ダンジョンから始まる異世界生活〜異世界転移した勇者なのに誰も拾ってくれませんから、ダンジョン攻略しちゃいます〜へなちょこ勇者の成長記

KeyBow

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第4章

焦り

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 晃は焦っていた。2日間経過しても救援隊が来ないからだ。

 その間に何度もセーフエリアからレヴィと出て周辺の魔物を駆除していた。

 戻ってきても晃の様子が苛立っているのが分かり、誰も声を掛けない。

 エニーですら拒否されていたのだ。

「お疲れ様でした。マッサージするね」

 晃は戻るとマッサージされていた。初めは謝辞を述べたりしていたが、いつからかそれもなくなった。

 辛うじて上の階まで行かないが、相当焦っていた。

 食事は最低限にしていて、晃とレヴィは弁当、団長達は6人は回復しきっていないので昼は弁当で、皆より少し多く食べていた。

 団長の様子もおかしかったのだ。死ねなかったとブツブツ言っていて、メアリーは皆に晃の許可がない限り団長を外に出さないのと、一人にしない事にし、当番で見張らせていた。

 聞いた話だと、女神に先立たれたファーストの大半は自殺してしまうのだと言う。

 避けるのは別の女神と契約させる。これで死んだ女神への想いの重さが下がり、他のメンバーと同じ程度に和らぐと。

 本来女神は本人の意思を尊重してから契約をするが、死なれた者は、特にファーストだった者は発見次第強制的に契約し、自殺を防ぐ。これは顕現直後にギルドマスターから要請される。

 晃の焦りは団長の様子から来ていた。見ていられなくて目を背けるのにひたすら外に行っていた。
 今後の事も決められない。

 また、救援隊が来る予測を誤っていた。なにせ地上に戻るのに女神の体力回復の為に一泊しないとなのを忘れていた。

 予測が一日違うのだ。
 3日目の朝は貧乏ゆすりが激しくエニーが後ろから抱きついて宥めるも、鬱陶しがられ振り解かれた。

 最終手段にメアリーが出た。晃の手を取り、自らの胸に抱き寄せて

「ヨシヨシ坊や。疲れたでしょ。皆の命を背をわせてごめんなさい。晃くんに皆感謝してるの。だから落ち着いて。多分早くても今日の夕方か明日にしか来ないんだから。ね。」

 晃はハッとなった。晃は以外誰も焦っていないのだ。

 エニーとレヴィに日数について話し合って、晃が思っていたのは自分の足や体力しか考えていなく、体力を無くした女神や、救援隊が数時間でダンジョンに入ったとしても、歩みは遅くなる計算をしてなくてエニーからお猿さん呼ばわりされしゅんとなっていたのである。


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