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第3章 大輔編

トーナメント

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 今日の大輔の装備は盾と剣をメインにし、鞭を副装備にしている。また、折り畳みナイフを非常用とし申告している。

 相手が開始の合図と共に突進し、モーニングスターを繰り出す。大輔は後ろに飛びのくと足元にモーニングスターが突き刺さる。

 大輔は冷静に相手を見ていた。経験が少なく、ガラグからは相手を見極め、有効な手を考えるように言われていた。

 間合いは鎖の長さから
 2mと判断した。大輔はさてどうするか?と自問する。

 間合いが厄介だ。剣を振り抜いた後に一気に間合いを詰めればほぼ行けるのだが、何を隠し持っているか分からない。通常のモーニングスターよりも間合いが長く、誘っているとしか思えなかった。

 じゃあどうするか?となるが、また一撃を放って来た。鞭を取り出し鎖の根本に巻きつけ一気に手前に引く。すると手からグリップがすっぽり抜けて大輔の手元に来る。モーニングスターを脇に投げて剣を抜き相手に斬りかかる。

 懐からダガーを出して突いてきた。やはり狙っていたのだ。
 チャンスだった。懐に潜り込んで腕を掴み一本背負いを繰り出す。見事に炸裂し、背中を強打しぐは!っと呻いていた。

 大輔は剣先を首に当て

「降参しろ」

 とだけ告げる。

「くそー!ダリルをやったのは実力かよ!偶然って言ったの誰だよ?負けた。負けだ」

 大輔は両手を上げガッツポーズだ。

 司会が大輔の勝利宣言をする。

 僅か1分位の出来事だった。別のエリアではトーマスとギランが各々戦っていたが大輔の試合が一番早く終わった。試合が終わると直ぐに闘技場から出る。

 部屋に帰るとケイトがぶかぶかな服?ドレスを着ていた。

「ただいま。ちゃんと勝ってきたよ。今日は無傷だからね。相手が弱くて楽させてもらったよ。所でその服はどうしたの?サイズが合ってないね」

「はい、洗濯から戻ったらドアに掛けてあり、誰かがくれたようなのですがサイズが合わなくて」

「直してやるよ。サイズを見るから動かないで」

 大輔は服を触りながら、紐でケイトの採寸をする。

 服を脱がせ針と糸を出して詰めて行く。
 10分位で終わり、ケイトに着させる。もう一度脱がせて微調整をして終わった。
 ちょっとしたナイトドレスだった。少し大きかったので、成長しても調整して着れそうだった。

「ほら見てご覧」

 大輔は鏡を出し見させる。ケイトは驚いていた。
 小さいが鏡の質が見た事の無いクオリティなのだ。

 この世界の鏡は金属の板や塊を磨いたのしかなく、少し歪に映る。一回転してスカートがふわりとなる。大輔は満足した。手直しが上手く行ったからだ。

「しゅ、しゅごいです。あっという間に直されたなんて。素敵なドレスですね。ありがとうございます。しかし誰がくれたんですかね?」

 ケイトは抱きついて泣いていた。

「相変わらずケイトは泣き虫だな。きっと普段のケイトの働きぶりに神様がご褒美をくれたんだよ」

 少し休憩してから練習場にて訓練をしにいく。大した戦いにならなかったから体力が余っているのだ。午前のみ訓練し、午後からは昼寝だ。
 新人戦の間は勝ち抜いている限り競技場から出れない。不正な賭けを防ぐ為だ。
 そうやってトーナメント初日が終わるのであった。
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