なんだから。そうだね、君には特別な加護を授けるから目を瞑むってじっとしてるんだよ」

 晃は黙って従い、目を瞑る。すると唇に柔らかな感触があり、思わず目を開けるとキスをされていた。しかし、何やら力が漲ってきた感じがした。

「あのね、これはキスじゃないからね。キスはちゃんとしたのが欲しいから、ノーカンだよ。こうしないとあげられないんだ。力が得られた事が分かったと思うけど、これはね無詠唱の、つまり詠唱破棄の加護なの。これはね、大切な人に授ける物だからね。一つしかない加護だから大事にして欲しい。今はまだ魔法が使えないだろうけど、いずれ君の役に立つ筈なの。だから無理しないでちゃんと帰ってくるんだよ!」

 晃はただただ頷くだけだ。

 朝食の後にギルドに向かう。イザベラにお金を渡し、晃がダンジョンに行っている間に服を買うように言っておいた。服屋の場所は分かるとの事だ。

 ギルドに着くと騒ぎが起こった。見た事の無い女神がいるからだ。ターニャを探していると向こうから慌てて駆けてきた。

「ご機嫌よう女神様、晃さんこちらの女神様は?」

「君は誰かな?私は2日前に下界に来た女神イザベラだよ。晃くんは私の初契約者になったの。この意味分かるよね?それよりダンジョンに入る許可をお願いね」

「あっはい。女神イザベラ様。申し遅れましたが、晃様のアシスタントを担当していますターニャと申します。宜しくお願いします。まずは晃様のダンジョン許可証ですね。ではこちらに」

 個室で手続きをし、程なくして許可証が発行され、三者の血をそれぞれの場所に垂らして登録が終わった。
 それをギルドにて記録し、原本を晃に持たせた。
 許可証をダンジョンに入れると以後どのダンジョンも入れるのだ。

 晃は早速許可を持ってダンジョンに向かった。ターニャが止めるも晃には聞こえなかった。猪突猛進である。

 晃が出ていった後にギルドマスターと女神の話し合いが有った。

 新たな女神が降臨したのは10年振りとなり、イザベラが一人の女神が亡くなったと伝えた。尤も女神が下界で死ぬと天界に戻されるだけなのだが。ただ、長い年月下界には行けなくなる。

 イザベラはその女神が死んだ前後に下界に派遣されてきたと。晃が転移したのと同時だった。つまり入れ替わりなのだ。

 死んだ女神の契約者はそろそろ契約した女神が亡くなったと気が付くのだと。但し地上での話だ。

 誰かと再契約しなければならない期限は2週間。それを過ぎると加護が消え、レベルもリセットされる。

 そしてイザベラから告げられた今回死んだ女神の名から最大級の団の女神だったから、ギルドマスターは愕然としていた。総勢40人を超える団だからだ。

 現在は女神が死んだその日からダンジョンへ遠征に行っているから、女神の死に気が付かないと。最悪の場合戦闘中に加護が無くなり一般人に戻る。計画では最大2週間の遠征なので間に合うはずだが、団員が再契約するまでの期間があまりにも短く、混乱は必須だ。

 再契約するのには女神と団長二人の同意がいる。女神が許可しても団長が拒否すれば契約が出来ない。ギルドマスターは全団に女神の一人が亡くなったのと、その団のメンバーの受け入れ要請を出すと伝えたのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...